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舌下免疫療法の費用はいくら?トータルコストと対症療法との比較
「毎年花粉症の薬やグッズにお金をかけているけれど、根本的に治す方法はないのだろうか?」そんな悩みをお持ちの方に注目されているのが、舌下免疫療法です。
舌下免疫療法は、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を少量ずつ体に取り入れることで、アレルギー反応そのものを起こしにくい体質へと改善していく、いわば「根本治療」です。
現在、スギ花粉症とダニアレルギー性鼻炎の2種類に対して保険適用で治療が受けられます。
「興味はあるけれど、費用がどれくらいかかるのかわからなくて踏み出せない…」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、舌下免疫療法にかかるトータルコストを1ヶ月目から5年間まで段階ごとにわかりやすく解説し、毎年かかる対症療法の費用と比較します。
お子さまの場合に利用できる医療費助成制度についてもご紹介しますので、ぜひ治療を始める判断材料にしてみてください。
Contents
舌下免疫療法の費用はいくら?
舌下免疫療法は保険適用の治療です。
自費ではなく、健康保険の3割負担(または1割・2割負担)で受けることができます。
ここでは、3割負担の場合を基準に、治療開始から各段階でかかる費用の目安を見ていきましょう。
初回(1ヶ月目)の費用
初回は、まずアレルギーの原因を特定するための血液検査(アレルギー検査)が必要です。
スギ花粉やダニに対する抗体があるかどうかを確認し、治療の対象であることを診断します。
検査の項目数にもよりますが、血液検査の費用は2,500〜4,800円程度(3割負担)です。
すでに他院で検査を受けていて結果をお持ちであれば、この検査を省略できる場合もあります。
検査でスギ花粉症またはダニアレルギーが確認された後は、初回の投薬を院内で行います。
副作用の有無を確認するため、投薬後30分程度は院内で経過を観察する必要があります。
初回費用の目安(3割負担):約4,000〜5,000円(検査費用+初診料+薬代込み)
2ヶ月目以降の費用
2回目以降は月に1回の通院で、医師の診察を受けた上で次の1ヶ月分のお薬を処方してもらいます。
費用の内訳としては、クリニックでの再診料・処方料と、薬局でのお薬代です。
代表的な治療薬であるシダキュア(スギ花粉用)の場合、薬価は1錠146.1円で、3割負担だと1錠あたり約50円です。
| 費用項目 | 金額の目安(3割負担) |
| クリニック(再診料・処方料など) | 約700〜1,000円 |
| 薬局(調剤料+薬代) | 約1,500〜2,000円 |
| 1ヶ月あたりの合計 | 約2,000〜3,000円 |
スギ花粉症の方はシダキュア、ダニアレルギーの方はミティキュアという薬が処方されます。
ダニアレルギー用のミティキュアの方がやや薬価が高いため、月額の自己負担額が若干上がる傾向にあります。
3年間継続した場合のトータルコスト
舌下免疫療法は、効果を得るために最低3年間の継続が推奨されています。
3年間のトータルコストの概算は以下のとおりです。
| 期間 | 費用の目安 | 備考 |
| 初回(1ヶ月目) | 約4,000〜5,000円 | 検査費用含む |
| 2ヶ月目〜36ヶ月目(35ヶ月) | 約70,000〜105,000円 | 月2,000〜3,000円×35ヶ月 |
| 3年間の合計 | 約74,000〜110,000円 | 年間約25,000〜37,000円 |
年間に換算すると約25,000〜37,000円、月あたりでは2,000〜3,000円程度で、毎月の負担としては比較的抑えられた金額です
5年間継続した場合のトータルコスト
3年間で効果を感じた方には、さらに4〜5年の継続が推奨されます。
長く続けるほど効果が安定し、治療終了後も長期にわたって症状を抑えやすくなるためです。
| 期間 | トータル費用の目安(3割負担) |
| 3年間 | 約74,000〜110,000円 |
| 5年間 | 約120,000〜180,000円 |
5年間続けた場合のトータルコストは約12〜18万円が目安です。
月々に直すと2,000〜3,000円ですので、1日あたりに換算するとおよそ70〜100円程度。
缶ジュース1本分に満たない金額で根本治療に取り組めると考えると、決して高いものではありません。
関連記事:【舌下免疫療法】花粉症への効果は一生続く?費用やデメリットも解説
舌下免疫療法と対症療法の費用を比較
舌下免疫療法にはまとまった費用がかかりますが、そもそも花粉症の対症療法にも毎年コストが発生しています。ここでは、一般的な花粉症対策にかかる年間コストと舌下免疫療法を比較してみましょう。
花粉症の予防・対策にかかる年間コスト
花粉症に悩む方を対象にした調査によると、花粉症対策にかける月額費用の平均は約2,785円という結果が出ています。
マスク、市販薬、目薬、点鼻薬などを組み合わせると、1シーズン(約3ヶ月)で8,000〜15,000円程度のコストになることが一般的です。
さらに、病院を受診して処方薬をもらう場合は、診察料と薬代を合わせて月2,500円〜がかかります。
シーズンを通じて複数回の受診をすると、1シーズンの費用は1万〜2万円以上にのぼるケースもあります。
| 対策方法 | 月額の目安 | 年間コスト | 10年間の累計 |
| 市販薬+グッズ中心 | 約2,000〜5,000円 | 約6,000〜15,000円 | 約60,000〜150,000円 |
| 通院+処方薬中心 | 約2,500〜5,000円 | 約10,000〜20,000円 | 約100,000〜200,000円 |
| 舌下免疫療法(3〜5年) | 約2,000〜3,000円 | 約25,000〜37,000円 | 約120,000〜180,000円 |
※舌下免疫療法の10年累計は治療期間5年+治療終了後5年(治療費ゼロ)の合計です。対症療法は毎年継続することを前提としています。
長い目で見るとどちらがオトク?
