吐き気と頭痛があるのに熱はなし?どんな病気が考えられる?

吐き気と頭痛があるのに熱はない。
そんな経験をされた方いらっしゃいませんか?
実はそれはただの吐き気や頭痛ではないかもしれません。
本記事では、そんな吐き気と頭痛の症状の原因や対処法などについて詳しく解説していきます。
吐き気と頭痛があって熱はなし?原因は?病気かも?

頭痛が強い場合、気持ち悪くなってしまうことがあります。
これは、緊張頭痛・偏頭痛でも脳の中枢神経が刺激されて吐き気が生じるためです。
新型コロナウイルスや感染性胃腸炎など通常発熱も伴う場合も、発熱がなく吐き気や頭痛などの症状を引き起こす場合があります。
吐き気と頭痛の症状があると全て危険という訳ではありません。
しかし、中には命に関わる可能性のある病気もあり注意が必要です。
以下では頭痛がする命に関わる可能性のある病気について解説していきます。
脳腫瘍
脳圧を圧迫するため、頭痛症状をきたすことがあります。
突然の嘔吐や物が二重に見えたりする目の障害など症状などが起こる場合も。
症状が進行していくと頭痛が激しくなり、けいれんや失神を起こすケースも見られます。
意識障害や、嘔吐、けいれん、失神などの症状がある場合は、救急車要請しましょう。
くも膜下出血
ハンマーで殴られたような激しい痛みとよく耳にしますが、これまでに経験したことのないような激しい痛みと、吐き気や嘔吐を伴います。
くも膜下出血は死亡率の高い病気です。
突然の激しい頭痛や、意識障害、嘔吐、視覚障害などが現れた場合は、すぐに救急車を呼びましょう。
髄膜炎
頭痛、発熱を契機に起きる脳の感染症です。
嘔吐を繰り返すことや呼びかけても反応が悪い時はこの病気を疑います。
意識障害や、けいれんなどの症状が出ている場合は、救急車を要請して早期に治療を受ける必要があります。
発熱や、頭痛の症状だけでもかかりつけ医に受診をしましょう。
関連記事:腹痛が起こる・続く原因のまとめ|緊急性の高い痛みの特徴も解説
関連記事:脳神経外科の名医にかかるには ②脳血管疾患|BeMEC
急な頭痛や吐き気の対処法

急な頭痛の対処法
偏頭痛の場合は、まずはゆっくり休みましょう。目をつむると楽になることがあります。
また、痛みの部分を冷却シートなどで冷やしてみるのも良いでしょう。
コーヒーを飲むと頭痛に効果があると聞いたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
コーヒーはカフェインが血管を収縮させる作用があるため、偏頭痛の痛みが緩和されることがあります。
一方、緊張型頭痛の場合は、温めることで痛みが和らぎます。
お風呂にゆっくり浸かったり、ストレッチして血流を良くしましょう。
首筋や肩のマッサージをするのも血流を改善させるのに効果的です。
急な吐き気の対処法
吐き気がある場合、冷たい水を飲んだり、リラックスして気持ちを紛らわせましょう。
横になることで落ち着く場合もあります。
しかし、吐き気のみでなく、何度も嘔吐してしまうようであれば医療機関の受診をおすすめします。
あまりにも辛い頭痛は吐き気の症状がある場合も医療機関へご相談ください。
薬で症状を軽くすることも出来るので、無理せず薬に頼ることも必要です。
熱がないからといって安心はできない!

熱がないからと、頭痛や吐き気の症状を放置してしまう方もいらっしゃるでしょう。
ですが、頭痛や吐き気の裏には様々な病気が隠されていることがあります。
先述した、脳腫瘍、くも膜下出血、髄膜炎なども発熱症状がない場合もあります。
すぐに受診が必要なケースもあるので、症状を軽く見ず、必要な時は救急車の要請を行いましょう。
関連記事:腹痛に即効性のある薬を選ぶポイントや飲むタイミング、頻度を解説
まとめ
吐き気と頭痛を経験したことのある方は多くいらっしゃると思います。
ただの頭痛と吐き気であることも多くありますが、中には命に関わる病気の場合もあります。
判断にお困りの際は一度、医療機関にご相談ください。
参考文献
横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科|吐き気のある頭痛 めまいは?熱なし?
再生医療専門クリニック リペアセルクリニック|頭痛で吐き気を伴うときは危険!考えられる病気やその対処法とは?
こめかみの頭痛が1週間続くときの原因は?|治し方を解説

仕事中や楽しい休日なのに頭がズキズキと痛い…。
特にこめかみが痛くなる頭痛は、長く続くとなかなか集中できず辛いですよね。
また、飲酒や徹夜をしたわけでもないのにこめかみの頭痛が起こることがあります。
一体何が原因なのでしょうか?
今回は、こめかみの頭痛の原因や対処法などについて詳しく解説していきます。
こめかみの頭痛が1週間続いたときに考えられる原因

風邪をひいた際の頭痛はよくみられる症状ですが、その場合は一時的なものです。
風邪の症状とともに数日で改善することがほとんどです。
では、こめかみの頭痛が1週間以上続くような場合は、一体何が原因として考えられるのでしょうか?
以下はこめかみの頭痛が起こる原因の疾患です。
偏頭痛(片頭痛)
頭の血管が何らかの原因で拡張し、三叉神経(*1)を圧迫することで起こります。
緊張性頭痛
首から肩にかけての筋肉が固くなることで起こる頭痛です。
原因として、肩こりや姿勢の悪さなどがあります。
群発頭痛
突然発症し1時間程度持続する片側性の頭痛です。
「人生で最も痛い」と言われるほどの強い痛みが特徴です。
人によっては目の奥の痛みを訴えることもあります。
脳卒中と症状が似ていますが頭蓋内には異常がなく、また症状を繰り返すことが特徴です。
副鼻腔炎
副鼻腔(*2)に炎症が起こることで生じます。
発熱や膿混じりの鼻水が出ることが多いです。
中耳炎
中耳と呼ばれる耳の中の部位に炎症が起こることで生じます。
耳の聞こえづらさなどが最初に出ることが多いです。
小児に多い病気ですが成人でも起こることがあります。
その場合は繰り返しやすいです。
顎関節(がくかんせつ)症
顎関節を構成する骨や筋肉などの異常で生じます。
食事中などに違和感を感じることが多いです。
中には顎の筋肉の痛みを頭痛と勘違いされる方もおられます。
側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)
自己免疫により顔の動脈に炎症が起こることで生じます。
頭痛以外にも持続する発熱などの症状がみられます。
腫瘍や出血による頭痛
腫瘍や出血により頭蓋内が圧迫されて起こります。
1週間以上頭痛だけが持続することはあまりありません。
意識障害や麻痺などの症状が出ることがほとんどです。
腫瘍や出血の部位によって症状が変わるため、頭部CT検査などの詳しい検査が必要です。
| 三叉神経(さんさしんけい)(*1)=顔の感覚を脳に伝える末梢神経のひとつ副鼻腔(*2)=顔の骨の中にある空洞 |
関連記事:頭痛で吐き気やめまいがする原因と対処法や、こわい頭痛の見分け方!
関連記事:脳神経外科の名医にかかるには|脳腫瘍の名医とは|BeMEC
左や右だけにこめかみの頭痛が起こるのはなぜ?

痛みの原因である神経や血管が片方だけ炎症が起こるからです。
片側に起こる頭痛で頻度が高いのは偏頭痛と群発頭痛です。
ただし、偏頭痛だからといって必ず片側にしか起こらないというわけではなく、両側に起こることもあります。
また、常に同じ部位に出るわけではありません。
3つの頭痛の見分け方

特に頻度が高い頭痛は偏頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛です。
それぞれの痛みの特徴を以下で解説しています。
偏頭痛
痛みは片側に多く、ズキズキとした痛みです。
このズキズキとした痛みを拍動性の痛みと表現されます。
これは血管の拍動に一致するためです。
また、頭痛以外の症状も多彩であり、吐き気や耳の詰まった感じなどがみられることもあります。
頭痛が起こる前に頭の違和感を感じることがあります。
その際に目の前にチカチカと輝く光が見えることがあります(閃輝暗点:せんきあんてん)。
太陽などの光や、体動で痛みが悪化する場合があるので注意が必要です。
痛みは数時間程度で収まりますが、長い時は2日程度続くこともあります。
原因として、睡眠不足や過労などのストレスや、カフェイン・アルコール摂取が挙げられます。
また、生理や天候によって引き起こされることがあります。
緊張性頭痛
夕方以降に起こることが多いです。
これは、パソコン作業などで肩から首にかけての筋肉の血流が悪くなり筋肉が固くなるためです。
運動不足で悪化することも多いです。
睡眠や入浴で血流を良くし、緊張をほぐすことで改善します。
また、運動やストレッチにより頭痛が軽くなることもあります。
悪い姿勢や長時間のデスクワークを避けることで予防・改善が可能です。
群発頭痛
突然出現する目の奥の痛みが特徴です。
この痛みは「人生最大の痛み」と形容されることがあり、脳卒中などが疑われることもあります。
痛みに伴って涙が出ることが多いです。
頭痛は数時間程度で収まりますが、発作を繰り返すことが特徴です。
頭痛が頻発すると、日常生活に支障が出ることもあります。
明らかな原因はわかっていません。
関連記事:片頭痛の原因や治し方を解説|おすすめの市販薬も紹介
こめかみの頭痛が起こりやすい状態・病気

頭痛が起こりやすい状態として脱水、熱中症、眼精疲労などがあります。
また、うつ病や膠原病(こうげんびょう)などでも頭痛が引き起こされることがあります。
これらの病気の場合は頭痛以外にも症状が出ることが多いため、頭痛のみで判断することは難しいでしょう。
危険なサインかもしれないこめかみの頭痛について

これまでに挙げた頭痛は、一次的な(脳や全身に明らかな異常や病気がない)ものです。
緊急を要する頭痛ではありません。
ただし、二次性頭痛といって、脳出血などの重篤な疾患が原因として起こる頭痛も存在します。
特に以下の頭痛は注意が必要です。
- 頭をケガした後に起こった頭痛
- 意識障害、麻痺を伴う頭痛
突然起こる激しい頭痛も危険な兆候であり、これらの頭痛はただちに病院の受診が必要となります。
また、長期間続く、原因が不明な頭痛は、脳腫瘍による二次性頭痛も考えられます。
その場合は頭部CT検査などの詳しい検査が必要となります。
お早めに医師までご相談ください。
こめかみの頭痛を治す方法や対処法について

