おう吐処理の正しい手順|家庭でできる安全な掃除と消毒の仕方
こんにちは。千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックです。
おう吐は子どもによく見られる症状で、突然起こるため保護者の方も驚いたり、困惑することが多いと思います。
特にノロウイルスやロタウイルスなどは、感染力が強いため、家庭内での二次感染を引き起こすことがあります。
おう吐の処理方法がわからない・・・と急なことに焦らず対処できるよう、今回は家庭内でできるおう吐の処理方法について説明するので、是非、ご一読ください。
おう吐処理の準備
必要な道具

- 使い捨てのビニール手袋、マスク、エプロン
 - ペーパータオル(なければ古タオルや古新聞)
 - バケツ
 - 家庭用塩素系漂白剤(ハイター、キッチンハイターなど)
 - 500mlのペットボトル
 - ゴミ袋
 
準備時の注意点
おう吐物が付いたものは捨てるので、使い捨ての手袋やマスク、または捨てる予定のタオルなどを使いましょう。
【ご家庭でできる消毒液の作り方】

- ペットボトル(500ml)を用意する
 - ペットボトルのキャップ1/2杯分または2杯分のハイターを入れた後、水を入れる
 
※吐物・汚物と接触面では、消毒液の濃度に違いがあります。
【吐物・汚物、それらが付着した床や衣類等の浸け置き】
濃い濃度(0.1%)の消毒液を使用:キャップ2杯分
【接触面(便座・手すり、ドアノブ等)】
やや薄い濃度(0.02%)の消毒液を使用:キャップ01/2杯分
おう吐処理の正しい手順

おう吐物は乾燥すると空気中に舞ってしまうため、すぐに処理が必要です。
- 換気のために窓を開け、手袋・マスク・エプロンをつける
 - おう吐物はペーパータオルなどで取り除き、ビニール袋に入れる
 - 残ったおう吐物の上にペーパータオルをかぶせ、その上からハイター、ブリーチなど(塩素性漂白剤)の薄めた液を浸るように注ぎ、周りから中心に向けて静かにふき取る【ハイターキャップ2杯分+水500ml】
 - ふき取ったペーパーと手袋はビニール袋に入れて密閉し捨てる
 - 手洗い・うがいを十分にする
 
おう吐処理で気をつけるポイント
おう吐物の適切な処理、徹底した手洗いや消毒が必要不可欠です。
患者のおう吐物に触れること、またはそれらが乾燥した後に空気中を漂うウイルスを吸い込むことで二次感染のリスクが高まります。
【処理をするときの注意点】
- 手袋は付着した汚物が飛び散らないように裏返して外す
 - 手袋⇒エプロン⇒マスクの順に外して廃棄する
 - 換気をするときは風の通り道を作ること
 - 洗いは爪の間、指先、シワまでしっかり洗うこと
 - 時計は外して手洗いすること
 
※おう吐物は想像以上に広範囲で飛び散ります。ある機関の実験では床から1mの所で吐くと、吐いた場所から1.8mフローリングでは2.3mまで飛び散る結果が出ました。おう吐物から広範囲の場所も掃除しましょう。
おう吐後のケアと再発防止
衣類・寝具の洗濯
ほかの洗濯物と一緒に洗ってしまうと感染を広げてしまうので、たとえ表面の汚物を取り除いた後でも、必ず単独で洗います。
- おう吐物が付着した衣類は乾燥しないように、ビニール袋に入れて密閉しておく。
 - マスク・手袋・エプロンを付ける。
 - ぬるま湯、もしくは水で下洗いする。
(洗面所やお風呂場などで洗うことに抵抗がある場合には、バケツにぬるま湯をためてすすぎ洗いをする。洗い終わった水をトイレに流す。) - 濃い濃度の消毒液に30分間浸す。又は、85℃以上の熱湯に1分以上浸す。
 - 洗濯機で洗う
 
※消毒には塩素系漂白剤(ハイター)を使用しますが、色物は色落ちしてしまうためNG。
- 塩素系漂白剤が使用できるもの…濃い濃度(0.1%)消毒液キャップ2杯分に30分間浸す
 - 塩素系漂白剤が使用できないもの…85℃以上の熱湯に1分以上浸す
 
※熱湯で消毒する際はヤケドに注意しましょう。また、熱湯を使用する場合も色落ちする可能性があるため注意が必要です。
※ウイルス性胃腸炎の消毒にアルコールは効果がないため、塩素系漂白剤で作成した消毒液か熱湯で消毒が必要です。
部屋のにおい対策

- 換気をする
 - おう吐物の処理を素早く行う(手順に沿って行う)
 - 重曹で掃除する
 
重曹はアルカリ性のため、胃液などの酸性のにおいを中和するため、除菌・消臭に効果的です。
水500mlに重曹小さじ1程度の割合で混ぜた重曹水をスプレーボトルに入れ、汚れた箇所にスプレーしてタオルで拭き取って掃除するほか、おう吐物がついた場所(カーペット、ソファなど)に重曹を厚めに振りかけ、数時間置いてから掃除機で吸い取る方法があります。
粉のまま振りかける場合、飛散防止にキッチンペーパーをかけるとよいでしょう。
においが気になる場合、消臭スプレーや芳香剤を使用するとにおいが混ざって不快になることがあります。
においの原因となるおう吐物の汚れをしっかりと落とすことが一番の対策となるため、掃除を徹底して行うことが重要です。
子どもの体調観察
子供がおう吐している時は基本的にいつ受診してもかまいません。
いつもと様子が違う、心配な症状があるというときは早めに受診しましょう。
【こんな時は急いで受診しましょう】
- 強い腹痛が続いている
 - 頭を打ったあとに繰り返しおう吐している
 - おう吐と下痢を繰り返している
 - 半日以上尿が出ていない
 - 吐しゃ物に血や緑色のものが混ざっている
 - 5回以上おう吐していて水分が摂れない
 - けいれんを伴い、意識が朦朧としている
 - 意識障害がある、呼びかけに反応しない
 
【こんなときは様子見でもOK】
- おう吐する回数が少なく、おう吐後は機嫌よくしている
 - 吐き気がおさまった後に水分補給ができる
 - 下痢、熱などがなく、元気にしている
 
千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックでできる対応
当院では、丁寧な問診・診察を通じて患者様の症状やニーズを詳しく把握し、お一人おひとりに最適な治療をご提案いたします。
まずは問診で症状や、既往歴、摂取した食べ物などを確認し、必要に応じて血液検査(脱水や炎症、腎機能や肝機能などの確認)、腹部超音波検査、心電図検査などを行います。
専門的な検査、治療が必要と判断した場合は、専門の医療機関へ紹介状をお書きし、スムーズに受診できるよう手配させていただきます。
まとめ
子どもが突然おう吐することはよくある症状です。
おう吐後の処理方法を怠ると家庭内での二次感染を引き起こす可能性が高まりますので、感染拡大防止のためにも適切な処理を行う必要があります。
いつもと様子が違う、心配な症状があるときには医療機関に受診し、知識を家族で共有し、いざというときに適切な行動がとれるよう備えておきましょう。
秋の花粉症とは?春との違いや日常生活でできる予防方法を解説
秋は、ブタクサ・ヨモギ・カナムグラなどの秋花粉、いわゆる“雑草花粉”がアレルギー性の症状を引き起こします。
飛散は主に8~11月、発生源(河川敷・空き地・道端)に近いほど影響を受けやすいのが特徴です。
本記事では秋の花粉症の原因になる花粉の種類や主な症状、春の花粉症との違いについて解説していきます。
1. 秋の花粉症の原因
主な原因植物として以下などがあげられます。
- ブタクサ
 - ヨモギ
 - カナムグラ
 
関東では8~10月が中心で、年により12月頃まで少量持続する場合があります。
【関東地方】秋の花粉飛散時期
年・天候・地域差で前後します。
関東地方の一般的傾向としてご覧ください。
| 植物/月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 
| ブタクサ | 少量 | 多い | 中等 | 少量 | 微量~なし | 
| ヨモギ | 少量 | 中等 | 中等 | 少量 | なし | 
| カナムグラ | 少量 | 中等 | 中等 | 少量 | なし | 
| イネ科(再燃) | 少量 | 少量 | 少量 | なし | なし | 
秋の花粉症の主な症状
秋花粉(雑草)で典型的にみられる症状として以下などがあげられます。
- 鼻:くしゃみ、さらさらの鼻水、鼻づまり、かゆみ
 - 目:かゆみ、充血、流涙、異物感
 - のど・気管:イガイガ、咳・喘鳴(粒子が小さく吸い込みやすい)
 - 皮膚:顔や首の花粉皮膚炎(帰宅後の付着が刺激)
 
秋の花粉症と春の花粉症の違い
春の花粉症の原因となるスギやヒノキは花粉が広域に飛散しやすく、近くにスギやヒノキがなくても症状に悩む方が多いです。
一方、秋の花粉症となるブタクサやヨモギ、カナムグラなどは発生源付近でしか飛散しない(数十m程)ため、発生源を回避するだけでも予防効果があります。
秋の花粉症の予防方法
マスク・メガネの着用
花粉対策としてはとてもメジャーですが、マスク・メガネで目・鼻・口を露出しないようにすることで予防することができます。
鼻が出ている、マスクに隙間があるなどの場合は、花粉を吸いこんでしまう場合もあるため、正しく着用することが重要です。
手洗い・うがい
帰宅後の手洗い・うがいで花粉を洗い流しましょう。
この時、洗顔も一緒に取り入れたり、シャワーを浴びることで髪や体についた花粉を洗い流すことができます。
室内に花粉を持ち来ない
花粉症対策として一番重要なのが花粉を室内に持ち来ないことです。
花粉が付きにくいツルツルとした素材の服を選んだり、室内に入る前に服についた花粉を払い落とすとよいでしょう。
花粉対策グッズ活用
現在、さまざまな花粉対策グッズが発売されています。
花粉をブロックするミストやスプレーなどの取り入れやすいものから空気清浄機などの家電などがありますので取り入れやすいものから活用してみましょう。
秋の花粉症で受診すべき目安は?
受診目安
秋の花粉症で以下の症状がみられる場合は一度、内科や耳鼻咽喉科を受診してみましょう。
- 1~2週間程度、市販薬を使用しても改善しない
 - 鼻づまりで寝れない
 - 症状がひどく日常生活に支障をきたす
 - 咳・ゼーゼーなど下気道症状を伴う
 - 強い眼症状、視界のかすみを伴う
 - 発熱している
 - 妊娠中・授乳期間中
 - 小児・高齢者・基礎疾患あり
 