舌下免疫療法は3〜5年の治療期間中はコストがかかりますが、治療を終えた後は薬が不要になったり、大幅に減薬できたりする可能性があります。
つまり、治療終了後はそれまで毎年かかっていた対症療法のコストがゼロまたは大幅に減るのです。
たとえば、対症療法で年間15,000円のコストが10年間かかり続けた場合、累計で15万円になります。
一方、舌下免疫療法は5年間で約15万円を投じた後、残りの5年間は治療費がほぼゼロです。
この時点で同程度ですが、舌下免疫療法の効果が治療終了後も数年〜それ以上持続するケースが多く報告されていることを考えると、長期的には舌下免疫療法の方がコストパフォーマンスに優れているといえるでしょう。
治療期間中の月々の負担は対症療法とほぼ同程度でありながら、治療終了後は「出費ゼロ」の可能性があるのが舌下免疫療法の大きなメリットです。
子どもの舌下免疫療法にかかる費用
舌下免疫療法は5歳以上のお子さまから受けることができます。
お子さまの場合、「こども医療費助成制度」を活用することで、自己負担額を大幅に軽減できる可能性があります。
千葉市のこども医療費助成制度
千葉市では、令和6年8月診療分から、こども医療費助成制度の対象年齢が高校3年生相当(18歳に達する日以後の最初の3月31日まで)まで拡大されました。
また、小学4年生以上の通院にかかる保護者負担額も1回300円に引き下げられています。
| 対象区分 | 通院1回あたりの自己負担 | 薬局(調剤) |
| 0歳〜小学3年生 | 300円 | 300円(※) |
| 小学4年生〜高校3年生相当 | 300円 | 300円(※) |
| 第3子以降 / 住民税非課税世帯 | 無料 | 無料 |
※同月・同医療機関で通院6回目以降は無料になります。月額上限制度が設けられています。
つまり、千葉市にお住まいのお子さまが舌下免疫療法を受ける場合、1回の通院で最大600円(診察300円+調剤300円)程度の自己負担で済む可能性があります。
第3子以降や住民税非課税世帯の場合は無料です。大人の場合は月2,000〜3,000円かかるところが、お子さまなら大幅に抑えられるのは大きなメリットです。
他の自治体との違い
こども医療費助成制度は全国の自治体で実施されていますが、対象年齢や自己負担額は自治体ごとに異なります。
千葉県内でも、自己負担が0円の自治体や200円の自治体など、市町村によって違いがあります。
たとえば、松戸市や市川市なども高校3年生相当まで助成対象としていますが、自己負担額の設定は自治体ごとに異なります。
完全無料化を実施している自治体もあれば、一定の負担を求める自治体もあります。
お住まいの地域の制度を事前に確認しておくことが大切です。
お子さまの舌下免疫療法を検討されている方は、お住まいの市区町村の窓口やホームページで最新情報を確認されることをおすすめします。
関連記事:舌下免疫療法は子供でも受けられる?最適な開始時期と注意点を解説
舌下免疫療法の費用対効果
舌下免疫療法は3〜5年という長期の治療期間と一定の費用がかかりますが、その「投資」に見合う効果が期待できるのでしょうか。
ここでは、費用対効果の観点からそのメリットを解説します。
薬や通院を減らせる
複数の臨床データや患者調査において、舌下免疫療法を受けた方のおよそ80%が「症状がなくなった」「以前より症状が改善した」と自覚したことが報告されています。
その内訳としては、約20%の方が完治(薬が不要に)、約30%が大幅に改善、約30%がある程度の改善を実感しています。
治療2年目には、91%の方が対症療法の薬を減らすことができたという調査結果もあります。
花粉シーズンに毎回必要だった通院や薬の費用が減ることで、治療終了後のトータルコストは大きく下がる可能性があります。
ただし、すべての方に効果があるわけではなく、10〜20%の方は十分な効果を感じられないケースもあります。
治療前に効果を予測する方法は確立されていないため、この点は理解した上で治療に臨むことが大切です。
仕事や勉強のパフォーマンス向上