ご自宅でできる偏頭痛、緊張性頭痛の対処法について以下で解説しています。
偏頭痛
光や音の刺激で痛みが悪化することがあります。
静かな暗い部屋で休息してください。
また、カフェインが症状を悪化させる場合があり、コーヒーやチョコレートなどの摂取はお控えください。
辛いものなどの刺激物も頭痛を悪化させ、吐き気を起こす可能性もあるので注意が必要です。
緊張性頭痛
ストレッチや入浴は痛みを軽減させます。
筋肉のコリが原因なので、ストレッチポール(下記画像)などの器材を用いてストレッチを行うことで頭痛の軽減が期待できます。

また、長時間のデスクワークを行う場合は適度な休憩をとりましょう。
なお、どちらの頭痛も以下などの鎮痛薬が有効です。
- ロキソニン
- イブプロフェン
- タイレノール
薬局で購入される場合は、製品名と薬剤名が異なることがあるため薬剤師さんに確認するようにしてください。
ロキソニンは副作用として胃が荒れてしまうことがあるため、食後に内服するようにしましょう。
まとめ
今回はこめかみの頭痛の原因や対処法などについて解説しました。
長く続く頭痛の多くは偏頭痛、緊張性頭痛であり大事に至ることはほとんどありません。
この記事が頭痛に悩む方々の助けになれば幸いです。
参考文献
クーラー病(冷房病)は自律神経失調症?症状や重症ケースを解説

夏になると、ついクーラーをつけすぎてしまいますよね。
暑い夏を乗り切るためにクーラーはなくてはならない存在です。
しかし、使いすぎることによってクーラー病を起こしてしまう可能性があります。
クーラーを使いすぎることによる健康への影響について知っている人でもクーラー病についてご存知ではない方も多いと思います。
この記事ではクーラー病ってどんな病気なのか症状や、治し方などについて詳しく解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
クーラー病(冷房病)とは

クーラー病とは暑い屋外とクーラーの効いた屋内の気温差によって体調を崩してしまう病気のことを言います。
主に夏などの暑い季節に起こりやすく、気温差によって体温の調節機能が大きく変化することによって自律神経への負担が大きくなり発症すると考えられています。
人の体温は自律神経によって調節されていますが、自律神経は体温だけではなく、様々な体の機能を調節しています。
そのため、自律神経の働きに支障が出てしまうと、様々な症状をきたしてしまう可能性があります。
関連記事:熱中症の治し方や予防対策|熱射病や日射病との違いは?

自律神経失調症とは、体の機能を維持する上で必要な自律神経のバランスが乱れてしまい、様々な症状を起こす病気を指します。
クーラー病は、屋内外の気温差によって、体温を調節する自律神経に負担をきたした結果、自律神経のバランスが崩れて体調が悪化してしまいます。
クーラー病は暑い夏に起こることが多いので、夏の自律神経失調症とも言われているのです。
関連記事:夏バテとは?どんな症状があるの?|予防対策や治し方を解説
クーラー病(冷房病)の症状

クーラー病は自律神経失調症とも言われていることから、多くの症状の原因になります。
それぞれの症状について解説していきます。
発熱、微熱などの体温の異常

屋内外の気温差に適応するために、人の体は自律神経を使って体温を調節しています。
自律神経は交感神経と副交感神経から構成されています。
交感神経は興奮やストレスを感じた時に働き、発汗や血管を収縮させたり、立毛筋を収縮させて皮膚の毛穴を引き締めることで体温の上昇に関係します。
逆に副交感神経はリラックスした状態や休息時に主に働き、血管を拡張させることで体温を下げる作用があります。
体温はこのように交感神経と副交感神経によって調整されます。
クーラー病では自律神経のバランスが崩れてしまうので、微熱や発熱などをきたす場合があります。
また、逆に体温を上げる調節が上手く働かず、手足の冷えを感じやすくなる場合もあります。
頭痛

頭痛の原因は肩こりや片頭痛などがありますが、クーラー病も頭痛の原因となることがあります。
寒暖差が激しい環境にいると、自律神経の作用によって、急に血流が変化してしまいます。
その結果、頭痛やめまいなどの症状を起こすことがあります。
吐き気

吐き気はめまいや消化器機能の異常などによって起こることがあります。
クーラー病によって自律神経の調節が上手く行かない時には、立ち上がった時などに急にめまいや低血圧を起こすことがあります。
また、胃腸の働きが低下してしまうこともあり、これらの症状に付随して吐き気が起こってしまうことがあります。
咳

クーラー病によって風邪に似た症状がでることがあります。
クーラーを使いすぎてしまうと、鼻やのどが乾燥してしまいます。
乾燥による刺激や、クーラーからでるホコリなどによるアレルギーの反応で咳がでてしまうこともクーラー病の1つの症状です。
食欲不振、下痢

自律神経は胃腸の消化吸収にも作用します。
特に副交感神経は胃腸への血流を増加させて消化吸収を促します。
しかし、自律神経のバランスが崩れると消化不良から食欲不振や下痢などの症状を起こしてしまう可能性があります。
だるい、疲れがとれない

クーラー病によって自律神経のバランスが乱れると、体は体温調節のためにエネルギーを使わなければいけません。
またクーラーの効いた涼しい環境では、手足の冷えなどの血行不良からだるさ、疲れやすさなどの症状を来たしてしまいます。
クーラー病(冷房病)の重症化について

クーラー病では多くの症状がみられますが、放置しておくと進行していき重症化していく場合があります。
ここからクーラー病の症状の進行と重症化について解説していきます。
初めの症状は末梢血管が収縮することによって起こります。
冷房によって体が冷え始めると体は体温を保つために、手足の末梢血管が収縮します。
そのため、手足の冷えが自覚症状となります。
この時期では体を温めることで症状が改善します。
次に、体の冷えが体の深部にまで及び内臓が冷えることによる症状が出現します。
腰から下全体に冷えを感じ、内臓に悪影響が出てしまいます。
症状としては胃腸障害が出現しやすくなります。
最後が最も重症で、体全体に冷えを感じ、全身症状としてふらつきやめまい、疲労感などの症状がでる段階です。
この段階では少しの冷えでも頭痛がでるなど、生活に支障を来たしてしまいます。
関連記事:脱水症状の治し方を解説|速攻で効く方法やなりやすい人の特徴を紹介
クーラー病(冷房病)かもしれないチェックリスト

クーラー病は冷房が効きすぎることによって自律神経のバランスが崩れてしまう病気です。
しかし、全ての人に起こるわけではありません。
ここからクーラー病になりやすい人の特徴について解説していきます。
あてはまる人はクーラーを使いすぎないように注意するようにしてください。
| ✅普段から体温が低い | もともと冷え性がある方は冷房で体が冷えることによってクーラー病を発症するリスクがあります。 |
| ✅女性、高齢者 | 女性や高齢者は成人男性に比べて筋肉量が少ない傾向にあります。筋肉は熱を発して体温を調節する作用があるので、女性や高齢者はクーラー病に特に注意することが必要です。 |
クーラー病(冷房病)の治療について

クーラー病は予防が最も大切ですが、発症してしまった場合には対策を取らなければいけません。
ここからクーラー病の治療について解説します。
温かい飲み物や温かい食事を摂る

冷房によって体温が低下していることが多いので、温かい飲み物や食事を摂ることが有効です。
暑い季節で温かい飲食物の摂取が難しい場合には香辛料が効いた食事などを摂取すると体が温まる作用があるのでおすすめです。
暖かい場所で休息を取る

クーラーが効いた室内をでて、休息を取るようにしましょう。
急な気温の変化は体調不良の原因になるので、徐々に体を慣らすようにすることが大切です。
適度な運動を行う

軽い運動を行うことで体温の上昇や血行促進に役立ちます。
軽症の時期には特に有効です。
頭痛や倦怠感など症状が強いときにはウォーキングなどの軽い有酸素運動にとどめておくようにしましょう。
適切な服装をする

室内と室外の温度差を考慮して、適切な服装で過ごすことが大切です。
涼しい室内では薄い上着を羽織るなどして体が過度に冷えないように注意しましょう。
長時間の冷房を避ける

長時間の冷房使用を避け、使用する際には室温を下げすぎないようにしましょう。
クーラー病は以上のような対処法で症状が軽減される場合が多いです。
しかし、症状が持続したり重度である場合は、医療機関を受診することも検討してみてください。
まとめ
今回は、クーラー病ってどんな病気なのか症状や、治し方などについて解説してきました。
いかがでしたでしょうか?
クーラー病は暑い屋外とクーラーの効いた屋内の気温差によって自律神経のバランスを崩してしまうことで発症します。
様々な症状があり、高齢者や女性など体が冷えやすい方に発症することが多い病気です。
治療は基本的には対症療法です。
気になる症状がある場合は、無理をせずに医療機関を受診してください。
参考文献
‣健達ねっと|冷房病とはどんな病気?冷房病の治し方や対策などについて紹介
突然のめまい・吐き気・冷や汗は病気?原因や対処法を紹介

私たちの身体は、時に予期せぬ方法で不調を知らせることがあります。
突然のめまい、吐き気、そして冷や汗。
これらの症状は、時に深刻な健康問題のサインかもしれません。
本記事では、これらの症状が指し示す可能性のある病気とその対処法、そして専門家に相談すべきタイミングについて詳しく解説していきます。
めまいの原因は?

めまいは、多くの原因によって引き起こされる症状です。
その中でも、主に二つのタイプがあります。
回転性めまい

回転性めまいは、自分自身や周囲の環境が実際には動いていないにもかかわらず、回転しているかのように感じる状態です。
このタイプのめまいは、多くの場合、内耳の問題によって引き起こされます。
内耳には平衡を保つための重要な構造があり、これが何らかの理由で機能しなくなると、回転感を伴うめまいが発生します。
以下の病名が回転性めまいに当てはまります。
良性発作性頭位めまい症(BPPV)
内耳のカルシウム結晶(耳石)が正常な位置から動いてしまうことで起こります。
頭の位置を変えた時に短時間のめまいが起こるのが特徴です。
メニエール病
内耳の液体圧が異常になる病気で、めまいの他に、耳鳴りや聞こえにくさが伴うことがあります。
内耳炎
ウイルス感染などによる内耳の炎症。
めまい以外に、聴力低下や耳の痛みを伴うこともあります。
非回転性めまい

非回転性めまいは、回転する感覚はないものの、ふらふらとした不安定感や立ちくらみのような症状が現れるタイプです。
このタイプのめまいは、内耳の問題以外の原因で起こることが多いです。
以下が非回転性めまいに当てはまります。
低血圧
立ち上がるときなどに血圧が急激に低下すると、脳への血流が不十分になり、めまいが生じます。
脱水症状
水分不足により血液量が減少し、脳への血流が悪くなることでめまいが起こることがあります。
貧血
鉄分不足などによる貧血も、脳への酸素供給が不十分になることで、めまいを引き起こすことがあります。
糖尿病や低血糖
血糖値の急激な変化も、めまいの原因になることがあります。
関連記事:脳貧血になったら病院へ行くべき?なりやすい人の特徴や症状を解説
めまい・吐き気・冷や汗が同時に起こるのは病気?