秋の花粉症治療方法
秋の花粉症の治療には抗ヒスタミンやロイコトリエン拮抗薬、ステロイド点鼻薬、抗アレルギー点眼薬など症状に合わせた薬の処方を行います。
毎年、秋になると症状が強く出る場合は、花粉の飛散前~初期から第二世代の抗ヒスタミンやステロイド点鼻薬を始めることでピーク時の症状を軽くしやすくなります。
薬によっては副作用がでることもあるので、自己判断による使用は避け、医師または薬剤師の指示に従い薬を選択しましょう。
鼻づまりが強い場合は、耳鼻咽喉科にて手術を検討する場合もあります。
千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックでできること
当クリニックでは、秋の花粉による症状でお困りの患者様の診察・薬の処方を行っています。
必要に応じて血液検査にてアレルギーの検査を行います。
近隣の医療機関との連携も行っていますので、専門の治療が必要になった場合、耳鼻咽喉科や眼科、皮膚科への紹介も可能です。
お困りの際はお気軽にご相談ください。
まとめ
秋の花粉症は、ブタクサやヨモギ、カナムグラなどの雑草の花粉が原因です。
春の花粉症の原因となるスギやヒノキとくらべ飛散距離が短いため発生源の回避やマスク・メガネの着用などで予防することができます。
予防法をおこなっても症状が出る、日常生活に支障をきたしているなどがあれば早めに医療機関を受診しましょう。
参考文献
秋のアレルギー|サーモフィッシャーダイアグノスティックス株式会社
微熱・頭痛・倦怠感が続くときの正しい対処法と受診のタイミング
「微熱・頭痛・倦怠感」は誰にでも起こり得る一般的な症状です。
多くは一時的な疲労やストレス、かぜ様症状で自然に改善しますが、感染症(新型コロナ・インフルエンザ等)や、貧血・甲状腺疾患・更年期などの病気のサインのこともあります。
本記事では、微熱・頭痛・倦怠感が続くときに考えられる主な疾患や受診の目安などを解説。
よくある症状だからと放置せず、「経過観察でよいのか/いつ受診すべきか」を冷静に判断しましょう。
なお、体温は個人差があり一定ではありません(一般的に日本では37.0~37.4℃の範囲で微熱とみなされることが多く、“微熱”に明確な医学的定義はありません)。
微熱・頭痛・倦怠感が続くときに考えられる主な原因
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
発熱・頭痛・倦怠感は新型コロナでよくみられる症状です。
体調に異変を感じ、症状悪化傾向な場合は自宅で市販の抗原定性検査キットでセルフチェックをするか、基礎疾患がある方や高齢者・妊婦・乳児など重症化リスクが高い方や症状が強い方は医療機関へ相談・受診をしましょう。
自治体の受診・相談センターでも案内が受けられます。
※COVID-19に罹患後、倦怠感や頭痛が長引く「罹患後症状(いわゆる後遺症)」が続く場合があります。最新の診療ガイドラインや論文でも倦怠感・頭痛が代表的な症状として記載されています。
インフルエンザ
インフルエンザは、急な発熱・全身倦怠感・頭痛・激しい咽頭痛などの感冒様症状が現れます。
発症から48時間以内に抗インフルエンザ薬を開始すると、発熱期間短縮や全身状態の改善などの効果が期待できます。
片頭痛・緊張型頭痛など一次性頭痛
頭痛そのものが主で、微熱や倦怠感を伴うことがあります。
“危険な二次性頭痛”を除外することが最優先です。
以下などは救急外来受診の受診が推奨されます。
- 雷鳴頭痛(雷に打たれたような激しい頭痛で1分以内に痛みピークに達します。)
 - 神経脱落症状(ろれつが回らない・片麻痺等)
 - いつもと違う激しい頭痛
 
自律神経の不調
自律神経の不調(起立性調節障害や自律神経失調症など)で、めまい・立ちくらみやだるさ、頭痛などの症状が現れることがあります。
思春期に多いですが成人でも自律神経の乱れで似た不調が続くことがあります。
長引く場合は内科を受診しましょう。
更年期関連
閉経前後の10年間は、更年期のホルモン変動に伴い倦怠感・睡眠障害・頭痛・のぼせなど多彩な症状が現れることがあります。
つらい症状は婦人科を受診し、ホルモン補充療法や漢方薬治療での治療が推奨されます。
貧血・甲状腺疾患ほか
鉄欠乏性貧血は疲労感・集中力低下・頭痛の原因になります。
甲状腺炎では発熱や全身倦怠感が出ることがあります(亜急性甲状腺炎など)。
髄膜炎・脳炎など重篤な病気
以下などの症状に該当する場合、救急外来受診が必要です。
- 強い頭痛+発熱+首の硬さ(項部硬直)
 - 意識障害
 - けいれん
 - 紫斑(点状出血)
 
「おかしい」と感じた場合、救急車を要請してください。
関連記事:熱が上がったり下がったりする原因や対処法を大人と子供に分けて解説
関連記事:倦怠感があるのに熱はなし?どんな病気が考えられる?
「微熱・頭痛・倦怠感」の受診目安
経過観察できるケース
以下に該当するケースでは自宅で経過観察していただいて問題ありません。
ただし、症状が1週間経過してもよくならない、悪化したといった場合はかかりつけ医やお近くの医療機関を受診しましょう。
- 体温が軽度の上昇(微熱)で水分・食事がとれている
 - 息苦しさや意識障害、激しい頭痛、持続する高熱がない
 - 2–3日で改善傾向がある
→自宅で休養・水分補給・症状記録(後述)で様子見。 
受診を検討すべきケース
以下のケースでは医療機関の受診を検討してください。
通常の風邪と思われる症状であっても感染症や治療が必要なケースもあります。
- 発熱や倦怠感・頭痛が数日間改善しない/悪化している場合
 - 流行期でインフルエンザが疑われ、発症から48時間以内(抗ウイルス薬適応判断のため)
 - 乳児・妊娠中・高齢・持病がある・免疫が低下している
 - 新型コロナウイルス抗原検査が陽性/陰性でも症状が強い・心配が大きい
→かかりつけ医や近隣の医療機関に連絡し、受診方法を確認しましょう。 
すぐに医療機関を受診(救急含む)すべきケース
以下のケースでは早急に医療機関の受診が必要です。
場合によっては救急車要請が必要となる場合もあります。
- 突然の激しい頭痛(雷鳴頭痛)、ろれつ困難・片麻痺などの神経症状
 - 首の硬さ、けいれん、意識混濁、紫斑を伴う発熱・頭痛
 - 呼吸が苦しい、ぐったりして水分が取れない、急速な悪化
 
判断に迷った場合、全国の救急相談「#7119」にも相談してみましょう。
関連記事:後頭部頭痛の原因は?ズキズキとした痛みや吐き気は危険?
微熱・頭痛・倦怠感があるときのセルフケア
休養と睡眠
無理をせず横になって休むことが基本です。
短時間の昼寝や就寝前のスマホの使用を控えることも効果的です。
水分補給と栄養
こまめな水分補給(経口補水液・スープ等)と、消化にやさしい食事を心がけましょう。
インフルエンザ等の発熱時にも水分は重要です。
市販薬を使うときの注意点
複数の解熱鎮痛薬・総合感冒薬の併用は成分が重複して過量になる可能性があるため避けてください。
アセトアミノフェン等を含む薬の重複しての内服は肝障害の原因になるため、服用前に必ずラベルで成分を確認してください。
妊娠中・基礎疾患のある方、アレルギー歴のある方は服用前に薬剤師へ相談しましょう。
市販薬を服用しても症状が改善しない・悪化する場合は中止して受診してください。
症状のモニタリング
1日2~3回の体温、頭痛の強さ・内服・水分量をメモしておくことで受診時に医師への相談に活用できます。
関連記事:アセトアミノフェンの重大な副作用とは?効果と併せて解説
関連記事:頭痛薬が効かないときの対処法|飲みすぎると危険な理由も解説
微熱・頭痛・倦怠感で受診するときの診療科の選び方
微熱・頭痛・倦怠感の症状が続く場合、まずは内科(発熱対応可の外来)を受診しましょう。
必要に応じて検査(インフル/コロナ検査、採血等)を行い、頭痛が主で“危険サイン”があれば脳神経内科・救急外来の紹介を受けてください。
つらい更年期症状が疑われる場合は婦人科、貧血が疑われる場合は内科で相談しましょう。
近隣の医療機関検索は厚労省・都道府県の「医療情報ネット」で条件検索できます。
千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックでできる対応
千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックでは、内科・発熱での初期評価(必要な検査の選定、薬の処方)、長引く倦怠感・頭痛の原因探索(貧血・甲状腺・炎症の採血など)、片頭痛・緊張型頭痛の再発予防指導を行っています。
「微熱・頭痛・倦怠感が続く」「受診タイミングに迷う」ときは、まずはお気軽にご相談ください。
地域の医療機関とも連携し、救急が必要なサインの見極め・適切な紹介まで丁寧にサポートします。
まとめ
微熱・頭痛・倦怠感が続く場合、新型コロナやインフルエンザなどの感染症から髄膜炎や脳炎などの救急車要請が必要なケースなどさまざまな原因が考えられます。
症状が数日経っても改善されない場合や悪化している場合などにはかかりつけ医や近隣の医療機関を受診してください。
意識障害やけいれん、ろれつが回らない、呼吸困難などの症状がある場合はためらわず救急車を要請しましょう。
判断に悩む場合、当クリニックへご相談いただくか、全国救急ダイヤル「#7119」へご相んだください。
参考文献
インフルエンザワクチンの効果とは?持続期間や副反応を徹底解説
こんにちは。千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックです。
毎年冬になると注目を集める【インフルエンザ】
日本では例年12月~3月に流行のピークを迎えます。
感染力がとても強いため、流行すると短期間で多くの方に広がってしまうため、ピークに備えてインフルエンザワクチンを打たれる方も多いでしょう。
ワクチンは、【感染を防ぐ効果】と【重症化を防ぐ効果】があるとされています。
本記事では、そんなインフルエンザワクチンの効果や効果がでやすい接種のタイミングについてご説明させていただきますので是非、ご一読ください。
インフルエンザワクチンの効果とは?
人はウイルスに感染すると、そのウイルスを排除する働きを持った抗体を作ります。
抗体ができると、次に同じウイルスが体内に侵入してきたときに、素早く反応できウイルスを排除できるようになります。
この体の中のシステムを利用するのが【ワクチン】です!
今年流行するであろうインフルエンザウイルスを無毒化し感染力をなくした状態で、体内に入れ先に抗体を作ることにより感染を防いだり、感染しても重症化を防ぐ効果があります。

