BLOGブログ
微熱・頭痛・倦怠感が続くときの正しい対処法と受診のタイミング
「微熱・頭痛・倦怠感」は誰にでも起こり得る一般的な症状です。
多くは一時的な疲労やストレス、かぜ様症状で自然に改善しますが、感染症(新型コロナ・インフルエンザ等)や、貧血・甲状腺疾患・更年期などの病気のサインのこともあります。
本記事では、微熱・頭痛・倦怠感が続くときに考えられる主な疾患や受診の目安などを解説。
よくある症状だからと放置せず、「経過観察でよいのか/いつ受診すべきか」を冷静に判断しましょう。
なお、体温は個人差があり一定ではありません(一般的に日本では37.0~37.4℃の範囲で微熱とみなされることが多く、“微熱”に明確な医学的定義はありません)。
Contents
微熱・頭痛・倦怠感が続くときに考えられる主な原因
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
発熱・頭痛・倦怠感は新型コロナでよくみられる症状です。
体調に異変を感じ、症状悪化傾向な場合は自宅で市販の抗原定性検査キットでセルフチェックをするか、基礎疾患がある方や高齢者・妊婦・乳児など重症化リスクが高い方や症状が強い方は医療機関へ相談・受診をしましょう。
自治体の受診・相談センターでも案内が受けられます。
※COVID-19に罹患後、倦怠感や頭痛が長引く「罹患後症状(いわゆる後遺症)」が続く場合があります。最新の診療ガイドラインや論文でも倦怠感・頭痛が代表的な症状として記載されています。
インフルエンザ
インフルエンザは、急な発熱・全身倦怠感・頭痛・激しい咽頭痛などの感冒様症状が現れます。
発症から48時間以内に抗インフルエンザ薬を開始すると、発熱期間短縮や全身状態の改善などの効果が期待できます。
片頭痛・緊張型頭痛など一次性頭痛
頭痛そのものが主で、微熱や倦怠感を伴うことがあります。
“危険な二次性頭痛”を除外することが最優先です。
以下などは救急外来受診の受診が推奨されます。
- 雷鳴頭痛(雷に打たれたような激しい頭痛で1分以内に痛みピークに達します。)
- 神経脱落症状(ろれつが回らない・片麻痺等)
- いつもと違う激しい頭痛
自律神経の不調
自律神経の不調(起立性調節障害や自律神経失調症など)で、めまい・立ちくらみやだるさ、頭痛などの症状が現れることがあります。
思春期に多いですが成人でも自律神経の乱れで似た不調が続くことがあります。
長引く場合は内科を受診しましょう。
更年期関連
閉経前後の10年間は、更年期のホルモン変動に伴い倦怠感・睡眠障害・頭痛・のぼせなど多彩な症状が現れることがあります。
つらい症状は婦人科を受診し、ホルモン補充療法や漢方薬治療での治療が推奨されます。
貧血・甲状腺疾患ほか
鉄欠乏性貧血は疲労感・集中力低下・頭痛の原因になります。
甲状腺炎では発熱や全身倦怠感が出ることがあります(亜急性甲状腺炎など)。
髄膜炎・脳炎など重篤な病気
以下などの症状に該当する場合、救急外来受診が必要です。
- 強い頭痛+発熱+首の硬さ(項部硬直)
- 意識障害
- けいれん
- 紫斑(点状出血)
「おかしい」と感じた場合、救急車を要請してください。
関連記事:熱が上がったり下がったりする原因や対処法を大人と子供に分けて解説
関連記事:倦怠感があるのに熱はなし?どんな病気が考えられる?