めまい、吐き気、冷や汗が同時に起こる場合、これらは様々な健康上の問題を示している可能性があります。
心血管系の疾患、例えば低血圧、不整脈、さらには心筋梗塞の初期兆候であることもあります。
内耳の問題や、神経系の障害、例えばメニエール病や片頭痛もこれらの症状を引き起こすことがあります。
また、便意を伴う場合は、胃腸系の問題やストレスが原因の一つとして考えられます。
消化器系の不調や、過敏性腸症候群(IBS)などが関連している場合があります。
急なめまいの対処法

急なめまいが起こった際に気をつけるポイントと予防策1つずつ紹介していきます。
状況判断と安全確保
- 環境調整
めまいが起きたときは、まず周囲の状況を確認し、危険な物から離れましょう。
例えば、運転中なら車を安全な場所に停め、料理中なら火を消すなどが必要です。 - 体位の変更
安全な場所に座るか横になります。
めまいが起きやすい姿勢(例えば、急に立ち上がる動作)は避けてください。
自己ケア
- リラックス
深呼吸をして、落ち着きを取り戻しましょう。
ストレスや緊張はめまいを悪化させることがあります。 - 水分補給
水やお茶などの無糖の飲み物を少しずつ飲むことで、脱水症状を防ぎ、めまいを軽減することができます。 - 頭を高くする
横になっている場合は、頭を少し高くすると、血流が改善されることがあります。
症状の観察
- 症状の記録
めまいがいつ、どのような状況で起きたかをメモすると、後で医師に相談する際に役立ちます。 - 持続時間の確認
めまいが数分で治まるのか、それとも長く続くのかを把握してください。
医療機関への相談
- 症状の持続や悪化
めまいが長時間続く、または他の症状(例えば、強い頭痛や吐き気)がある場合は、医療機関を受診してください。 - 緊急症状の場合
めまいに加えて、胸の痛み、呼吸困難、言語障害などがある場合は、直ちに救急車を呼ぶか、最寄りの緊急医療施設に行きましょう。
予防策
- 定期的な検診
特に高齢者や、めまいの既往がある方は、定期的に健康診断を受けることをお勧めします。 - 生活習慣の見直し
健康的な食事、十分な睡眠、適度な運動など、バランスの取れた生活を心がけましょう。
関連記事:貧血の種類や数値の基準を解説|病院での検査についてもご紹介
めまいや冷や汗は病気のサインかも!医師に早めに相談を

めまいや冷や汗が繰り返し発生する場合は、何らかの健康上の問題が潜んでいる可能性があります。
これまでに私が診た患者様の中には、これらの症状が心筋梗塞や脳卒中の初期症状であったケースもありました。
特に、胸の痛み、呼吸困難、発話障害などの重篤な症状が伴う場合は、緊急医療が必要です。
まとめ
めまい、吐き気、冷や汗は様々な病気のサインである可能性があります。
これらの症状が頻繁に起こる場合は、自己判断せずに医師の診察を受けることが重要です。
また、これらの症状が突然かつ重度である場合は、直ちに緊急医療を求めるべきです。
健康は何よりも大切です。
日々の体調の変化に注意を払い、適切な対応を心がけましょう。
参考文献
太陽生命|めまいの原因について解説!男女別、年代別に症状は違う?
生あくびは危険?あくびとの見分け方や吐き気が起きた時の対処法

生あくびとは、眠気や疲労からくる通常のあくびとは異なるものです。
今回は生あくびの原因、見分け方、そして生あくびが吐き気を伴った場合の対処法についても詳しく説明します。
また、生あくびが関連する危険な病気や高齢者、子供についても触れていきましょう。
生あくびが出る原因は?

生あくびが出る原因については、様々な要因が考えられます。
生あくびは、脳の血液供給に関する問題や神経系の異常、薬の副作用などが影響を与えることがあります。
特に高齢者にとって、脳梗塞や脳腫瘍などの病気と関連することがあります。
貧血や低血圧症、狭心症などの徴候としても現れることがあるため、注意が必要です。
関連記事:頭痛の原因|種類によって痛む場所は違う?対処法や外来での治し方
生あくびとあくびの見分け方

まず、生あくびとあくびの違いについてご説明いたします。
・生あくび
「眠くない時に発生する」
・あくび
「眠い時に発生する」
生あくびは、頻繁に発生し、状況に関係なく出現することがあります。
通常のあくびは、睡魔や退屈からくるもので、特に朝や夜遅くに起こりがちです。
また、生あくびは連続して出ることが多い傾向があります。
生あくびで考えられる危険な病気

生あくびが危険な病気のサインであるため、特に高齢者や子供の場合は注意が必要です。
脳梗塞や脳腫瘍は生あくびと関連がある疾患です。
また、貧血や低血圧症、狭心症なども生あくびの原因となることがあります。
早期の診断と治療が重要です。
関連記事:貧血の種類や数値の基準を解説|病院での検査についてもご紹介
生あくびと同時に吐き気が起きたときの対処法

生あくびと同時に吐き気が起きた場合、次のステップを踏むことが大切です。
吐き気や生あくびが続く場合は、専門家の診察が必要な場合もあるため、冷静に行動しましょう。
安全な場所に移動
まず最初に、安全な場所に移動しましょう。
特に吐き気が強い場合は、嘔吐を伴う可能性があるため、トイレや洗面所など、嘔吐しやすい場所に近づけると安心です。
水分摂取
生あくびや吐き気は、脱水症状の一因となります。
水分を摂ることは、症状の緩和に役立つことがあります。
水分を数回に分けてこまめに飲むか、経口補水液を利用して水分を補給しましょう。
ただし、急激な大量の水分摂取は避け、少しずつ摂るようにしましょう。
静かに休む
吐き気と生あくびの症状が強い場合、静かに休むことが大切です。
安静に寝転がったり、リラックスした状態を保つことで体の不快感を和らげることができます。
薬の使用
吐き気や生あくびの症状が続く場合、医師から処方された吐き気止めや抗不安薬などを使用する場合があります。
しかし、これらの薬は医師の指導のもとで使用する必要がありますので、専門家に相談しましょう。
医療専門家への相談
吐き気や生あくびが持続する場合、症状が深刻な場合は、医療専門家、特に内科医や神経科医に相談しましょう。
医師は適切な診断を行い、必要な検査を行うことで、潜在的な健康問題を特定するお手伝いをします。
特に高齢者や子供は、早めの医療診断が重要です。
生あくびと吐き気は、潜在的な健康問題の兆候であることがあるため、症状を無視せずに専門家の助言を仰ぐことが重要です。
安全な状況で冷静に行動し、自身の健康を守るために適切な対処を行いましょう。
生あくびが止まらないときは

生あくびが止まらない場合、その原因に対処するために以下のステップを詳しく説明いたします。
生あくびは通常のあくびとは異なる症状であるため、早期の対処が大切です。
原因を特定する
まず、生あくびが止まらない原因を特定しましょう。
生あくびは多くの要因によって引き起こされる可能性があり、複数の健康問題のサインであることもあります。
- 可能性のある原因には以下のようなものがあります。
- 脳血管疾患(脳梗塞、脳出血など)
- 神経系の異常
- 薬物の副作用
- 精神的ストレスや不安
- 睡眠障害
- 代謝異常
- 呼吸器疾患
医療専門家に相談する
生あくびが持続し、原因が不明確な場合、専門医の診察を受けることが大切です。
内科医、神経科医、または睡眠専門医などの専門家が適切な診断を行い、必要な検査を行います。
生あくびは潜在的な重要な健康問題の兆候かもしれませんので、放置せずに医師に相談しましょう。
必要な検査を受ける
医師の指示に従い、必要な検査を受けましょう。
これには血液検査、脳画像検査(MRIやCTスキャン)、睡眠検査(多様な睡眠障害を確認するためのポリソムノグラフィなど)、神経学的評価などが含まれます。
これらの検査は、原因を特定し、適切な治療法を見つけるために役立ちます。
治療法の選択
生あくびの原因が特定されたら、医師と協力して適切な治療法を選択しましょう。
治療法は原因によって異なり、対処療法、生活様式の改善、ストレス管理、睡眠の改善、リハビリテーションなどが含まれることがあります。
健康的な生活様式の維持
生あくびの原因に関わらず、健康的な生活様式の維持は重要です。
適切な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス管理は、生あくびや他の健康問題の予防に役立ちます。
生あくびが止まらない場合、それは潜在的な問題を示唆するサインかもしれません。
早めの医師の診察と適切な治療を受けることで、健康状態を改善し、生活の質を向上させることができます。
自身の健康に対する責任を果たし、専門家の助言を受けながら行動しましょう。
関連記事:倦怠感があるのに熱はなし?どんな病気が考えられる?
まとめ
生あくびは、通常のあくびとは異なる症状であり、その原因は様々です。
特に高齢者や子供にとっては危険な病気のサインであることもあるため、早期の診断と適切な対処が必要です。
吐き気を伴う場合や症状が持続する場合は、医療専門家の診察を受けることが大切です。
自身の健康を守るために、生あくびに対する正しい知識を持ち、適切な行動をとりましょう。
参考文献
食べ過ぎて気持ち悪い時の対処法や原因を解説!次の日の過ごし方は?