成人の場合は、過去のインフルエンザの感染歴や免疫力を持っているため基本的には1回の予防接種で免疫力の補強を行うだけでも十分な効果があります。
12歳以下の小児の方は、免疫力が低かったり、肺炎などの合併症を防ぐ意味でも2回接種することを推奨しています。
また、65歳以上の方や成人の方でも、1回の接種では予防効果が64%なのに対し、2回接種では94%の予防効果があったとの報告もあるので、2回接種したほうが予防効果は高まります。
2回接種が推奨される方
- 65歳以上の方
 - 喘息などの呼吸器に病気のある方
 - 受験生などどうしても休むことができない方
 
インフルエンザワクチンの効果はいつからどのくらい続く?
インフルエンザワクチンは接種後1週間ごろから抗体が増え始め2週間目ぐらいから効果が安定していきます。
そして、1か月頃にピークを迎え、その後3~4か月後に徐々に低下傾向を示します。

インフルエンザワクチンの効果を高める接種のタイミング

6か月~12歳
- 接種回数:2回
 - スケジュール:1回目10月上旬から11月上旬 2回目は4週間空けて
 - ポイント:免疫が安定するまでに時間がかかるため、間隔を守って接種をすることで十分な効果を得られやすくなります。
 
13歳~65歳
- 接種回数:1回
 - スケジュール:10月中旬から11月下旬
 - ポイント:早すぎる接種は、ピーク時の効果低下につながるため10月の中旬以降の接種が理想です。
基礎疾患がある方は、重症化のリスクが高く、確実に流行前に接種をしておくことがオススメです。 
65歳以上
- 接種回数:1回
 - スケジュール:10月下旬から11月中旬
 - ポイント:高齢者は免疫の減退が比較的早いため、早く打ちすぎると流行のピークに効果が不十分になる可能性があります。
 
妊娠中
- 接種回数:1回
 - スケジュール:10月から11月
 - ポイント:妊婦さん自身重症化を防ぎ、流行前に接種しておくことが望ましいです。
 
インフルエンザワクチンの副反応
インフルエンザワクチン接種後によく起こる副反応としては下記があります。
- インフルエンザワクチン接種部位の赤み・腫れ・痛み
 - 発熱
 - 頭痛
 - 寒気
 - だるさ
 
これらの症状がみられる場合がありますが、通常2~3日程度で消失するものになりますので、特別処置は必要としません。
ですが、不安な場合は接種を受けた医療機関の医師にご相談ください。
インフルエンザワクチン以外の予防方法
インフルエンザワクチン以外での予防法として以下を取り入れることで感染の危険性は低くなります。
- マスクの着用
 - 手洗い
 - うがい
 - 十分な睡眠と栄養
 - 適度な湿度
 - 人込みを避ける
 
また、インフルエンザウイルスには70%以上のアルコールも有効的のため、人が多く触る場所などは、適宜アルコールでのふき取り消毒も予防方法として効果的だと思います!
千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックでできる対応
千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックでは、2,750円でインフルエンザワクチンの接種を行っております!
御予約はWEBからでもお取りできます!
お問い合わせなどは、クリニックにお電話にてお問合せください!
まとめ
インフルエンザワクチンは、感染予防だけでなく重症化を防ぐ意味でもとても重要なワクチンになります。
また、安全性も高いワクチンになりますので流行前に接種することをオススメいたします。
参考文献
ひろつ内科クリニック|今年のインフルワクチン、いつ打つのがベスト? 流行の傾向を踏まえた「年代別おすすめ接種時期ガイド【2025–26】」
一之江駅前ひまわり医院(内科・皮膚科)|【2025年】インフルエンザワクチンの効果と持続期間について【mRNAワクチン】
粉瘤は自然治癒しない!悪性化になる可能性は?検査や手術について
粉瘤を放置していませんか?早めに病院での診察が大切です!
粉瘤(アテローム)について
皮膚の下に袋状の構造物ができ、本来皮膚から剥げ落ちるはずの垢と皮脂が袋の中にたまってしまってできます。
たまった垢や皮脂は袋の外には出られず、どんどんたまっていきますので、時間とともに少しずつ大きくなっていきます。
身体のどこにでもできますが、顔、首、背中、耳のうしろなどにできやすいです。
関連記事:ダニ刺されで悩んでいる方へ!あせもとの違いについて解説!症状や治療についても
粉瘤の見分け方
数ミリから数センチの半球状のしこりで、中央に黒点があることが多いです。

粉瘤と似た病気との見分け方
ニキビとの違い
ニキビは毛穴が細菌に感染してできるものです。
粉瘤が炎症を起こし、赤く腫れるとニキビに似た見た目になります。
粉瘤は、袋に老廃物たまっていくため、大きくなりやすく、直径10センチを超えるものもあります。
おできやイボとの違い
おできは皮膚の常在菌である黄色ブドウ球菌が感染することによって発症します。
体調不良などによって免疫力が落ちると感染が起こります。痛みが早い段階で起こるので、判別しやすいです。
粉瘤は外科的な手術でなければ根治できませんが、おできはお薬で治すことも可能です。
脂肪腫との違い
脂肪腫とは皮膚の下にできた脂肪の塊で、徐々に大きくなる良性腫瘍です。
どちらも悪性化することはほとんどありません。
粉瘤について知ってほしい・気をつけるべきこと
放置すると大きくなり、悪臭の原因になったり、袋が中で破裂して炎症を起こし、痛みや腫れ、膿が出るなどの症状を引き起こすことがあります。
粉瘤は自然治癒しない
粉瘤は自然治癒しません。小さくてもお薬では治すことはできず、治療は外科手術によるしかありません。
粉瘤が悪性化(ガン化)することは稀
粉瘤は基本的には良性の腫瘍ですが、非常に経過が長いものや炎症を繰り返し続けているものの中にはごくまれに悪性腫瘍となってしまうものもあります。
自分で潰そうとしない
中央の黒点は皮膚の開口部であり、そこから細菌が侵入して感染を起こすと、赤く腫れ上がり、痛みを伴います。これを炎症性粉瘤と呼びます。
菌が侵入すると炎症性粉瘤になる可能性も
炎症性粉瘤は、軽い炎症なら抗生物質を内服すれば炎症はおさまります。
しかし、ひどく化膿してしまうと皮膚の下の袋状構造物は破壊され、膿みがたまった状態になります。
この場合、抗生物質を内服しただけでは効果が少なく、表面を切って膿をだしたほうがよいことがあります。
関連記事:虫刺されの種類別症状は?応急処置や受診の目安を解説
病院での治療について
強い炎症を伴う場合は切開して、膿みを外に出します。
赤みや痛みを伴わない場合は、粉瘤を表面の皮膚ごと切り取って縫ってしまう外科的な手術をします。
巨大なものでなければ、局所麻酔の日帰り手術が可能です。手術というと手術後の傷あとが気になると思います。
粉瘤の手術では、表面皮膚を最小限に切開して、皮膚の下の袋のみを摘出することも可能ですので、皮膚の傷あとは小さく目立たなくすることができます。
ただし、あくまでも良性腫瘍ですので、切除するかしないかは御本人の自由意志です。
基本的に皮膚科で診断を
粉瘤は皮膚のトラブルの一つですので、基本的には皮膚科を受診されることをお勧めします。
どんな治療をするの?
切開法
- 数センチ程度の大きくなった粉瘤が適応です。
 - 粉瘤の直径と同じくらいの切開が必要です。
 - 切開後縫合し、約1週間後に抜糸します。
 - 袋が破れなければ確実に完全摘出できるので、再発が少ないです。
 
くり抜き法
- 数ミリ程度の小さいサイズの粉瘤が適応です。
 - 小さな穴から袋ごと内容物を吸い出すので傷跡が目立ちにくいです。
 - 短時間で終わるので日帰り手術が可能です。
 - 炎症があっても施術できます。
 - 縫合しないため完治まで時間がかかります。
 - 内容物が吸い出しきれなかった場合、再発する可能性があります。
 