「微熱・頭痛・倦怠感」の受診目安
経過観察できるケース
以下に該当するケースでは自宅で経過観察していただいて問題ありません。
ただし、症状が1週間経過してもよくならない、悪化したといった場合はかかりつけ医やお近くの医療機関を受診しましょう。
- 体温が軽度の上昇(微熱)で水分・食事がとれている
- 息苦しさや意識障害、激しい頭痛、持続する高熱がない
- 2–3日で改善傾向がある
→自宅で休養・水分補給・症状記録(後述)で様子見。
受診を検討すべきケース
以下のケースでは医療機関の受診を検討してください。
通常の風邪と思われる症状であっても感染症や治療が必要なケースもあります。
- 発熱や倦怠感・頭痛が数日間改善しない/悪化している場合
- 流行期でインフルエンザが疑われ、発症から48時間以内(抗ウイルス薬適応判断のため)
- 乳児・妊娠中・高齢・持病がある・免疫が低下している
- 新型コロナウイルス抗原検査が陽性/陰性でも症状が強い・心配が大きい
→かかりつけ医や近隣の医療機関に連絡し、受診方法を確認しましょう。
すぐに医療機関を受診(救急含む)すべきケース
以下のケースでは早急に医療機関の受診が必要です。
場合によっては救急車要請が必要となる場合もあります。
- 突然の激しい頭痛(雷鳴頭痛)、ろれつ困難・片麻痺などの神経症状
- 首の硬さ、けいれん、意識混濁、紫斑を伴う発熱・頭痛
- 呼吸が苦しい、ぐったりして水分が取れない、急速な悪化
判断に迷った場合、全国の救急相談「#7119」にも相談してみましょう。
関連記事:後頭部頭痛の原因は?ズキズキとした痛みや吐き気は危険?
微熱・頭痛・倦怠感があるときのセルフケア
休養と睡眠
無理をせず横になって休むことが基本です。
短時間の昼寝や就寝前のスマホの使用を控えることも効果的です。
水分補給と栄養
こまめな水分補給(経口補水液・スープ等)と、消化にやさしい食事を心がけましょう。
インフルエンザ等の発熱時にも水分は重要です。
市販薬を使うときの注意点
複数の解熱鎮痛薬・総合感冒薬の併用は成分が重複して過量になる可能性があるため避けてください。
アセトアミノフェン等を含む薬の重複しての内服は肝障害の原因になるため、服用前に必ずラベルで成分を確認してください。
妊娠中・基礎疾患のある方、アレルギー歴のある方は服用前に薬剤師へ相談しましょう。
市販薬を服用しても症状が改善しない・悪化する場合は中止して受診してください。
症状のモニタリング
1日2~3回の体温、頭痛の強さ・内服・水分量をメモしておくことで受診時に医師への相談に活用できます。
関連記事:アセトアミノフェンの重大な副作用とは?効果と併せて解説
関連記事:頭痛薬が効かないときの対処法|飲みすぎると危険な理由も解説
微熱・頭痛・倦怠感で受診するときの診療科の選び方
微熱・頭痛・倦怠感の症状が続く場合、まずは内科(発熱対応可の外来)を受診しましょう。
必要に応じて検査(インフル/コロナ検査、採血等)を行い、頭痛が主で“危険サイン”があれば脳神経内科・救急外来の紹介を受けてください。
つらい更年期症状が疑われる場合は婦人科、貧血が疑われる場合は内科で相談しましょう。
近隣の医療機関検索は厚労省・都道府県の「医療情報ネット」で条件検索できます。
千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックでできる対応
千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックでは、内科・発熱での初期評価(必要な検査の選定、薬の処方)、長引く倦怠感・頭痛の原因探索(貧血・甲状腺・炎症の採血など)、片頭痛・緊張型頭痛の再発予防指導を行っています。
「微熱・頭痛・倦怠感が続く」「受診タイミングに迷う」ときは、まずはお気軽にご相談ください。
地域の医療機関とも連携し、救急が必要なサインの見極め・適切な紹介まで丁寧にサポートします。
まとめ
微熱・頭痛・倦怠感が続く場合、新型コロナやインフルエンザなどの感染症から髄膜炎や脳炎などの救急車要請が必要なケースなどさまざまな原因が考えられます。
症状が数日経っても改善されない場合や悪化している場合などにはかかりつけ医や近隣の医療機関を受診してください。
意識障害やけいれん、ろれつが回らない、呼吸困難などの症状がある場合はためらわず救急車を要請しましょう。
判断に悩む場合、当クリニックへご相談いただくか、全国救急ダイヤル「#7119」へご相んだください。
参考文献