本記事では、多くの人が経験するであろう「食べ過ぎ」についてお話ししたいと思います。
美味しい食事は私たちの日々の生活に喜びをもたらしますが、時にはその楽しさが過ぎてしまい、食べ過ぎて体調を崩してしまうこともあります。
特に、旅行先やお祭り、友人や家族との食事会や飲み会などで、ついつい普段より食べ過ぎてしまった経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
この記事では、食べ過ぎによって引き起こされる不快な症状の種類やその原因と、対処法についてわかりやすく解説します。
この記事が、皆様の健康的な食生活に役立つ情報となれば幸いです。
それでは、食べ過ぎに関する様々な情報を、一緒に見ていきましょう。
食べ過ぎたら具合が悪くなる原因

食べ過ぎが体調不良の原因になることはよく知られていますが、その背後にはいくつかの生理的なプロセスが関与しています。
ここでは、食べ過ぎがどのようにして様々な不快感を引き起こすのかを探ります。
胃の過剰な拡張
一度に大量に食べると、胃が過剰に拡張し、胃壁に圧力がかかります。
これは胃痛や不快感の直接的な原因となり、時には吐き気を引き起こすこともあります。
胃は一定量の食物を消化するために設計されており、その限界を超えると正常な消化活動が困難になってしまいます。
消化酵素の不足
大量の食物を十分に消化するには、相応の量の消化酵素が必要です。
食べ過ぎると、これらの消化酵素が不足し、食物の分解と吸収が遅れることになります。
これにより、胃もたれや消化不良といった症状を引き起こし、さらには腹痛や下痢といった症状が生じることもあります。
血糖値の急上昇
特に炭水化物や糖分が多い食事を大量に摂ると、血糖値が急激に上昇します。
これにより、体はインスリンの分泌を増やし、血糖を急速に降下させようとします。
この急激な血糖値の変動は、疲労感や頭痛、またはイライラといった症状を引き起こす可能性があります。
脂肪分の過剰摂取
高脂肪の食事を摂り過ぎると、体は脂肪分を効率良く処理できなくなります。
これは胆嚢や肝臓といった消化器系に負担をかけ、消化不良や胸焼けを引き起こすことにつながります。
また、脂肪分の高い食事は消化に時間がかかり、胃の中に長時間留まることが多いです。
精神的な影響
食べ過ぎは、精神的な不調を引き起こすこともあります。
食べ過ぎた後に感じる罪悪感や不安がストレス反応を引き起こし、心理的な不快感に繋がることがあります。
また、過食が繰り返される場合、食べることに対する罪悪感や嫌悪感の波が生じる可能性があります。
食事の量を適切に調節し、できるだけ栄養バランスの取れた食事を心がけることで、これらの問題を予防することができます。
関連記事:腹痛に即効性のある薬を選ぶポイントや飲むタイミング、頻度を解説
食べ過ぎた時の主な症状

気持ち悪くなる

食べ過ぎによって、「気持ち悪くなる」という症状は、多くの人が経験するものです。
まず、食べ過ぎると胃が過度に拡張し、胃壁が圧迫され、これが吐き気の感覚を引き起こす一因となります。
また、胃の中の食物が正常に消化されずに滞留することで、胃の中で発生するガスが吐き気を引き起こすこともあります。
さらに胃が食物でいっぱいになると、消化に必要な胃酸や消化酵素が十分に分泌されないことがあり、これにより消化不良が起こり、胃が重だるく感じる「胃もたれ」が発生することもあるでしょう。
また、食べ過ぎにより胃酸が過剰に分泌されると、その一部が食道に逆流することがあります。
これが胸焼けの原因となり、不快な焼けるような感覚を引き起こします。
そして、食べ過ぎは消化器官に負担をかけるだけでなく、全身のエネルギーを消化活動に向けるため、全身のだるさや疲労感を感じることもあります。
特に、糖質が多い食事や高脂肪の食事を摂ると、血糖値の急激な変動により疲労感が増すことがあります。
これらの症状は、食べ過ぎが身体に及ぼす直接的な影響を示しているのです。
これらの不快な感覚は、身体が「もう食事は十分だ」というサインを送っていることを意味しており、食事量の調整やバランスの取れた食生活の重要性を教えてくれている状態です。
食べ過ぎによる気持ち悪さを防ぐためには、普段から食事量をコントロールし、食事のバランスに注意を払うことが大切です。
下痢

食べ過ぎが原因で下痢を引き起こすことは、特に大量の食事や特定の種類の食物を摂取した後によく見られます。
この現象を理解するためには、食べ過ぎが消化器系に与える影響を知ることが重要です。
食べ過ぎによって消化器系は過度な負担を受けます。
大量の食物が胃と腸に入ると、消化器官はこれを処理するために通常よりも多くの働きをする必要があるでしょう。
しかし、消化器系の能力には限界があり、過剰な量の食物を効率よく消化することができない場合があります。
さらに、食べ過ぎると食物の消化が不完全になりやすくなります。
特に、脂肪分が高い食物や繊維質が多い食物は、消化が難しいため、これらが大量に摂取されると消化器官に負担をかけ、下痢を引き起こす原因となるのです。
また過度な食事は腸内細菌のバランスを崩すことがあります。
健康な腸内環境は多様な微生物によって維持されていますが、食べ過ぎによってこれらの微生物のバランスが崩れると、腸の動きが過活動になり、下痢を引き起こすことがあります。
以下などの特定の食物に含まれる刺激物質が腸を過剰に刺激し、下痢の原因となることもあります。
- 辛い食物
- 特定の香辛料
- カフェイン
その他にも、食べ過ぎは心理的なストレスを伴うことがあり、これが消化器官の機能に影響を与えることがあります。
ストレスは腸の動きを速め、下痢を引き起こす可能性があります。
下痢は、体が不要な物質を排出しようとする自然な反応の一つです。
しかし、下痢が続く場合には体が本来必要な栄養素や水分を失ってしまうこともあるため、注意が必要です。
食べ過ぎを防ぐことは、このような不快な症状を避けるために重要と言えるでしょう。
また、食後に下痢を生じた場合には、消化の良い軽食に切り替えたり、十分な水分補給を心がけることが重要となります。
腹痛

食べ過ぎが原因で起こる腹痛は、消化器系が過剰な食事に対応しようとする際に生じる一般的な症状です。
ここでは、食べ過ぎによる腹痛がどのようにして生じるかについて詳しく見ていきます。
胃の過剰な拡張
大量の食事によって胃が過度に拡張すると、胃壁に圧力がかかり、痛みを引き起こすことがあります。
この圧力は胃の筋肉に負担をかけ、腹痛の一因となります。
消化不良
食べ過ぎにより胃腸が正常に消化活動を行えなくなることがあります。
消化酵素の不足や胃酸の過剰分泌により、食物が適切に消化されず、胃や腸に炎症や刺激を引き起こして腹痛を生じさせます。
ガスの蓄積
食べ過ぎると、消化過程で発生する腸管ガスが過剰に蓄積することがあります。
これにより腸管内圧が高まり、腹部に張りや痛みが生じることがあります。
食物の種類
特定の食物、特に高脂肪分や高繊維質、刺激性の強い食物は、消化器官に負担をかけることがあります。
これらの食物は消化が困難であり、食べ過ぎると腹痛を引き起こす原因となることがあります。
ストレスによる影響
食べ過ぎはストレス反応として生じることもあり、またストレスは消化器系の機能に影響を与えることがあります。
ストレスは消化器官の動きを乱し、腹痛を引き起こすことがあります。
このような痛みがある場合には、以降の食事量を減らし、消化に優しい食物を選ぶことが推奨されます。
また、腹痛が長引く場合には、医療専門家の診察を受けることが重要です。
腹痛を防ぐためには、食事をゆっくりと時間をかけて食べること、食事のバランスに注意を払うこと、そして過度な食事を避けることが有効です。
適量の食事を心掛けることで、消化器系に過度な負担をかけず、健康を維持することができます。
胃が痛い

食べ過ぎが原因で起こる胃痛は、多くの人が経験する一般的な不快感です。
この胃痛は、食べ過ぎによって胃にかかる物理的、化学的ストレスが原因で生じます。
まず、大量に食べることで胃が過度に拡張し、胃壁に圧力がかかり、胃の筋肉に負担をかけ、痛みの感覚を引き起こして胃痛を起こします。
また、食べ過ぎると消化のために胃酸が過剰に分泌され、胃の内壁を刺激して炎症や痛みを引き起こす可能性もあるでしょう。
さらに、大量の食物を消化する過程で、胃は消化酵素や胃酸を十分に供給できなくなることがあります。
こうした消化不良が胃の不快感や痛みを引き起こします。
また、特に脂肪分が高いものや辛いもの、カフェインを多く含むものは胃壁を刺激し、胃痛の原因となるため注意が必要です。
食べ過ぎによる胃痛は、身体が過剰な食事に対して反応しているサインです。
このような痛みが発生した場合には、食事の量を減らし、脂肪分の少ない、消化しやすい食物を選ぶようにしましょう。
また、食後の休息を取ることも胃痛の軽減に役立ちます。
背中が痛い

食べ過ぎによって背中に痛みを感じることは、消化器系の問題が背部に反映されるケースが多いです。
このような症状は、通常、胃や腸の不調が背中の神経や筋肉に影響を及ぼすことによって生じます。
大量に食べることで胃が過剰に膨らむと、胃の背面が背中の神経や筋肉に圧迫を与える可能性があります。
これは特に胃が背部に近い位置にあるため、背中の上部に痛みを感じる原因となるでしょう。
また、食べ過ぎは膵臓にも影響を及ぼし、膵臓が炎症を起こすと背中の痛みを引き起こすことがあります。
これは、膵臓が背中に近い位置にあるため、膵臓の問題が直接背中に痛みとして表れるのです。
消化不良や胃腸の不調は、体の筋肉、特に背中の筋肉に緊張をもたらすことがあります。
これは、消化器官の問題が全身の筋肉に影響を及ぼすためです。
そして食べ過ぎによる腹部の膨満感は、姿勢にも影響を及ぼし、背中に負担をかけることがあります。
特に食後に不適切な姿勢で座ったり横になったりすると、背中の筋肉に過剰な負担がかかり、痛みを引き起こしやすいでしょう。
最後に、食べ過ぎは胆嚢にも影響を及ぼすことがあり、特に高脂肪分の食事は胆嚢を刺激し、背中の痛みを引き起こすことがあります。
このような痛みがある場合、食事量を減らし、消化しやすい食物を選ぶようにしましょう。
また、適切な姿勢を保つことや、食後に十分な休息と水分補給、適度な運動を行うことも、背中の痛みの軽減に役立ちます。
その他

食べ過ぎが原因となるその他の症状として、心臓の動悸を感じることもあります。
これは消化過程が循環系に及ぼす影響によるものであり、食事後に体が大量のエネルギーを消化活動に使うことによって生じます。
食事を食べ過ぎると、消化のために多くの血液が胃腸に向かいます。
これにより他の体系、特に心臓がより多くの血液をポンプする必要が出てきます。
その結果、心拍数が増加し、動悸として感じられることがあるためです。
また、炭水化物や糖分が多い食事を摂ると、血糖値が急上昇します。
これにより体はインスリンを多量に分泌し、血糖を急速に下げようとした結果、急激な血糖値の変化がおこり、心臓にストレスを与え、動悸の原因となることがあります。
さらに、食べ過ぎは消化器官に大きなストレスを与え、自律神経系に影響を及ぼすことでも心拍数の増加や不整脈を引き起こす可能性があるでしょう。
さらに、食べ過ぎると体は消化に必要な水分を使用するため、脱水状態になることもあります。
脱水は血液の濃度を高め、血圧の低下や血栓症などの重大な合併症につながる可能性もあります。
食べ過ぎによる動悸や脱水症状は、消化器官と循環系の相互作用によるものです。
このような症状が発生した場合、食事の量を減らし、消化しやすい食物を選ぶことが重要です。
また、食後は適度な休息を取り、過度な活動を避けることが推奨されます。
そして適度な水分補給も重要で、食事中や食後の水分補給に注意を払うことで、脱水を防ぎ、循環系への負担を軽減することができます。
関連記事:腹痛が起こる・続く原因のまとめ|緊急性の高い痛みの特徴も解説
食べ過ぎを防ぐには?