保険適用になる
切開法、くり抜き法、どちらも保険適応となります。
放置や炎症を繰り返さないためにすぐに病院へ
放っておくと炎症を起こしたり、非常に大きくなったりするものもあるので、早めの受診をお勧めします。
病院や家来るドクターでできる治療
医療機関を受診し手術で摘出した方が良いかアドバイスを行うことが可能です。
また炎症性粉瘤の場合は抗生剤処方し、早期治療が可能です。
まとめ
今回は粉瘤について説明させていただきました。無症状なことも多いですが、悪化する前に受診と治療を行いましょう。
毛じらみの原因や症状、肉眼での見つけ方などについて解説!放置すると危険?
陰毛の激しいかゆみは毛じらみ症かもしれません。
毛じらみ症について
毛じらみ症になる原因
「吸血性昆虫」という寄生虫の仲間であるケジラミが寄生することにより生じます。
感染経路
性行為の際の陰毛同士の接触による感染がほとんどで性感染症として扱われることも多いですが、タオルや毛布、温浴施設の脱衣カゴなどを介しての間接的感染、母子間での感染もあります。
なお、ケジラミは宿主(感染している場所)から離れると、長くても48時間程度しか生存できず、また、自力では10cm程度しか移動できないため、感染経路は非常に限られてきます。
関連記事:陰部や性器のかゆみがある時の性病について|検査や治療方法もご紹介
毛じらみ症の症状とは
感染部位に激しいかゆみをもたらします。皮疹を生じないのが特徴です。
かゆみの原因はケジラミの唾液に対する我々人間の免疫反応なのですが、それには個人差がありますので、感染していてもあまりかゆみを感じない場合もあります。かゆみを感じるのは感染後1~2ヶ月が経過してからとされています。
このため、毛じらみ症と診断されたら1~2ヶ月前に性的接触があった相手にケジラミの寄生がないかを調べることが望ましいです。
また、家庭内感染の可能性もありますので、家族全員の感染状況を調べるようにしましょう。
陰毛以外でも発症するの?
主に陰毛に寄生しますが、肛門周囲、わき毛、胸毛などの体毛のある部位であれば寄生します。
頭髪やひげにも寄生します。
剃毛は安価な対処法ではありますが、陰毛以外では完全に剃毛するのは現実的に困難であることが多いこと、また、不完全な剃毛がケジラミの近接部位への移動を誘発し、かえって感染部位を広範に拡大してしまうケースが多々あることなどから、あまり推奨されません。

関連記事:クラミジアは男性も女性もかかる?潜伏期間や感染経路、症状や治るまでの期間について
肉眼で見つけることはできる?
ケジラミの成虫の大きさは1mm程度です。
ケジラミの血糞が黒色点状のしみとして下着に付着することで発見されることも多いです。
毛じらみ症は自然治癒する?お風呂で死ぬの?
自然治癒はしません。
入浴によりケジラミの成虫は洗い流されることもありますが、虫卵は流されません。
また、風呂程度の温度では死滅しないため、成虫が他人に乗り移ることにより感染を拡大させてしまいますので、後述するように確実な治療を受けましょう。
関連記事:急増中『梅毒』はどんな病気?の原因と初期症状について
放置せずに病院で検査をしましょう
どんな検査をするのか
拡大鏡での観察を含む視診により、ケジラミの成虫や虫卵の有無を確認します。
また、陰毛を採取し、虫卵を顕微鏡で確認することにより診断します。
毛じらみ症に効果的な治療薬
市販薬としてシャンプー製剤(スミスリンL®)やパウダー製剤(スミスリンパウダー®)があります。
シャンプー製剤の場合は陰毛に塗布して5分後に洗い流し、パウダー製剤の場合は寄生場所に散布して1〜2時間後に洗い流します。
ケジラミの虫卵が孵化するのに1週間程度を要することから、2週間程度の間、3~4日ごと繰り返し使用して駆除を行います。
まとめ
陰毛以外にも寄生していないかに注意が必要です。
宿主から離れたケジラミが他で生存している可能性がありますので、衣類・寝具は熱処理(アイロンがけなど)やドライクリーニングすると安心です。
また、毛じらみ症と同時に他のSTI(性病)に感染している合併例が多く見受けられます。毛じらみ症の診断を受けた際には梅毒やHIVなどの検査を行うことが望ましいです。
【冬から注意】子供の水疱瘡(みずぼうそう)|症状や潜伏期間、予防接種について

こんにちは。
突然全身にブツブツが…。
水ぼうそうはご存じの方も多いかと思います。
水ぼうそうは正式には水痘(すいとう)と呼ばれる病気です。
今回は、水ぼうそうの症状や、治療方法、ワクチンはあるかなどについて詳しく解説していきます。
なぜ子供は水疱瘡(みずぼうそう)に罹りやすいのか

原因
水痘帯状疱疹ウイルス(VZV:ヒトヘルペスウイルス3型)によって引き起こされます。
潜伏期間
感染から2週間程度(10〜21日)経ったのち発症します。
免疫不全のある人は通常の潜伏期間より長くなることもあります。
感染経路

水ぼうそうは極めて感染力が強く、麻疹(はしか)よりは弱いものの、おたふくかぜや風疹よりは強いとされています。
空気感染・飛沫感染・接触感染によって広がり、具体的には以下のような経路を介して感染します。
- ウイルスを含んだ飛沫やエアロゾル(飛沫より小さく、空気中に長時間留まりやすい)を吸い込む
 - ウイルスが含まれる皮膚病変(水ぼうそう患者さんの皮膚のブツブツ)を直接触った手などを介して鼻や口から体内に入る
 
通常は鼻や口から入ったあと気道の粘膜に付着して感染、付着した粘膜とリンパ節でウイルスの数を増やします。
感染後4〜6日すると一次ウイルス血症という血液への感染を起こします。
ウイルスは肝臓や脾臓などの臓器に広がっていきます。
更にそこで増えたのち、ニ次ウイルス血症を起こして皮膚に発疹が現れます。
水ぼうそうは発疹出現の1〜2日前から発疹が出現してから4〜5日にかけて最も感染力が強いです。
発疹が出現する1〜2日前から全ての発疹が痂皮化(かさぶた化)するまで感染力を有します。
流行時期

12〜7月にかけて多くみられ、8〜11月は減少傾向にあります。
なぜ子どもに多い?
水ぼうそうは主に小児の病気で、9歳以下での発症が90%以上を占めるとされています。
水痘帯状疱疹ウイルスの初感染で水ぼうそうを引き起こします。
幼少期の感染はすなわち初感染と考えられるため、水ぼうそうは子どもに多い病気なのです。
ちなみに、水痘帯状疱疹ウイルスは治癒後も神経節に潜伏感染しています。
そのため、加齢や免疫低下に伴って再活性化し、帯状疱疹を起こします。
大人(特に高齢者)によく帯状疱疹がみられるのはこのためです。
なお、我が国における水痘帯状疱疹ウイルスに対する抗体保有率は小児では低く、大人になるにつれて高く、55歳以上では100%となります(ただしワクチンによる抗体獲得者も含む)。
つまり日本人のほとんどがかかるウイルスといえます。
関連記事:りんご病(伝染性紅斑)になったら病院へ行くべき?症状を解説|大人にもうつる?
水疱瘡(みずぼうそう)の症状について