花粉症の症状は、鼻水やくしゃみだけにとどまりません。
鼻づまりによる頭のボーっとする感覚、睡眠の質の低下、集中力や判断力の低下など、日常生活のパフォーマンスに大きな影響を与えます。
また、花粉症の対症療法に使われる抗ヒスタミン薬には「眠気」という副作用があるものが多く、仕事中の眠気や運転時の集中力低下の原因となることもあります。
第二世代の抗ヒスタミン薬は眠気が出にくいとされていますが、それでも個人差があります。
舌下免疫療法によって花粉症の症状そのものが軽減すれば、対症療法の薬を減らしたり不要にしたりすることができます。
これにより、薬の副作用である眠気からも解放され、仕事や勉強のパフォーマンスが向上する可能性があります。
花粉症シーズンの生産性低下による経済的損失を考えると、舌下免疫療法は「自分への投資」とも言えます。
新たなアレルギー発症の予防
舌下免疫療法には、もうひとつ見逃せないメリットがあります。
治療を受けていない人と比べて、将来的に他の花粉やアレルゲンに対して新たにアレルギーが発症する可能性が低くなるという報告がされています。
特にお子さまの場合、早い段階で免疫療法を開始することで、アレルギーの進展(アレルギーマーチ)を予防できる可能性も指摘されています。
これは金額に換算しにくいメリットですが、長い人生を考えると非常に大きな価値があるといえます。
千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックでできること
千葉内科在宅・美容皮膚科クリニック(千葉市稲毛区)では、アレルギー・花粉症/舌下免疫療法外来を設けており、舌下免疫療法(シダキュア・ミティキュア)に対応しています。
当院では、まず問診や血液検査によって、アレルギーの原因物質を正確に特定します。
スギ花粉やダニ以外のアレルギーの有無も同時に確認できるため、総合的な治療方針をご提案することが可能です。
舌下免疫療法が初めての方も、以前に他院で治療を受けていた方も安心してご相談いただけます。
初回の投薬は院内で行い、副作用の有無を確認した上で、2回目以降はご自宅で毎日服用していただく流れです。
また、花粉症シーズン中の症状がつらい場合には、症状に合わせた薬の処方も行っています。舌下免疫療法は花粉の飛散が落ち着く6月頃から開始できますので、まずはお気軽にご相談ください。
当院では一般内科、小児科の診療も行っており、お子さまの舌下免疫療法にも対応しています。
千葉市のこども医療費助成制度を利用すれば、お子さまの治療費負担を大幅に軽減できます。
駐車場を完備しており、お車での通院にも便利です。WEB予約にも対応していますので、ご都合に合わせてご予約いただけます。
まとめ
対症療法と比較すると、舌下免疫療法は治療期間中のコストはほぼ同等で、治療終了後は薬や通院が不要になったり大幅に減ったりする可能性があります。
花粉症シーズンに毎年つらい思いをしながら対策費を払い続けることを考えると、3〜5年の「根本治療への投資」には大きな価値があるといえるでしょう。
特にお子さまの場合は、こども医療費助成制度を活用することで費用負担を大幅に抑えられます。
花粉症の症状が気になり始めたお子さまには、早めの治療開始をご検討されてみてはいかがでしょうか。
花粉症の根本治療に興味をお持ちの方は、ぜひ千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックにご相談ください。
患者さまお一人おひとりの症状やライフスタイルに合わせた治療プランをご提案いたします。
※本記事の情報は2025年時点のものであり、診療報酬改定等により費用が変動する場合があります。実際の費用は医療機関にてご確認ください。
※すべての方に同じ効果が得られるわけではありません。治療の適応や効果には個人差があります。

千葉内科在宅・美容皮膚科クリニック 院長 辺土名 盛之(へんとな もりゆき)
経歴
- 三重大学医学部医学科 卒業
- 四日市羽津医療センター
- 西春内科・在宅クリニック
- 千葉内科在宅・美容皮膚科クリニック院長