食べ過ぎは先述のように多くの不快な症状を引き起こすため、適切に予防することが重要です。
ここでは、食べ過ぎを防ぐための実用的なアプローチをいくつかご紹介します。
小分けに食事をする
一度に大量の食事を摂るのではなく、小分けにして数回に分けて食べることが効果的です。
これにより、胃への負担を減らし、食べ過ぎを防げます。
ゆっくりと食べる
食事をゆっくりと時間をかけて食べることで、満腹感を早く感じることができ、過食を防ぐことが可能です。
1口30回など目標を決めて、咀嚼を十分に行うことも重要です。
食事前の水分摂取
食事の前に水やお茶を飲むことで、少ない量の食事で満足感を得られます。
これは食欲を自然に抑え、食べ過ぎを防ぐ助けになります。
炭酸飲料の摂取でも空腹感を改善することが可能であり、炭酸飲料が苦手でない場合にはおすすめです。
栄養バランスを考える
普段からバランスの良い食事を心がけることで、不必要な間食や過食を防ぐことができます。
特に、タンパク質や炭水化物、食物繊維をしっかりと含む食品を適切に摂取することが重要です。
バランスが偏った食事では摂った量の割に満腹感が得られにくかったり、すぐに空腹になってしまうこともあるためバランスには注意してください。
食事中の環境を整える
テレビを見ながら食事をするなど、気を散らす活動をしながらの食事は過食に繋がってしまうこともあります。
集中して食事をすることで、食べ過ぎを防ぎやすくなります。
間食を控える
スナック菓子や甘いお菓子などは過食を促すことがあります。
間食の回数を減らし、必要なら健康的な選択肢(例えば果物やナッツなど)を選ぶことが重要です。
また、間食よりも食後のデザートとして甘いものを摂取するように心がけましょう。
感情的な食事を避ける
ストレスや感情的な理由で食べることは過食の一因です。
感情と食事の関係を意識し、ストレスを別の方法で解消することが食べ過ぎを防ぎます。
また、ストレスによりどうしても食事を摂ってしまう場合には、ストレス解消の方法や原因について医師と相談することも検討してみましょう。
食べ過ぎを防ぐためには、これらの方法を日々の生活にできるだけ取り入れることが重要です。
普段から食事に対する意識を変えることで、過食による健康リスクを減らし、より健康的な生活を送ることができます。
食べ過ぎて具合が悪くなった時の対処法

食べ過ぎによる不快感は家庭での簡単な対処法で緩和できることが多いです。
しかし、症状が重い場合は医療機関の受診を検討する必要があります。
まずは自宅でできる簡単な対処法を説明します。
適切な休息を取る
食べ過ぎた後は、胃が食物を消化するためにエネルギーを必要とするので、十分な休息が必要です。
もし横になる場合には、身体の右側を下にして寝ることが推奨されます。
これは胃と食道の位置関係により、胃酸の逆流を防ぐのに役立ちます。
ツボを刺激する
食べ過ぎによる気分不良や消化不良でしんどくなった場合には、手の「胃腸点」や足の「足三里」「裏内庭」「太白」といったツボをマッサージすることで、症状の改善につなげることが可能です。
他にも消化不良に有効とされるツボが沢山存在するので、気になる場合には調べてみてください。
温かい飲み物を摂る
温かいお茶や水を少量飲むことで、消化を助け、胃の痛みや不快感を和らげることができます。
ただし、カフェインやアルコールが含まれる飲料は避けましょう。
軽い運動を行う
症状が軽い場合には、軽い散歩などの運動をすることで、消化を促進することができます。
しかし、食べ過ぎによる症状が重い場合には過度な運動は避け、水分摂取を十分に行いながら体の状態に合わせて行うことが大切です。
消化を助ける食品を摂る
生姜やヨーグルトなど、消化を助ける食品を少量摂ることも有効です。
これらは胃腸の働きを整えるのに役立ちます。
ただし、これらも摂りすぎると症状を悪化させるケースがあるため、少量ずつ摂取するようにしてください。
上記のように自身での対応策も重要ですが、症状が重い場合や長時間続く場合は、自己判断せずに医療機関に相談することが重要です。
特に吐き気や激しい腹痛、継続的な下痢などの症状がある場合、迅速に医師の診断を受けることが必要です。
自宅での対処法が効果を示さない場合や症状が悪化する場合には、すぐに医療機関を受診しましょう。
関連記事:腹痛と下痢が続く原因|コロナの可能性は?治し方や病院での対処法を解説
食べ過ぎたときは吐いた方がいい?

食べ過ぎによって生じる不快感や体調不良を感じた際、一部の人々は吐くことで症状を軽減させようと考えるかもしれません。
しかし、このアプローチにはいくつかの重要な問題点があります。
安易に吐くことを考えずに、下記の内容も理解するようにしましょう。
体は食べ物を消化し、必要な栄養素を吸収するために複雑なプロセスを持ちます。
食べたものを自然に消化させることで、身体は必要な栄養を十分に吸収して、不要なものを排出します。
自発的に吐く行為は、食道や歯にダメージを与える可能性があります。
胃酸が口腔や食道に影響を及ぼすことで、歯のエナメル質の侵食や食道の炎症を引き起こすでしょう。
また、栄養を十分に吸収できないことで体調不良につながることもあります。
さらに、食べ過ぎが頻繁に発生し、それに対して吐くことを選んでいる場合にも、消化不良や食べ物に関連するその他の健康問題が根底にある可能性があります。
このような場合、医療専門家に相談することが重要です。
また、自発的に吐く行為は食べ物や体重に対する不健康な考え方や行動につながることがあります。
これは摂食障害の一種である過食症や拒食症のリスクを高める可能性があります。
食べ過ぎによる不快感に対処するためには、自発的な嘔吐よりも他の対処法を試すようにしましょう。
適切な休息の取り方、消化を助ける軽い運動、温かい飲み物の摂取などが含まれます。
そして症状が改善しない場合には、必要に応じて医療の専門家に相談することが重要です。
食べ過ぎた次の日の過ごし方について

食べ過ぎた次の日の過ごし方については、以下のような対処法が推奨されています。
これらの対処法を適切に取り入れることで、翌日以降の体調に大きく影響するため、できるだけ取り入れるようにしましょう。
①消化器官を休ませる
食べ過ぎた翌日には、なるべく胃腸を休ませるために、半日程度食事を抜いて十分に消化器官を休ませることが有効です。
これは消化器官の機能を回復させるのに役立ちます。
また、就寝の4時間前までに夕食を済ませることが良いでしょう。
これは食後の血糖値がピークを超えた状態で眠ることが理想的であるためです。
②十分な水分摂取
体のむくみを和らげ、消化やデトックスを助けるために、朝起きたら白湯や暖かいお茶などを飲むことがおすすめです。
冷蔵庫で冷やしすぎず、常温か温かい状態で飲むことが重要です。カフェインやアルコールは避けるように注意してください。
③消化の良い食事
何も食べないことに不安を感じる場合は、消化の良い食べ物、特に野菜や果物、炭水化物などを摂取すると良いでしょう。
野菜や果物のジュースを摂る場合には、栄養バランスの面からは市販のものではなく、自家製のものが推奨されています。
また、朝食やおやつにバナナを食べることで、消化を助けてカリウムや食物繊維を補うことも可能となるため、デトックス効果が期待できます。
一方で、消化に時間がかかる動物性タンパク質や脂肪はなるべく避けるようにしましょう。
④軽い運動
消化を促進し、塩分などを排出するためには軽い運動を取り入れることが有効です。
ストレッチや散歩などの軽めの有酸素運動がおすすめです。
激しい運動は食べ過ぎによる不調を悪化させるリスクにもなるため、注意してください。
⑤十分な休息
食べ過ぎた翌日は、十分な休息、睡眠を取ることで体の修復やエネルギー消費に役立ちます。
食べ過ぎた翌日は7〜8時間の睡眠を確保することが推奨されており、寝不足や長時間の作業は避けて早めに休息を取るように心がけてください。
関連記事:腹痛と下痢が続くのはどんな病気?脱水症状に注意しよう
まとめ
この記事では、食べ過ぎによる体調不良の原因や症状、予防法および対処法について詳細に解説しました。
食べ過ぎが体調不良の原因になることはよく知られていますが、その背後には胃の過剰な拡張、消化酵素の不足、血糖値の急上昇、脂肪分の過剰摂取などの原因があります。
これらの原因を理解することは、食べ過ぎによる不快感や他の症状を防ぐために重要です。
食べ過ぎて具合が悪くなった場合は、自宅で適切な休息を取る、ツボを刺激する、温かい飲み物を摂るなどを試してみて下さい。
自宅で出来る対処法を行っても症状が改善されない場合は医療機関へご相談ください。
食べ過ぎは多くの不快な症状を引き起こすため、これらの予防と対処法を適切に行うことで、より健康的な生活を送ることが可能です。
食事量の調整やバランスの取れた食生活を心がけ、必要に応じて医療の専門家に相談することが重要です。
参考文献
免疫力が低下したらどうなる?原因と免疫ケア方法をご紹介!

季節の変わり目では免疫力が低下しやすいと聞きますが、実際免疫力が低下したらどうなるのでしょうか。
この記事では免疫力についてと、免疫力が低下する原因、免疫ケアの方法などについてご紹介していきます。
ぜひ最後までご覧になって、参考にしてみてください。
免疫力とは?