初期症状
軽い頭痛や発熱、全身のだるさなどといった症状が、発疹が出現する2〜3日前に現れる場合があります。
この症状は10歳以上の子どもでみられることが多く、成人ではより重い症状となります。
発疹
最初の発疹は斑点状で、紅斑(赤み)を伴うこともあります。
数時間以内に発疹は丘疹(盛り上がったような発疹)となり、その後はかゆみを伴った小さな水疱(水ぶくれ)が赤みの上に現れます。
最後は痂皮化(かさぶた化)し、治癒します。
数日にわたり新しい発疹が次々と出現するので、急性期には紅斑・丘疹・水疱・痂皮のそれぞれの段階の発疹が混在します。
新たな発疹は通常5日目までに現れなくなり、大部分は6日目までに痂皮化します。
発症後20日未満で大半の痂皮は消失します。
発疹は頭部〜顔面、体幹部(胸・腹・背中)から始まり、次々に発疹が現れて全身へと広がっていきます。
特に体幹部は発疹が多くみられ、発疹が全身に広がらない場合も体幹部には必ず出ると言われています。
発疹が口の中や鼻・喉の粘膜、眼の結膜、直腸や腟などの粘膜に発生することもあります。
口の中にできた水疱は破れやすく、食べたり飲んだりする時に痛みを伴います。
頭皮に発疹が出た場合、後頭部や後頚部(首の後ろ)のリンパ節に腫れや痛みが生じることもあります。
なお、近年の統計によると、我が国において水ぼうそうは年間100万人程度が発症。
4,000人程度が入院、20人程度が死亡していると推定されている疾患です。
合併症
水ぼうそうは一般的に軽症で、免疫が正常な子どもでは重症化することはまれです。
15歳以上の成人や1歳以下の乳児、免疫の低下した人では重症化し、合併症を伴うことがあります。
通常、咳や鼻水などの呼吸器症状や、腹痛や下痢、嘔吐などの消化器症状を伴うことはないとされています。
しかし、時に肺炎(水痘肺炎)などを引き起こすこともあります。
水ぼうそうに合併する肺炎は通常ウイルス性ですが、細菌性の場合もあります。
また、それらに伴って脱水症を起こすこともあります。
心筋炎や肝炎、出血性疾患などを合併することもあります。
その他、合併症としては以下のものが挙げられます。
*皮膚の二次性細菌感染
水ぼうそうの発疹に細菌(典型的にはレンサ球菌またはブドウ球菌)が感染し、一般的な水ぼうそうとは違う皮膚病変が出現したり、症状が悪化したりします。
かゆみで発疹をかきむしってしまうと、そこから細菌が入ってしまう場合があります。
細菌感染を起こした場合は抗生物質などで治療します。
原因菌を抑えられれば、水ぼうそうの回復に伴って症状も次第に改善されていきます。
蜂窩織炎(ほうかしきえん)(*1)や、ごくまれに壊死性筋膜炎(えしせいきんまくえん)(*2)やレンサ球菌による毒素性ショックを引き起こす場合があり、生命に関わるため注意が必要です。
*1蜂窩織炎(ほうかしきえん)=皮膚とそのすぐ下の組織に生じる、広がりやすい細菌感染症
*2壊死性筋膜炎(えしせいきんまくえん)=皮膚の深いところ、つまり筋肉を覆う筋膜の上に起こる細菌感染症
*無菌性髄膜炎・脳炎
水痘帯状疱疹ウイルスが原因によって引き起こされる「水痘帯状疱疹ウイルス性髄膜炎」という病気があります。
水痘帯状疱疹ウイルスによる髄膜炎と診断された場合は、速やかにアシクロビルなどの抗ウイルス薬の投与が行われます。
炎症が脳にまで及ぶと脳炎となり、生命に関わります。
成人の水ぼうそう重症例にみられ、1000例に1〜2例の頻度で発生するとされています。
*小脳炎
水ぼうそうには様々な神経系合併症がみられますが、最もよくみられるのがこの小脳炎です。
水ぼうそうなどのウイルス感染がきっかけとなって小脳に炎症が起き、小脳の機能が侵されます。
水ぼうそうに罹患した小児の約4000人に1人の割合でみられます。
小脳には歩行に関する機能や手足の協調運動(例:食事をする、スキップをする、服を着替える)を取りまとめる機能があります。
小脳炎になると急にふらついて上手く歩けなくなったり、協調運動が障害されたりします(急性小脳失調と呼ばれます)。
数週間で自然に治癒するため、診断されても特に治療はせず経過観察のみが行われます。
症状が強い・長引く場合は、副腎皮質ステロイドやγ-グロブリンの投与などといった治療を行うこともあります。
*ライ症候群
はっきりとした原因は不明ですが、一般的にはインフルエンザや水ぼうそうなどのウイルス感染症にかかった際に、治療でアスピリンを服用した子ども(主に18歳未満)にみられます。
インフルエンザや水ぼうそうなどの症状に続いて、激しい吐き気や嘔吐、錯乱、反応が鈍くなるなどといった症状がみられ、時には昏睡状態に陥ることもあります。
脳へのダメージの程度によって予後が変わります。
このように、アスピリンはライ症候群のリスクを高めるため、一部の特定の病気(若年性特発性関節炎や川崎病)にかかっている場合を除いて、子どもへの投与は推奨されていません。
今ではこういった過去の事例からアスピリンの使用が減ったため、ライ症候群を発症する人はほとんどみられません。
アスピリンを処方されていないか、保護者の方はお薬の内容に注意しておくことも大切です。
かかった後は?
水ぼうそうにかかった後は終生免疫を得て、その後感染しても症状が出ることはありません。
水疱瘡(みずぼうそう)と虫刺されやあせもとの違い

虫刺され

水ぼうそうの初期は虫刺されとよく似ており、区別が難しいことがあります。
水ぼうそうの場合は全身に発疹がみられ、頭皮や口の中にも発疹があることが多いです。
頭皮や口の中にも発疹が出ていれば水ぼうそうの可能性が高くなります。
しっかりと経過を見ることが重要です。
関連記事:ダニ刺され・刺された跡で悩んでいる人必見!あせもとの違いは?|症状や治療についても
あせも

汗を出す管が何らかの原因によって詰まり、炎症が起きた状態のことをいいます。
汗をかきやすい夏によくみられます。
以下など、汗をかきやすく蒸れやすい部位に赤みを伴った小さな発疹が現れます。
- 頭(髪の生え際)
 - 首のまわり
 - 脇の下
 - 肘・膝関節の裏
 - ベルトや下着で締め付けのある部分
 
水ぼうそうと同じく、水ぶくれが出ることもまれではありません。
虫刺されの場合と同様、全身に発疹が出現し、頭皮や口の中にも発疹がみられる場合は水ぼうそうを疑いましょう。
関連記事:子どもが汗疹(あせも)になったときはどうすればいい?治し方や湿疹との違い・対策法について
軽い水疱瘡(みずぼうそう)は気づきにくい?注意点について

水ぼうそうは上記の通り、他の疾患と間違われる場合があります。
また、症状が軽い場合、水ぼうそうと気付かずに過ごす可能性もあります。
子どもの水ぼうそうは通常、重症化せずに治癒します。
しかし、前述の通り15歳以上の成人や1歳以下の乳児、免疫の低下した人では重症化することがあります。
時に生命に関わることもあるため、少しでもあやしいと思ったら受診することが大切です。
受診の目安は?

赤い斑点や水ぶくれ、発熱(無い場合もあります)などがみられたら受診しましょう。
ただし水ぼうそうは感染力が強く、周りの人にうつす可能性が高いです。
水ぼうそうが疑われる場合は、事前に病院に伝えてから受診するのが望ましいと考えます。
登校や登園の目安は?

学校保健安全法において、水ぼうそうは第二種の感染症に指定されています。
そのため、「全ての発疹が痂皮化するまで」は出席停止となります。
個人差がありますが、およそ1週間程度は出席停止になると考えてください。
また、以下の場合も出席停止期間となります。
①患者のある家に居住する者又はかかっている疑いがある者については、予防処置の施行その他の事情により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで
②発生した地域から通学する者については、その発生状況により必要と認めたとき、学校医の意見を聞いて適当と認める期間
③流行地を旅行した者については、その状況により必要と認めたとき、学校医の意見を聞いて適当と認める期間
水疱瘡(みずぼうそう)は大人にもうつるのか

水ぼうそうは前述の通り子どもの病気と思われがちですが、大人でも感染します。
大人が水ぼうそうにかかると重症化し、水痘肺炎などの重い合併症を起こす頻度が高くなります。
妊婦さんの場合
| 妊娠20週頃までに水ぼうそうになった場合 | 1〜2%の割合で先天性水痘症候群を発症します。胎児や新生児に重い障害が出現し、死産に至る症例もまれに報告されています。 | 
| 分娩前5日~産後2日間に妊産婦が水ぼうそうになった場合 | 新生児は胎盤を通してウイルスに感染します。しかし、母親からの移行抗体が間に合わず重篤化しやすくなります。 | 
関連記事:風疹(風しん)はどんな症状が出る?妊娠時に気をつけるべき理由と感染経路について
水疱瘡の予防接種について
水ぼうそうに対する予防接種は、我が国では平成26年10月1日から定期接種となっています。
水痘ワクチンの定期接種は、1歳の誕生日の前日から3歳の誕生日の前日までの子どもが対象です。
また、予防接種は2回行うこととなっています。
接種期間の目安は以下の通りです。
| 1回目の接種 | 原則として生後12ヶ月〜生後15ヶ月までの間に行います。 | 
| 2回目の接種 | 1回目の接種から3ヶ月以上経過してから行いますが、標準的には1回目の接種後6ヶ月〜12ヶ月を経過してから行うこととなっています。 | 
なお、すでに水ぼうそうにかかったことのある子どもは、水ぼうそうに対する免疫を獲得していると考えられます。
そのため、基本的には定期接種の対象外です。
一定の頻度でみられる接種後の副反応については下記のとおりです。
| 過敏症 | 接種直後から翌日に発疹、じんましん、紅斑、かゆみ、発熱などが現れることがあります。 | 
| 全身症状 | 発熱や発疹がみられることがあります。一過性のものであり、通常は数日中に消失するとされています。 | 
| 局所症状 | 発赤、腫脹、硬結などが現れることがあります。 | 
まれに報告される重い副反応としては、アナフィラキシー様症状、急性血小板減少性紫斑病などがあります。
ブレイクスルー水痘
まれに、予防接種を受けた小児が水ぼうそうを発症することがあります(ブレイクスルー水痘と呼ばれます)。
この場合、発疹は通常より軽度であり、発熱の頻度はより低く罹患期間はより短いとされています。
水疱瘡(みずぼうそう)になったときの治療について

対症療法が基本となります。
抗ウイルス薬(アシクロビル・バラシクロビル・ファムシクロビル)がありますが、通常の場合投与は不要とされています。
重症化リスクのある人については、発疹出現後24時間以内の投与が推奨されます。
細菌の二次感染を予防するために、定期的に入浴して服や手を清潔に保ち、爪も切っておきましょう。
消毒薬は、原則として使用すべきではありません。
細菌の二次感染がある場合は抗生物質を使います。
全身状態に問題がなければ外来受診および自宅での経過観察が可能な病気です。
ただし、空気感染もする感染力の強い疾患です。
痂皮化するまでは他の人との接触を避ける必要があります。
一方で、重い合併症がみられる場合や免疫不全のある方は、医療機関に入院のうえ治療が必要となります。
まとめ
今回は水ぼうそうの症状や、治療方法、ワクチンはあるかなどについて解説しました。
感染力の強い水ぼうそうは、周りの人にもうつすことがあるため注意が必要です。
また、妊婦さんが感染するとお腹の中の子どもに影響をおよぼす場合もあります。
水ぼうそうはワクチンで予防できます。
予防接種はお忘れなく!
参考文献
虫刺されのかゆみが止まらない人必見|対処法やぶり返す可能性はある?