実は「免疫力」とは厳密な定義のある言葉ではありません。
人間の体を病原体から守る仕組みが免疫です。
この仕組みは非常に複雑なものであり、単純な言葉で表現することは困難です。
免疫は大きくはもともとの体にある病原体に対抗する仕組みである「自然免疫」と、
ワクチンの接種や感染症にかかることによって、体の中で感染症と戦う抗体が作られることで免疫力を獲得する「獲得免疫」とに分けることができます。
この自然免疫と獲得免疫がお互いに協力しあって私たちの体を病原体から守っています。
また、病原体の内容、担当する組織も様々です。
病原体としてウイルス、細菌、真菌などがありますが、これらに対して白血球、リンパ球などの組織が免疫の機能を担っています。
特定のワクチンを接種することで、そのウイルスに対する免疫力がつき、感染しにくくなります。
そのため、免疫力が低下すると感染しやすい状態になりますし、免疫をつけることで、感染症にかかりにくくなると言えます。
関連記事:インフルエンザとコロナの違いを解説!症状や治療方法に違いはある?
免疫力が下がる原因

免疫力の低下は、さまざまな要因によって引き起こされることがあります。
免疫力が下がってしまう要因について解説していきます。
完全なメカニズムは解明されていませんが、栄養、運動、睡眠、ストレス、肥満などが免疫に影響することがわかっています。
栄養や睡眠不足、ストレス、肥満によって免疫力が低下し、逆に運動を定期的に行うことで免疫力を高めることが期待できます。
さらにHIVウイルスへの感染による後天性免疫不全症候群や、免疫力が低下する血液の病気、免疫力が低下する薬剤によっても免疫が低下してしまいます。
免疫力が低下したら起きること

免疫力低下のサイン・症状

免疫力の低下はさきほど解説したように栄養や睡眠不足、ストレスによって引き起こされる場合があります。
そのため、免疫力が低下したことによる特徴的な症状はありませんが、全身の疲労感などが現れる場合があります。
また、感染症などの病気を発症した場合には、病気に応じた症状が出現することが一般的です。
すると、以下のような症状が現れることがあります。
免疫力低下により引き起こされる病気

免疫力が低下することによって、特定の感染症にかかる可能性があります。
例えば、白血病などの血液のがんや、その治療によって白血球が低下した場合、関節リウマチなどの自己免疫疾患で免疫を抑えるお薬を使用している場合に起こります。
その場合の症状として、ウイルスだけではなく、健康な人であれば感染しない細菌や真菌(いわゆるカビ)などに感染してしまうことがあります。
その結果、肺炎や尿路感染、感染性心内膜炎などの重症な感染症にかかってしまうことがあります。
また、健康な人でも、不規則な生活などで免疫力が低下してしまった場合には風邪などにかかりやすくなることが考えられるので、免疫力を下げないような生活習慣をすることが大切です。
関連記事:感染症の分類や種類を簡単解説|なぜコロナは5類になったの?
免疫力低下を防ぐ方法

免疫力の低下を防ぐために必要な方法を解説していきます。
風邪をひきやすくならないように、気を付けることについて見ていきましょう。
十分な睡眠をとる。

睡眠は、人の機能を維持する上でとても重要です。
人生の1/3は睡眠している計算になるため、この睡眠の時間が短かったり、睡眠の質が悪いと免疫力が低下してしまう可能性があります。
睡眠の前に入浴してリラックスをする、寝る直前にスマホを見ない、早めに就寝するなどの対策鳥、十分な質の高い睡眠を確保しましょう。
睡眠は免疫力の回復に不可欠です。
食事

バランスの取れた食事を摂り、必要な栄養素を適切に摂取しましょう。
特にビタミンC、亜鉛、ビタミンDなどが免疫力の強化に役立つと言われています。
外食が多いかたは積極的に野菜やフルーツを摂取するように意識してみてださい。
運動

適度な運動は心肺機能、筋力だけではなく、免疫力を向上させ、風邪を引きにくくすることが報告されています。
寒い期間の運動は難しい場合もありますが、通勤時間やフィットネスジムなどを活用して、定期的な運動を心がけるようにしてください。
ストレス

ストレスが蓄積することで、交感神経が興奮した状態隣、リラックスすることができません。
また不眠にもつながるため、免疫力が低下してしまいます。
ストレスを溜めないように、自分のストレスが溜まる状況をチェックしてみたり、ストレスを発散する方法を身につけるようにしましょう。
その他

風邪を引かないようにするには、免疫力低下を防ぐだけではなく手洗いやマスクの着用など、一般的な感染症の予防がとても重要です。
これらの習慣をすぐに身につけるのは難しいかもしれませんが、意識して行ってみることで少しづつ習慣化することができます。
ぜひ、少しからでいいので初めてみるようにしましょう。
まとめ
「免疫力」には厳密な定義はありません。
しかし、生活習慣の乱れや病気などで免疫力が低下してしまうと、ある種の感染症にかかりやすくなってしまいます。
風邪を引きやすくなったなど、免疫力に不安を感じた方は早めに病院を受診したり、この記事で紹介した免疫力をあげる方法を試してみましょう。
参考文献
脳貧血になったら病院へ行くべき?なりやすい人の特徴や症状を解説

脳貧血とは、脳に酸素と栄養を供給する血液量が不足している状態を指します。
この状態が続くと、脳細胞に酸素や栄養素が適切に供給されなくなり、以下などの症状が現れることがあります。
- めまい
- ふらつき
- 失神
脳貧血は、さまざまな原因によって引き起こされる可能性があります。
最も一般的な原因は低血圧や自律神経の異常です。
この記事では、脳貧血の症状、原因、治療法などについて詳しく説明していきます。
ぜひ最後までご覧になって、参考にしてみてください。
脳貧血になる原因

脳貧血の原因はさまざまですが、その中でも最も一般的な原因の一つは低血圧です。
低血圧の場合、血液を全身に送る圧力が低いため、心臓より上にある脳への血流が不足しやすくなります。
また、起立性低血圧などの自律神経の不調も脳貧血の原因となり得ます。
関連記事:頭痛の原因|種類によって痛む場所は違う?対処法や外来での治し方
脳貧血の症状とは

脳貧血の症状は個人によって異なることがありますが、一般的には以下などが起こりえます。
- めまい
- 顔色が悪くなること
- 吐き気
- 失神
これらの症状は、脳に血流が不足することで、引き起こされます。
脳貧血と貧血との違い

ここまで解説してきたように、脳貧血とは、脳への血流が不足している状態を指します。
一方で貧血とは血液の中の酸素を運ぶ成分であるヘモグロビンが不足することによって起こります。
そのため、脳貧血と貧血は別の病気なのですが、立ちくらみなど貧血と似た症状が出るので、両者は混同されがちです。
貧血の原因についても解説していきます。
若い女性で一番多いのは鉄分が不足する鉄欠乏性貧血です。
これは鉄分の摂取不足や月経で鉄分を失いやすいことが要因です。
そのほかには以下などで貧血を起こすことがあります。
- ビタミンB12や葉酸の摂取不足
- 慢性の炎症
- 血液の病気
- 腎臓病
関連記事:貧血の種類や数値の基準を解説|病院での検査についてもご紹介
脳貧血になりやすい人の特徴とセルフチェック項目

脳貧血になりやすい人には、特定の特徴が存在します。
ここから脳貧血になりやすい人の特徴とセルフチェック項目を紹介していきます。
予防のために、ぜひ確認していきましょう。
脳貧血になりやすい人の特徴として、長時間立ちっぱなしであることや睡眠不足、疲労、脱水があります。
長時間立ちっぱなしの職業や状況にいる人は、下半身の血液がうまく心臓に戻ることができず、脳への血液が不足しやすくなります。
また睡眠不足や疲労、脱水による体調不良は、自律神経のバランスが崩れてしまい、立ちあがった時に自律神経がうまく機能せずに、血圧が低下していまい脳貧血となるリスクを高めてしまいます。
脳貧血のセルフチェック項目
- 立ちくらみやふらつき
立ち上がった瞬間にめまいやふらつきを感じることがある。 - 疲労感
疲れやすく、日中に持続的な疲労感を感じることがある。 - 不眠
睡眠の質や量が不足しており、疲れを感じている。 - 長時間の立ち仕事
日常生活や職場で、長時間立ちっぱなしの作業が多い。 - 脱水
暑い中での作業、炎天下のスポーツで水分を十分に摂取できていない。 - 過度のストレス
日常的に大きなストレスを感じている。
これらの項目に当てはまる場合、脳貧血のリスクが高いかもしれません。
すぐにできる脳貧血の治し方

脳貧血での自己対処法について詳しく説明していきます。
脳貧血の改善には以下などが重要です。
- バランスの取れた食事
- 適切な運動
- ストレス管理
- 十分な睡眠
バランスの取れた食事

鉄分が不足すると貧血になり、脳貧血のリスクが高まります。
以下などの鉄分豊富な食品を摂りましょう。
- 赤身の肉
- 鶏肉
- 魚
- 豆類
- ほうれん草
その他、ビタミンB12や葉酸、鉄などのビタミンとミネラルを含む食品を積極的に食べることで、貧血を予防できます。
また、脱水を防ぐため、適切な水分を摂取しましょう。
特に暑い日や運動後は水分補給が大切です。
適度な運動

適度な運動は血液循環を改善し、脳貧血の予防に有効です。
運動は以下などの有酸素運動を中心としましょう。
- ウォーキング
- ジョギング
- サイクリング
さらに、 筋肉を柔軟に保つために、ストレッチングを取り入れることも効果的です。
ストレス管理

慢性的なストレスは自律神経を乱し、脳貧血のリスクを高めることがあります。
ストレスを軽減するためにヨガや瞑想、ストレッチなどを取り入れるようにしてみましょう。
十分な睡眠

疲労を溜めないように、十分な睡眠時間を確保することが有効です。
毎日同じ時間に寝床に入る、睡眠環境を整えるなどの対策を行ってみましょう。
関連記事:貧血に良い食べ物や飲み物とは|チョコレートが効く理由
脳貧血になったら病院へ行くべき?

脳貧血の症状がなかなかよくならない場合は病院を受診するべきか迷うことと思います。
以下に病院を受診する目安について解説していきます。
まず、症状が一時的で以下などの原因が明らかである場合は必ずしも受診する必要はありません。
- 不眠
- 疲労
- 立ちくらみ
しかし、めまいや吐き気などの症状が強く、改善しない場合には、すぐに受診を検討して良いでしょう。
また何度も意識を失いそうになったり、実際に失神をしているような場合も、一度病院で精密検査を受けることをお勧めします。
脳貧血にならないための予防対策

脳貧血は、以下のような予防方法があります。
ぜひ日常生活に取り入れてみてください。
バランスの取れた食事を取る
鉄分やビタミン、ミネラルを含む健康的な食事を摂ることが重要です。
特に、鉄分の不足が貧血や脳貧血を引き起こすことがあります。
適度な運動
適度な運動は血流を改善し、脳に十分な血液を供給するのに役立ちます。
定期的な運動習慣を持つことをおすすめします。
ストレス管理
長期間にわたるストレスは自律神経を乱し、脳貧血の原因となる可能性があります。
ストレスを溜めないようにしたり、ストレスを軽減する自分なりの方法を見つけましょう。
適切な水分摂取
脱水症状は脳貧血を引き起こす可能性があるため、十分な水分を摂ることが大切です。
関連記事:めまいはストレスが原因?何科に行けばいい?合併しやすい症状について解説
まとめ
脳貧血とは、脳に酸素と栄養を供給する血液量が不足している状態を指します。
症状はめまい、ふらつき、失神などであり、血液の中のヘモグロビンが少なくなる貧血とは異なる病気です。
脳貧血は、低血圧や、自律神経の異常などで引き起こされることがあり、予防が最も重要です。
気になることがあるときは、早めの受診をおすすめします。
参考文献
りんご病(伝染性紅斑)になったら病院へ行くべき?症状を解説|大人にもうつる?
こんにちは。皆様、「りんご病」についてご存知でしょうか?
その可愛らしい名前で聞き覚えがある方もおられるかと思います。
子どもに多い病気の一つであるりんご病ですが、大人がかかると大変なことになる場合も…。
今回は、大人も注意したいりんご病の原因や治療法について詳しく解説していきます。
りんご病とは

原因
りんご病は、正式には伝染性紅斑と呼ばれる疾患です。
ヒトパルボウイルスB19というウイルスに感染することで発症します。
感染経路
感染経路には以下があります。
- ウイルスに感染している人の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスを吸い込むことによる飛沫感染
- ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる接触感染
好発年齢や時期
2〜12歳の子どもに多くみられます。
4~5年周期で流行を繰り返しており、1〜7月にかけて増える傾向があります。
成人では、りんご病にかかった子どもの親などにみられます。
その他、病院内感染による医療従事者の集団感染例の報告もあります。
潜伏期間
約10日(4〜20日)経ったあと、症状が出現します。
関連記事:子供に多い”はやり目(流行性角結膜炎)”とはどんな症状?原因やうつる確率について解説
りんご病の症状

りんごのように赤い、蝶の羽状・平手打ち状の紅斑(赤い皮疹)が両頬に現れます。
続いて手や足に網目状・レース状・輪っか状の紅斑がみられます。
手足だけでなく、胸や腹、背中にも同じような紅斑が出現することもあります。
これらは1週間程度で自然に消失します。
しかし、中には長引いたり、一旦消えても短期間のうちに再び出現する場合もあります。
潜伏期間中(感染してから4〜6日ごろ)の時期は血液中にウイルスが移行してウイルス血症を起こしてます。
そのため、ウイルスの排泄量が最も多く周りの人にうつしやすい時期です。
この頃に微熱やかぜ症状がみられることもあります。
紅斑が現れた時にはすでにウイルス血症は終息しています。
そのため、ウイルスの排泄はほとんどなく感染力はほぼ無くなっています。
前述の通り、通常は飛沫または接触感染ですが、ウイルス血症の時期に採取された輸血用血液から感染したという報告もあります。
原因ウイルスであるパルボウイルスB19は、一時的な赤血球産生の抑制を引き起こしますが、通常は無症状です。
しかし、以下などといった赤血球疾患がある方は、赤血球の無形成発作(貧血)を引き起こすことがあります。
- 鎌状赤血球症(かまじょうせっけっきゅうしょう)
遺伝性の貧血病。
赤血球の形状が鎌状になり酸素運搬機能が低下して起こる貧血症です。 - 遺伝性球状赤血球症(いでんせいきゅうじょうせっけっきゅうしょう)
溶血性貧血の一種。
遺伝性に赤血球が球状化します。
また、感染しやすい状態の子どもでは、ウイルス血症が数週間〜数カ月にわたって持続してしまう場合があります。
そのため、重症の貧血を起こす場合もあります。
なぜ幼児期から小学生がりんご病になりやすいのか

りんご病は子どもだけの病気と思われがちですが、実は大人も感染する病気です。
では何故子どもの病気と言われているのでしょうか?
それは、大人は不顕性感染(ふけんせいかんせん)が多いためです。
不顕性感染とは、ウイルスや細菌などの病原体に感染しても症状が出現しない感染のことです。
りんご病における顕性感染(実際に症状が出現する感染)の割合は、子どもでは80~90%と言われています。
大人では40%程度に低下するとされています。
そのため大人は感染に気付かれず、子どもばかりが感染・発症しているようにみえるのです。
関連記事:【秋から冬にかけて注意】ノロウィルス感染症になる原因や症状、消毒方法を解説
りんご病と風疹や麻疹との見分け方

発疹が出る疾患の代表的なものとして、風疹や麻疹があります。
それぞれの特徴について簡単にご説明します。
風疹

風疹ウイルスによる感染症です。
「三日はしか」とも呼ばれています。
飛沫感染および接触感染で、2〜3週間の潜伏期間のあと発症します。
発熱・発疹・リンパ節腫脹(特に耳介後部、後頸部など)といった症状がほぼ同時に出現します。
発熱は半数程度にみられます。
発疹は淡い赤色の大きさ2mm程度の少し盛り上がったようなような発疹(丘疹)です。
顔面から始まりその後全身に広がっていきます。
3日程度で色素沈着を残さずに自然消失します。
その他、風邪症状や眼球結膜の充血がみられることもあります。
また、発疹出現前に口腔内にフォルヒハイマー斑と呼ばれる点状の紅斑・紫斑がみられる場合があります。
子どもでは約20%、大人(特に女性)では約75%に関節痛がみられます。
痛みは1ヶ月ほど続く場合もあります。
一般的には軽症で予後良好な疾患です。
まれに急性脳炎(4,000-6,000人に1人)、血小板減少性紫斑病(3,000~5,000人に1人)などの合併症が発生することがあります。
また、大人が感染すると、発熱や発疹の期間が子どもに比べて長く、関節痛が強いことが多いとされています。
発疹が出る前後1週間は感染性があり、周りの人にうつしてしまう可能性があります。
解熱すると排泄されるウイルス量は激減し、感染力は急速に消失します。
治療は対症療法です。
風疹に対する抗体を持たない妊婦さん(特に妊娠20週までの妊娠初期)が感染すると流産・死産してしまう可能性が高くなります。
また、胎児が先天性心疾患・難聴・白内障の3症状を特徴とする先天性風疹症候群(CRS)を発症する危険性もあります。
麻疹(はしか)

麻疹は麻疹ウイルスの感染症です。
感染力が非常に強い疾患です。
以下の感染経路などによって感染します。
- 空気感染(麻疹患者が去った後の場所でも2時間程度ウイルスが残存しており感染する可能性があります)
- 飛沫感染
- 接触感染
8〜12日の潜伏期の後、高熱・咳・結膜充血・目やになどの症状が2〜3日続きます(前駆期)。
その数日後、高熱がおさまり、咳や咽頭痛などの呼吸器症状が一番ひどい時期に、口の粘膜に白色の点状のコプリック斑と呼ばれる発疹や、頭や顔面に斑点状の紅斑が出現し、3日以内に全身に広がります(発疹期)。
紅斑はやがて暗い赤色の丘疹となって融合しながら、最終的には色素沈着を残して治ります。
嘔吐・下痢・腹痛などの消化器症状を伴うこともあります。
感染力があるのは発疹出現の前後4~5日です。
特効薬はなく、治療は対症療法です。
医療の進んだ先進国でも、感染者の約1,000人に1人が死亡する恐ろしい感染症です。
肺炎や脳炎は死因となる主な合併症です。
感染したあと2〜10年の長い期間を経て亜急性硬化性全脳炎(SSPE)という重篤な合併症を発症することもあります。
関連記事:感染力が強い麻疹(はしか)の症状とは?予防接種や風疹との違いについても解説
大人のりんご病の特徴・妊婦は注意?

大人のりんご病の症状
大人のりんご病では子どものように頬が赤くなることは少なく、ほてった感じがする程度です。
しかし、その2〜3日後から手や腕、太ももにレース状の紅斑が出現します。
この頃から、手首や指、膝や腰などの関節痛が強くなります。
ひどい場合は痛みで指が曲がりにくくなったり、階段の上り下りも苦労するようになります。
子どもとは違って大人ではなかなかりんご病を疑われることがなく、関節リウマチや膠原病など別の病気と間違われることもあります。
このような紅斑や関節痛は通常1週間程度で自然に治ります。
場合によっては数週間〜長いときには数年も症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すことがあります。
妊婦さんのりんご病に注意!
りんご病で注意すべきものの一つとして、妊婦さんの感染による胎児異常(胎児水腫)および流産があります。
妊娠前半に感染する方がより危険とされており、胎児死亡は感染から4〜6週後に起こることが報告されています。
また、妊娠後半の感染でも起こるとの報告もあり、安全な時期について特定することはできません。
しかし、必ずしも妊婦さんのりんご病が全て胎児異常に結びつくというわけでありません。
正常に出産・発育する例も多くあります(母体感染後の胎児死亡は全体の2〜6%程度といわれています)。
さらに、母体感染後正常に生まれてきた子どもの先天異常は知られていません。
前述の風疹ほどの高い危険性はありません。
しかし、りんご病に罹患したら検診で胎児の状態をしっかり把握することが重要です。
りんご病になったらどうすればいい?

登園・登校停止期間はあるの?
りんご病は、登園・登校停止期間が特に設けられていない「その他の感染症」です。
文部科学省の「学校において予防すべき感染症の解説」では、「発しん期には感染力はないので、発しんのみで全身状態の良い者は登校(園)可能である」とされています。
また、厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」では、「罹患した場合の登園のめやすは、『全身状態が良いこと』である」とされています。
りんご病のような「その他の感染症」は、流行状況などによって第三種の感染症として扱われる場合があります。
その場合は、学校保健安全法で「病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで」登園・登校停止となります。
りんご病は、頬が赤くなり、手足や体に紅斑が出たときには既に感染力が弱まっています。
そのため、発熱や関節痛などの症状がなく、本人が元気であれば、基本的に学校を休む必要はありません。
また、一度消えた紅斑が日光に当たったり興奮したり、運動や入浴した後などに再び出てくることがあります。
これらは再発という訳ではないので心配はいりません。
病院受診の目安は?