肌の露出が多い暑い季節には虫刺されの悩みがつきものです。
虫刺されのかゆみは非常に辛く、放置しておくと症状が長引いたり悪化してしまうことがあります。
そのため、放置せずに適切な対処をすることが重要です。
今回は、虫刺されの症状のメカニズムや、かゆみを和らげるための対処法、虫刺されの予防方法などについて詳しく解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
虫刺されでかゆみが起きるメカニズム

虫刺されによって起こる皮膚症状は、大きく「痛み」と「かゆみ」とに分けられます。
虫が人を刺した時には、指し口から皮膚に唾液や毒などの成分が注入されます。
痛みは虫が皮膚を刺すことによる物理的な痛みと、皮膚に注入される物質によって炎症が生じることによって生じます。
一方で、かゆみは皮膚に注入された物質によってアレルギー反応が起こることによって生じます。
虫の唾液に含まれる化学物質が体に入ると、人の体内で免疫反応が働きヒスタミンが放出されます。
ヒスタミンによって、虫に刺された直後からかゆみや、発赤などが出現します。
初めに現れる症状は即時型のアレルギー反応と言われ、初期のかゆみの症状は数時間程度で徐々に軽快します。
また、アレルギーには遅延型というゆっくり起こるタイプもあります。
遅延型のアレルギー反応の症状は
虫に刺された1日~2日後にかゆみ、発赤、ぶつぶつ、水ぶくれなどが出現して、数日~1週間で軽快
体の免疫反応が関係しています。
これらのアレルギー反応に加えて、刺された虫の種類やその人の体質に応じて様々な症状が現れます。
関連記事:虫刺されの腫れがひどい・大きいときの対処法|どんな虫に注意すべき?
虫刺されのかゆみで注意すべき虫の種類
刺されることでかゆみを起こす、注意すべき虫の種類について解説します。
蚊

虫刺されで最も多い虫です。
刺された直後からかゆみや腫れ、赤みが起こります。
特に夏に多く、一部の蚊は感染症をもっている可能性もあるため、注意する必要があります。
ダニ

かゆみが発生するまでに数時間から数日かかることがあります。
また、一部のダニは感染症をもっていることがあるので、注意してください。
もし、皮膚にダニがくっついているのを見つけた時にはダニをつまんで無理にとらないようにしましょう。
刺されている状態でダニをつまんでしまうと、刺し口から毒素が注入されてしまいます。
そのため、ピンセットなどを使って、ダニの刺し口付近をもち、慎重に引き抜くようにしてください。
関連記事:ダニ刺され・刺された跡で悩んでいる人必見!あせもとの違いは?|症状や治療を解説
ハチ

かゆみや痛みだけでなく、強いアレルギー反応を起こす場合があります。
特に同じハチに何度も刺されてしまうと、アナフィラキシーという全身の蕁麻疹、呼吸困難などをきたす重症のアレルギー反応を起こすことがあります。
刺された後はすぐに病院を受診することが必要です。
その他にもブユ、アブ、ノミ、シラミ、ケムシなどの昆虫類、そしてクモ、ムカデなどの昆虫以外の節足動物もかゆみを起こすため注意が必要です。
アレルギー体質の人は虫刺されのかゆみが出やすい?

虫刺されのかゆみは異物によるアレルギー症状の1つです。
アレルギーの現れ方には原因となる物質とその量、個人の体質などによって決まります。
そのため、一般的にアレルギー体質の人はかゆみが出やすいと考えられます。
アレルギー体質の人は喘息やアトピー性皮膚炎などの持病がある場合や、薬、食べ物などのアレルギーがあることが多いです。
そのためアレルギーをもっている方は、虫刺されに特に注意するようにしてください。
関連記事:子どもが汗疹(あせも)になったときはどうすればいい?治し方や湿疹との違い・対策法について
蕁麻疹と虫刺されを見分ける方法

虫刺されと同じくかゆみを起こす病気として蕁麻疹があります。
蕁麻疹と虫刺されを見分ける方法について解説していきます。
皮膚の症状
虫刺されは刺された場所を中心に皮膚が盛り上がり、周辺に赤みを伴います。
一方で蕁麻疹の場合には、皮膚の複数箇所に症状があることが多く、大きさや形状は一定ではなく、不規則なことが多いです。
発症の原因がある
虫刺されは刺されたという明らかなエピソードがあることが一般的です。
しかし、蕁麻疹では食事や薬などのアレルギーの場合もありますが、明らかな原因がない場合もあります。
また症状が自然によくなることも多い病気です。
虫刺されのかゆみが止まらないときの対処法
虫刺されによるかゆみが止まらないときには医師の診察、処方を受けることが確実な治療です。
悪化する前に対処する方法もあるので、虫に刺された時の対処法と、症状がひどい時の治療法について解説します。
刺された場所の処置

虫に刺されたことに気づいた時には患部を水で洗い清潔にします。
氷嚢などを使って冷やすと痛みやかゆみを抑えることができます。
かゆみは辛い症状ですが、皮膚をかいてしまうと細菌の感染などの二次感染や症状の悪化につながるのでできるだけ避けるようにしましょう。
内服、軟膏の塗布

虫刺されの治療は、軽症なら市販のかゆみ止めの軟膏でも大丈夫です。
軽症であれば多くは1~2週間以内に改善します。
市販薬を使用しても悪化している場合や、症状がひどい場合には病院での治療がおすすめです。
赤みやかゆみに対しては抗ヒスタミン薬を内服します。
軟膏は副腎皮質ホルモン(ステロイド)の外用薬が症状を早く改善させるために有効です。
ただし、ステロイド軟膏は注意して使う必要があるので、必ず医師や薬剤師から指導を受けるようにしましょう。
なお、刺された虫によっては、治療が異なることがあるので、心配であれば早めに病院を受診するようにしてください。
関連記事:虫刺されの種類別症状は?応急処置や受診の目安を解説
虫刺されのかゆみはぶり返す可能性がある?

虫刺されによるかゆみはアレルギー反応の即時型と遅延型が影響しています。
そのため、即時型による症状が落ち着いた後に遅延型の反応が出現することがあるので、かゆみがぶり返すことがあります。
その他にも皮膚をかいてしまうなどの刺された部位への刺激や細菌による二次感染なども症状が再発する原因となります。
症状を再発させないようにするには初めに飲み薬や軟膏でしっかりと治療を行い、完治するまで続けることが大切です。
虫刺されの予防対策
辛い虫刺されのかゆみの対策には、虫に刺されないように予防することが大切です。
虫に刺されないように予防する方法について解説します。
殺虫剤や虫除け剤を使用する

室内の蚊やノミなどの駆除には燻煙殺虫剤が有効です。
野外にでる時には市販の虫除け剤が効果的です。
携帯用蚊取りや、虫除けスプレ-などを使うことである程度予防することができます。
市販のものではディートとイカリジンがあり、どちらも効果がありますが、注意点があります。
まず、皮膚にムラなく塗り伸ばすことが重要で子供にディートを使う時には、顔には使用しない。
また、生後6ヶ月未満の乳児には使用しない、2歳未満の幼児では1日1回、2歳以上12歳未満の小児では1日1~3回の使用にとどめるなどの注意点があります。
イカリジンには小児に対する使用制限はありません。
肌の露出を避ける

虫の活動が活発な時間帯や場所では、できるだけ長袖シャツ、長ズボンを着用して直接肌を露出しないようにすることがおすすめです。
まとめ
虫刺されは非常に多い症状ですが、最初の対応が適切でない場合には症状が悪化してしまう場合があります。
また虫刺されと思っていたら別の病気がみつかる場合もあります。
症状がよくならない場合や症状が強いときには、早めに病院を受診して治療を始めるようにしましょう。
参考文献
‣日本皮膚科学会/皮膚科Q&A『虫刺され』
‣第一三共ヘルスケア/くすりと健康の情報局『虫刺されの原因』
‣日本皮膚科学会『蕁麻疹診療ガイドライン2018』
‣ひまわり医院『虫刺されの腫れが治らない時は?虫刺されの薬や予防法について解説』
いんきんたむし(股部白癬)はうつるのか?原因や湿疹との見分け方について解説

陰部や太もものかゆみはを感じたことはありますか。
もしかするとその痒みは“いんきんたむし”かもしれません。
いんきんたむし(股部白癬:こぶはくせん)とは、白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が原因で起こる皮膚の感染症です。
この原因の白癬菌(はくせんきん)は、いわゆる”カビ”と同じように、高温多湿の環境を好みます。
そのため、皮膚の衛生状態が悪かったり、股のところが赤かったり痒かったりするのは、いんきんたむしが原因かもしれません。
今回はそんないんきんたむしについて詳しく解説します。
いんきんたむし(股部白癬)になる原因

いんきんたむしの原因である白癬菌というカビの一種は、ケラチンと呼ばれる皮膚の角質のタンパク質を栄養源としています。
白癬菌が発生する箇所によって名称は異なっています。
- 股の箇所で感染症を起こせばいんきんたむし(股部白癬)
 - 足で起こせば水虫(足白癬)
 - 爪で起こせば爪水虫(爪白癬)
 
と呼ばれます。
いんきんたむしになる原因は、本人に水虫があったり、家族や職場の同僚など身近な人に水虫があったりすると移ることがあります。
また、水虫を触ったその手で股を触ったり、同じタオルや足拭きマットを使用すると移る可能性が高いです。
股は通気性が悪いことや入浴の際に洗い足りないことが多いことから、カビにとっては増殖しやすい環境となっています。
特に汗をかきやすく蒸れやすい夏場にいんきんたむしになる方が多いので注意しましょう。
陰部や性器のかゆみがある時の性病について|検査や治療方法もご紹介
いんきんたむし(股部白癬)の感染経路は?人にうつる?