*子ども
子供がりんご病に感染した場合、紅斑以外の症状があまりなく、あったとしてもせいぜい軽い風邪症状ぐらいです。
紅斑がある以外は元気でそのまま自然に治癒していくことが多いです。
また、りんご病に特効薬はなく、治療は基本的に対症療法のみです。
そのため受診するか迷ったり、受診の目安がわからないといったことがよくあります。
風邪症状のみではりんご病と診断することは難しいです。
強い症状がなければ自宅で様子をみることも可能です。
しかし、紅斑が出現した場合は、似たような症状を呈する疾患(風疹や麻疹など)か否かの判断が必要になります。
元気であっても病院を受診するのが望ましいと考えます。
また、りんご病は定点報告対象の5類感染症です。
指定届出機関(全国約3,000カ所の小児科定点医療機関)は週ごとに保健所に届け出なければならない感染症です。
このようにして患者数を把握することで流行状況が把握できます。
流行状況の把握は、感染拡大防止や感染の影響が大きい方々(妊婦さんや血液疾患のある人など)への情報提供にも繋がります。
そういった意味でも、医療機関の受診は重要です。
届出に必要な症状は「左右の頬部の紅斑の出現」かつ「四肢のレース様の紅斑の出現」と定められています。
このような症状があれば受診しましょう。
*妊婦さん
妊娠中や妊娠している可能性がある場合に少しでもりんご病を疑う症状が出現したら、すぐに病院を受診してください。
そこでりんご病の診断を受けた場合は直ちにかかりつけの産婦人科の先生に相談しましょう。
*大人
基本的には自宅で様子をみて構いませんが、強い症状がある場合は病院を受診してください。
身近にりんご病の患者がいたり周囲で流行している場合は、受診時に医師に伝えましょう。
関連記事:風疹(風しん)はどんな症状が出る?妊娠時に気をつけるべき理由と感染経路について
りんご病の治療と診断について

診断
紅斑の性状やパターンが唯一の特徴になります。
しかし、他のウイルスでも全く同じ紅斑を呈するため症状からの確定診断は難しいです。
確定診断において、ウイルスを分離することが診断の基本です。
パルボウイルスB19は骨髄や胎児の肝臓、臍帯血(さいたいけつ)などに含まれる赤芽球系前駆細胞(せきがきゅうけいぜんくさいぼう)(*1)などでしか増殖できません。
そのため、通常の培養は現時点では困難です。
PCR法による遺伝子の検出も可能です。
これは血液疾患のある方や胎児期に感染した乳児などに対して行われます。
ほとんどの場合、血液検査を行い抗体を検出して診断します。
| 赤芽球系前駆細胞(せきがきゅうけいぜんくさいぼう)=赤血球になる前の細胞 |
治療
特効薬はなく、基本的に対症療法のみです。
免疫不全のある方の持続感染や前述の血液疾患がある方などではγ-グロブリン製剤の投与が有効な場合があります。
予防
紅斑の時期にはほとんど感染力がないため、感染予防の必要はありません。
また、ウイルスを排泄している時期には特徴的な症状を示さないため、感染予防策がないのが実情です。
現在ワクチンは開発されていません。
妊婦さんや血液疾患のある方は、流行時期に風邪症状がある人に近付くことを避けましょう。
万一感染した場合には、病院を受診し経過を注意深く観察することが必要です。
まとめ
今回は大人も注意したいりんご病の原因や治療法について解説しました。
りんご病はなかなか感染対策が難しい感染症です。
もし感染してしまった場合はこの記事を参考に落ち着いて対処し病院を受診してください。
参考文献
子供がお腹を痛がるときはどうすればいい?考えられる腹痛の原因や危険なサインとは?

子供が突然、「おなかが痛い」と言って困ったことはありませんか?
「どこが痛い?」と触りながら聞くとどこを触っても「痛い!」と言ったり、さっきは痛かったところが痛くなかったり・・・。
救急車を呼ぶのか、病院に行くのか、様子を見ていいのか迷うことも多いでしょう。
今回は、子供の腹痛について原因や緊急を要する病態についてわかりやすく説明していきます。
子供に多い代表的な腹痛の原因

まずは子供に多い腹痛をきたす原因について緊急性の比較的低い疾患を順に説明していきます。
急性胃腸炎

急性胃腸炎は小児の腹痛の中で最も頻度の高い疾患となります。
症状としては、発熱、差し込むような強い腹痛、腹部全体の圧痛があり下痢が出るとやわらぐ、といったものがあります。
原因としては、ロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルス、エンテロウイルスなどが代表的です。
多くの場合、患者の周囲では同様の症状を認めます。
関連記事:子供に流行中のRSウィルス感染症(ライノウィルス)とは?症状や保育園の登園はどうすればいい?
便秘症
便秘症も子供の腹痛の原因となります。
便秘とは「通常に比べて2日か3日長く排便がない状態のことです。
腸の動きが活発になる食後に多い定期的な腹痛が特徴的です。
子供の便秘が起こりやすい時期は以下のようなことだと言わています。
- 乳児期に固形食を開始したとき
- トイレトレーニング時
- 入園、入学前後
食事や生活の改善や、緩下剤の内服にて改善することがほとんどです。
まれではありますが、先天的な腸の異常の場合があります。
慢性的な便秘を起こす場合は病院での精査をおすすめします。
過敏性腸症候群

過敏性腸症候群は繰り返す腹痛が排便や便通の変化に伴って生じる機能性疾患です。
小児の6-14%程度が有しているといわれています。
原因として、遺伝、炎症、環境(不安、抑うつ、ストレス)などです。
主な症状は腹痛、下痢、便秘で、特徴的な症状として、“排便前に強くなり、排便後に改善する腹痛”があります。
その他
これまで示した病態以外にも、以下などの場合も腹痛がみられます。
- 尿路感染症
- 腸間膜リンパ節炎
- 女児においては婦人科疾患(排卵痛、月経困難症、骨盤腹膜炎)
腹痛に波がある場合や長時間続くのはなぜ?

長時間続くような痛みが起こっている場合は腸だけでなく、おなか全体に炎症が起きている状態です。
つまり腹膜炎を起こしている可能性があります。
これは危険な状態となりますので、注意が必要です。
腸は蠕動(ぜんどう)といっていつでも動いています。
そのため、多くのおなかの痛みは痛んだり・和らいだりと波があることがほとんどです。
腸が動いたときに痛み、腸が動いていないときは痛みがないためケロッとしていることもあります。
腹痛による緊急性の高い病気

腹痛を起こす疾患のうち、早期に病院を受診した方がいい疾患を説明していきます。
虫垂炎
一般的に「もうちょう」と呼ばれる疾患がこの虫垂炎です。
小腸から大腸へ入ってすぐの場所にある虫垂と呼ばれる部分が炎症をおこすことで虫垂炎となります。
典型的な症状として、心窩部(しんかぶ)*から右下腹部に移動する痛みがあります。
また、下痢の併発は少ないです。
抗生剤で治ることが多いですが、手術を要する場合もあります。
*心窩部とは:みぞおち辺りのことを指す
腸閉塞
腸が折れ曲がったり、ねじれたり、生理的な隙間にはいり込んでしまったりすることで腸が詰まってしまう病気です。
時に腸への血流が途絶えてしまうことで腸が壊死してしまうこともある危険な病態です。
症状としては腹部のはりや腹痛と共に頻回の嘔吐を起こし、便やおならが出なくなります。
血流障害を起こしている場合は腹部に激痛が起こります。
CT検査を行わなければ診断がつきませんので、必ず病院を受診することが必要です。
数日間の入院で治ることもありますが、手術を要する場合が多くなります。
腸重積
腸の一部が隣接する腸のなかにはまってしまうことで発生する病気です。
1歳以下の子供に発症することが多くあります。
腹痛に加えてケチャップやイチゴジャムのような血便が出ることが特徴的です。
こちらも腸が壊死してしまう場合がありますので、早期の病院受診が必要です。
浣腸を用いて治療をおこなうこともありますが、状態によっては手術を要します。
鼠径ヘルニア嵌頓(かんとん)
鼠径部にある生理的なすき間から腸が腹壁(腹筋)の外に出てしまう病気を鼠径ヘルニアといいます。
鼠径部にポコッとしたかたまりを触れ、押すと戻ることが多いです。
通常痛みは生じませんが、出ている腸の量が多くなってしまうと、血流障害を起こし、痛みを生じてしまうことがあります。
このような状態を嵌頓(かんとん)と呼び、脱出した腸管を戻すことが必要です。
小児の鼠径ヘルニア嵌頓はほとんどの場合戻すことが可能ですが、状況によっては手術を要する場合があります。
その他
他にも頻度は少ないですが、膵炎、消化性潰瘍、IgA血管炎など、様々な疾患の可能性があります。
関連記事:おたふく風邪の初期症状は?原因や感染経路、合併症について解説|家来るドクター
こんな症状が出たら危険!すぐに病院に行くべきサイン

腹痛があった際に、このような症状があった場合は病院を受診しましょう。
水分摂取ができない。
下痢や嘔吐を繰り返している場合は体の水分をより失っていることになります。
さらに、水分摂取ができない場合は高度の脱水となってしまいます。
対処として、点滴等により水分を補充する必要があります。
ジャンプをした際におなかにひびく
病院を受診して医師がおなかを触って「痛いですか?」とか、「押したときと離したときどっちが痛いですか?」と聞かれた経験がある方もいるかと思います。
| これは“腹膜刺激症状”といって、腹膜炎というおなかの中の炎症がひどくなった時におきる症状となります。 こどもは痛みを表現することが苦手であるため、どこを触っても「痛い」と言ったり、さっき触ったときは痛かったはずなのに「痛くない」と言ったりします。 そこで、腹膜刺激症状を観察するのにおすすめするのがジャンプです。 |
私も外来で腹痛の子供を見るときは、最初にジャンプしてもらいます。
着地する際に腹腔内には衝撃が加わりますので、腹膜刺激症状を認めている場合は腹痛が増悪します。
腹膜刺激症状は虫垂炎や腸閉塞などで起こりますので、このような症状がみられた際は病院受診をお勧めします。
子供の腹痛に正露丸などの市販薬は使ってもいい?

こどもの腹痛に対して市販薬を使用する際は注意が必要です。
ビオフェルミン、ビオスリーといった、「整腸剤」は体に害を起こすことはほとんどありませんので使用しても問題ありません。
しかしながら、止痢剤(下痢止め)については注意が必要です。
特に子供に多い感染性胃腸炎では、下痢は「ドレナージ」といって体の外に細菌やウイルスを排出する働きがあります。
下痢を止めてしまうことは細菌やウイルスの排出を止めてしまうことになりますので、症状が改善せず、時に悪化させてしまう可能性があります。
安易な止痢剤の使用はやめていただくことをおすすめします。
関連記事:子供がインフルエンザになった時の親の対応|風邪や似ている病気との違いについても解説
まとめ
今回は腹痛について解説をしてきました。
腹痛と言っても放置していい軽症のものから、緊急手術を必要とする重症なものまであります。
特に以下の場合には注意が必要です。
- 持続する痛み
- おなかにひびく痛み
安易な自己判断をせずに医師の診断を仰ぎましょう
参考資料
・急性腹症ガイドライン2015
・機能性消化管疾患診療ガイドライン2020-過敏性腸症候群(IBS)(改訂第2版)