いんきんたむしの感染経路は主に以下の原因が考えられます。
- 水虫やいんきんたむしに罹患している人と直接接触した
 - 同じタオルなどの衣類を共有
 - いんきんたむしに感染している犬や猫を触る
 
このようなことでいんきんたむしに感染する可能性があります。
とくに男性の場合は太ももが陰嚢と接触するため通気性が悪く蒸れやすいので、白癬菌が増殖しやすい環境となりやすいです。
他人と接触する格闘技や、性行為などで感染することももちろんあります。
ただ、接触したからすぐにいんきんたむしの症状が出ることはありません。
白癬菌が皮膚で増殖し感染をおこすまでにおよそ24時間かかると言われているので、早い段階で体を洗い流し、皮膚を清潔に保つことで感染する心配はないと考えられています。
また、白癬菌はヒトだけでなく、犬や猫に感染していることもあります。
感染している犬や猫を触った後、洗い流さずにいると発症してしまう可能性がありますが、どの犬や猫に白癬菌が潜んでいるかは分かりません。
さらに、基礎疾患に糖尿病がある方は白癬菌に感染するリスクも上がると言われています。
糖尿病をお持ちの方で
- 陰部がかゆい
 - 足に赤みがある
 - 皮がむけてる
 
などの症状があれば病院受診を考慮してみてください。
いんきんたむし(股部白癬)の症状・部位

いんきんたむしに感染すると、股周辺に円形の赤い発疹や膿が出るような水ぶくれができ、徐々に拡大していきます。
特徴としては、輪を描いたように、発疹の縁のところが赤く盛り上がり、輪の内側は赤くなく普通の皮膚のように見えることです。
これは、白癬菌が栄養源であるケラチンを求めて、円を描くように周りに増殖していくために起こる特徴です(必ずしも特徴的な発疹が出るとは限りません)。
太ももの内側など皮膚が擦れやすい部位に発症することが多いですが、性器周辺やおしりの方にまで広がることもあります。
症状としては、かゆみが一番の特徴ですが、1日中かゆみを自覚する人もいれば、汗をかいたときや夜だけかゆみを感じる人もいます。
また、痛みを感じることもあります。
しかし、いんきんたむしになったからといって特徴的なにおいはありません。
もちろん、股のところにじゅくじゅくしたような傷が出来たりすれば少し臭気が漂うこともあるでしょうが、「いんきんたむし=くさい」というような1対1対応ではありません。
関連記事:毛じらみの原因や症状、肉眼での見つけ方などについて解説!放置すると危険?
いんきんたむし(股部白癬)と湿疹の見分け方

正直、見た目で見分けるのはなかなか難しいです。
典型的な見た目であれば、「おそらくいんきんたむしだろう」と分かりますが、確定するには皮膚の擦過物を採取して顕微鏡で実際に白癬菌がいるかどうかを確認することが必要となります。
医師が顕微鏡を見て、白癬菌がいればいんきんたむし、いなければ湿疹や他の病気を疑って治療方針を考えることになります。
※顕微鏡の検査は5分前後で可能な簡単な検査です。
ただ、いんきんたむしは基本的には陰茎や陰嚢には発症しないと言われているので、「陰茎や陰嚢の赤みについてはいんきんたむしでは無さそう」と考えられています。
いんきんたむし(股部白癬)は放置していい?自然治癒はする?

先程記載したとおり、白癬菌は24時間ほどで皮膚に侵入し、感染を起こします。
洗い流さずに放置しているといんきんたむしを発症してしまうので、手洗いや1日1回の入浴は忘れずに行いましょう。
いんきんたむしになってしまった場合、基本的には放置していては治りません。
感染して早い段階であれば、しっかりと皮膚の衛生状態を保つことで塗り薬など無しで治癒される人も稀にいますが、基本は抗真菌薬(カビをやっつける薬)を外用して治療していきます。
関連記事:クラミジアは男性も女性もかかる?潜伏期間や感染経路、症状や治るまでの期間について
いんきんたむし(股部白癬)の治療法は?

いんきんたむしは抗真菌薬の外用が基本的な治療になります。
確定診断に必要な顕微鏡の検査を病院受診して行い、治療を進めていきましょう。
専門は皮膚科であり、顕微鏡の検査の結果からいんきんたむしではなかった場合、湿疹や他の皮膚の病気を疑って検査、治療を進めていくことになります。
いんきんたむしの病院での治療について
いんきんたむしの治療は、抗真菌薬の外用薬が基本になります。
薬を直接患部に塗ることで、皮膚に侵食し増殖している白癬菌を死滅させることが目的です。
また、いんきんたむしと診断された人は、同時に水虫(足白癬)を併発していることもあるので、水虫の治療も並行して行われることがあります。
水虫の治療も同様に抗真菌薬の外用ですが、なかなか治らなかったり、爪白癬もあったりする場合は、抗真菌薬の内服で治療を行うこともあります。
治療期間としては、1日1回の外用を、2週間ほど継続します。
水虫を併発している場合は1ヶ月程度塗り続けることも必要と言われていますので、どちらにせよ根気強く継続することが大切です。
いんきんたむしにオロナイン等の市販薬は効く?
「オロナインH軟膏」は、昔から皮膚の赤みや傷などに使われてきた常備薬として有名で、主成分は”クロルヘキシジングルコン酸塩”という消毒に使われるものになります。
オロナインの効能効果に水虫やたむしと記載がある通り、白癬菌への一定の効果は認められています。
ただ、やはり1番は抗真菌薬の外用が効果を発揮するので、オロナインでの完治は難しいと考えた方が良いでしょう。
市販薬でもダマリングランデクリームや、ラミシールDXなど抗真菌薬は販売されています。
これらの薬はしっかり治療効果が期待されますが、顕微鏡での検査をしていない状況だと、たむしと診断がついてないのに薬を塗ることになります。
薬を塗って改善したのか、その他の要因(皮膚衛生状態の改善や生活習慣の変化など)で改善したのか判然としないこととなってしまいます。
なので、疑わしい場合は病院できちんと検査するようにしましょう。
いんきんたむしの完治や再発率は?
いんきんたむしは塗り薬を2週間程度継続すれば治るとされています。
しかし、いんきんたむしになった原因(本人が水虫ももっている、同居の家族に治療が済んでいない水虫の人がいる、など)が解決していない場合、もちろん再発の可能性が高いということになります。
いんきんたむしになった原因がはっきりすれば、そちらの解決も同時に進めるのが良いでしょう。
いんきんたむしによる痒みがひどく、掻きむしってしまった場合、皮膚の黒ずみなどが出てくることもあります。
適切に治療を行い、掻くことが減ってくればいんきんたむしによる黒ずみも皮膚のターンオーバーとともに改善します。
治療期間は、根気強く外用薬を継続、引っ掻くことで皮膚に摩擦を与えないように注意しましょう。
日頃からできるいんきんたむし(股部白癬)の予防法

いんきんたむしの予防としては、皮膚を清潔に保つことが1番大切です。
具体的には、1日1回程度の入浴またはシャワー浴で患部や全身を丁寧に洗うことです。
ただし、ナイロンタオルなどでごしごし洗いすぎるのも皮膚を傷つけてしまうため、必要以上にこすったり繰り返し洗う必要はありません。
また、人から人へ感染するので、以下のようなことが有効です。
- 共同のタオルを使用することを控える
 - 足ふきマットや衣類はこまめに取り換える
 - トイレのスリッパなどは共用しない
 - 洗濯できないものについては雑巾で水拭きし、しっかりと乾燥させる
 
また、たむしの原因にもなる水虫にならないために、銭湯やサウナなど大勢の人が利用する浴場でも注意するといいでしょう。
足ふきマットなどはどうしても共同のものを使うことになるので、入浴後にはきちんと水気を拭き取り、十分足を乾かしてから靴や靴下を履くことをおすすめします。
夏場の汗をかきやすく蒸れやすい時期にかかりやすいので、特に夏場は注意するようにしましょう。
関連記事:性器や陰部の臭い(匂い)に違和感があるときに考えられる男女別の性病の種類とは?
病院で行ういんきんたむし(股部白癬)の治療

病院受診することで自己負担少なくいんきんたむしの治療を行うことが可能になります。
いんきんたむしも水虫も、確定診断するためには顕微鏡の検査が必須です。
確定診断のあと、抗真菌薬の塗り薬をしばらく継続することで症状も改善してくると思います。
ただ、全例で顕微鏡の検査を経て確定診断をした後に治療開始をするというわけにはいかないのも現実です。
在宅医療の現場であったり、病院やクリニックによっては器具が揃っていなかったりすることもあるので、その場合は症状や所見と併せて治療開始することもあります。
その際は症状の経過を見ていき、抗真菌薬の外用で症状が改善していればそのまま継続、改善しなければ違う種類の外用薬に変更することもあります。
直接的に命に関わるような病気ではありませんが、痒み、皮膚の赤みなどのようにQOLに関わる疾患なので、早めに治療を始めることができると良いかもしれません。
まとめ
いんきんたむしはありふれた病気の1つで、主な症状は陰部のかゆみです。
白癬菌というカビが皮膚に侵入・増殖して起こる感染症で、塗り薬での治療が基本になります。
治療と同時に、いんきんたむしになってしまった原因を探し、原因を絶つこと、日常生活で家族を含む身の回りの人に移さない、移されないことが重要になります。
該当する症状がある方は、お早めに医療機関を受診されることをおすすめします。
参考文献
あたらしい皮膚科学 第3版
日本皮膚科学会ホームページ
日本皮膚科学会皮膚真菌症診療ガイドライン2019      
腹痛に即効性のある薬を選ぶポイントや飲むタイミング、頻度を解説

腹痛は誰しもが一度は経験があると思います。
胃や腸からくる痛み。
胆石や尿管結石による痛み。
女性の場合には生理痛や婦人科系の病気からくる痛み。
などと、腹痛はさまざまな原因で起こります。
原因によってどのような痛み止めが効果的なのかはそれぞれです。
今回は腹痛がある時の薬の適切な選び方や飲むタイミングや頻度について解説していきましょう。
腹痛薬の種類

腹痛の薬の種類は大きくわけて、4つあります。
痛み止め(鎮痛薬)
いわゆる、痛みを取るための鎮痛薬です。
腹痛だけではなく、頭痛薬や関節痛などのお腹の痛み以外の痛み止めとしても使用されます。
鎮痛薬はほとんどが解熱作用もあるため、解熱鎮痛薬と呼ばれることもあります。
解熱鎮痛薬には非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)とそうでないものに大きく分けることができます。
NSAIDsには以下などがあります。
・イブプロフェン(ブルフェン®)
・アスピリン(バイアスピリン®)
・ロキソプロフェン(ロキソニン®)
NSAIDsではない解熱鎮痛薬にはアセトアミノフェン(カロナール®)があります。
NSAIDsは強い鎮痛効果、即効性が期待される薬です。
抗炎症作用があるため生理痛や月経困難症による腹痛にも効果が高い薬です。
ただし、NSAIDsは胃腸障害や長期の服薬で腎機能障害を起こす可能性があります。
胃炎や胃潰瘍による腹痛や腎臓の病気がある場合には避けた方がよいでしょう。
胃腸の心配がある場合などには、カロナールがおすすめです。
カロナールはNSAIDsと比較すると鎮痛作用はマイルドですが胃腸への負担が少ないです。
子供にも比較的安全にご使用いただけます。
胃腸薬、胃粘膜保護薬
胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍は胃酸過多や胃粘膜の異常によって起こります。
胃酸分泌を抑える薬剤は以下などがあります。
・プロトンポンプ阻害薬(オメプラール®など)
・ヒスタミンH2受容体阻害薬(ガスター®など)
・選択的ムスカリン受容体(ガストロゼピン®など)
・プロスタグランジン製剤(サイトテック®など)
また、胃粘膜保護薬である防御因子増強薬(アルサルミン®やムコスタ®など)も効果的です。
整腸剤
胃腸炎などで腸内細菌叢が乱れることで痛みが出ている場合には、整腸剤を使いましょう。
腸内細菌叢を整える薬剤としてはビオフェルミン®や、ミヤBM®などがあります。
抗コリン薬
自律神経のうち、アセチルコリン(*1)を抑えることで、消化管や胆管、尿管の運動亢進を押させる薬です。
代表的な抗コリン薬であるブスコパン®は、以下を緩和する作用があります。
・胆石症
・尿管結石症
・膀胱炎
・月経困難症による腹痛、痛み
抗コリン薬は過敏性腸症候群(*2)に対しても効果的な薬で、痛みを改善させることができます。
アセチルコリン(*1)=副交感神経を亢進させる作用のある神経伝達物質
過敏性腸症候群(*2)=腸管運動が異常に亢進してしまう病気
腹痛の時に市販薬でよく使われるのが正露丸®です。
正露丸は病院で処方できる医薬品では該当のものはありません。
正露丸の主成分である木クレオソートは古くから胃腸の殺菌効果があります。
胃腸炎による下痢や腹痛を改善させる効果があると言われ市販薬として浸透しています。
関連記事:食中毒かもしれない症状を解説!うつる可能性や対処方法は?
腹痛薬の効果と副作用

腹痛薬が効果があるかどうかは、なぜ腹痛が起こっているかにもよります。
胃潰瘍などの場合には胃酸抑制薬などが効果的ですし、胆石症、尿管結石症には抗コリン薬が効果的です。
また、生理痛などでは鎮痛薬が効果的です。
副作用としては以下になります。
痛み止め(鎮痛薬)
NSAIDsの副作用は、胃潰瘍、胃腸障害、腎機能障害を起こすことがあります。
特に複数回薬を飲んだり、常用薬として使用したりする場合に起こりやすいです。
アセトアミノフェンは用量を守らず過量に服用すると肝障害を起こすことがあります。
胃腸薬、胃粘膜保護薬
プロトンポンプ阻害薬の副作用は下痢、軟便、味覚異常などです。
ヒスタミンH2受容体阻害薬も消化器症状として便秘や吐き気が起こることがあります。
頻度は高くありませんが、眠気や口の乾きなどの症状がでることもあります。
選択的ムスカリン受容体は眼内圧上昇を起こす可能性があるため、緑内障の既往がある患者さんは使用できません。
また排尿困難を起こすこともあるため、前立腺肥大症がある患者さんにも使用できません。
プロスタグランジン製剤では出血傾向になることがあります。
不整脈などの治療のために抗凝固薬を飲んでいる患者さんには特に注意が必要です。
整腸剤
ビオフェルミンや、ミヤBMなどの整腸剤は、薬に対する過敏症以外には大きな副作用はあまりありません。
抗コリン薬
抗コリン薬は口の乾き、便秘、頻脈などが起こりやすくなります。
高齢の患者さんではせん妄のリスクとなるため、使用する際には注意が必要です。
眼圧上昇や散瞳(さんどう)(*1)を起こす可能性もあるため、閉塞性緑内障の既往がある患者さんには使用できません。
尿閉を起こす可能性もあるため、前立腺肥大症がある患者さんにも使用できません。
散瞳(*1)=ひとみ(瞳孔)が大きくなった状態
症状にあった腹痛薬の選び方

痛みの程度というよりも、痛みの原因によって合う腹痛薬を選ぶことが大切です。
痛みそのものを改善させるには、痛み止めが一番効果的です。
痛みとともに胃のもたれた感じがある場合には胃炎・胃潰瘍などからくる症状である可能性が高いです。
胃炎・胃潰瘍などからくる痛みにはNSAIDSは使えません。
胃の痛みがある場合にはアセトアミノフェンが良いでしょう。
胃酸分泌を抑えるガスター®などの胃腸薬も薬局などで手に入りますので、試してみても良いかもしれませんね。
整腸剤は腹痛と下痢などの消化器症状がある場合がおすすめです。
整腸剤も薬局でお求めいただけます。
抗コリン薬は緑内障や前立腺肥大症がある方には使えないなどの注意点があります。
市販薬としてブスコパン®などが薬局でも手に入りますが、すでに緑内障や前立腺肥大の指摘がある場合には自己判断で使うのは控えましょう。
関連記事:【急な腹痛】虫垂炎が起こる原因や症状について|自然治癒するの?
腹痛薬が効かない時の原因と対処法

腹痛薬が効かない時の原因としては、腹痛の原因が正しく判断できていないことが考えられます。
胃のけいれんによる痛みだと思っていたら、胃潰瘍だったなどの場合には正しい薬の処方が必要になります。
腹痛薬を使ってみて症状が改善しない場合や悪化傾向である場合には必ず病院で相談しましょう。
腹痛薬の正しい飲み方:タイミングや頻度について

腹痛薬の種類によってですが、ほとんどの製剤が、痛みがある時にその都度使っていただくものになります。
食後に飲んだ方が良いと記載がありますが、痛みがあって食事などが取れない場合には食事とは関係なく服薬していただいてもよいでしょう。
効果がないからといって用量用法に書いてある以上に飲んでしまうと、副作用がでる可能性があります。
通常は4-6時間程度時間をあけて使用しましょう。
関連記事:腹痛と頭痛が同時に起こる病気は?自律神経失調症の恐れあり
子供向けの腹痛薬は?

子供向けの腹痛薬としては、痛み止めはアセトアミノフェンが良いでしょう。
市販薬ですと小児用バファリンCII®や、ムヒのこども解熱鎮痛顆粒®などいくつか種類があります。
成分がアセトアミノフェンのものを選びましょう。
子供に使用する薬は、できれば余計な成分が入っていない方が安全です。
市販薬を使う際には薬局の薬剤師に相談すると良いでしょう。
病院では、粉薬や錠剤以外にも、座薬を処方することができます。
痛みで飲むことができない場合などには重宝するでしょう。
整腸剤としては、市販のもので新ビオフェルミン®S細粒があり、生後3ヶ月から使うことができます。
また、便秘による腹痛の場合では、便秘薬として酸化マグネシウムE便秘薬®があり、5歳以上から使うことができます。
いずれも使用量が成人と異なりますので、使用する際には用量用法の説明書をよく読んで使いましょう。
抗コリン薬は副作用が起こりやすいため、子供では市販薬として使われることはほぼありません。
腹痛薬の飲み過ぎによる危険?

腹痛薬のうち、鎮痛薬のアセトアミノフェンは比較的安全な薬で子供にも使用可能です。
しかし、効果がないからといって規定の量以上使ったり、決められた間隔をあけずに服薬すると過量服薬により以下を起こすリスクがあります。
- 肝障害
 - 腎臓や心筋の壊死
 
成人の場合には1日4,000mgを上限として設けています。
用量用法は守りましょう。
関連記事:腹痛と下痢が続くのはどんな病気?脱水症状に注意しよう
まとめ
今回は腹痛がある時の薬の適切な選び方や飲むタイミングや頻度について解説しました。
腹痛と一言でいってもさまざまな原因が考えられ、症状に合わせた薬選びが大切です。
どの薬を飲んでいいかわからないときは自己判断せず、医者や薬剤師に相談しましょう。
参考文献
厚生労働省「市販の解熱鎮痛薬の選び方」
Minds ガイドラインライブラリ「EBMに基づく 胃潰瘍診療ガイドライン 一般用改訂版」
Ataka K, Ito M, Shibata T「New views on antidiarrheal effect of wood creosote: is wood creosote really a gastrointestinal antiseptic?」Yakugaku Zasshi. 2005 Dec;125(12):937-50. Japanese. doi: 10.1248/yakushi.125.937. PMID: 16327239.
日経メディカル「処方薬事典」
PMDA「日本薬局方 アセトアミノフェン」