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ヘルパンギーナとは?症状や潜伏期間について徹底解説

ヘルパンギーナという病気をご存じでしょうか?
お子様がかかりやすい感染症で、高熱や口内の水疱といった特徴的な症状があります。
本記事ではヘルパンギーナの主な症状や感染経路、保育園を休むべき日数などについて解説してます。
Contents
ヘルパンギーナとは?

ヘルパンギーナは夏によく見られる子どもの感染症で、「夏風邪」の代表的な病気です。
主にコクサッキーウイルスA群が原因です。
乳幼児がかかりやすいですが、大人にも感染することがあります。
ヘルパンギーナの症状

高熱
突然、38℃~40℃ほどの高熱が出ます。
高熱は1~3日程度つづきます。
口内の水疱
高熱と同時に、若しくは少し遅れて、口の中に水疱が現れます。
水疱は2〜3日でつぶれて黄色い潰瘍になります。
喉の痛み
のどの奥の粘膜が赤くなります。
喉の上側に直径1mm〜5mm程度の発疹が見られます。
2〜3日でつぶれて黄色い潰瘍になり、激しい痛みを伴います。
頭痛
発熱とともに頭が痛くなることがあります。
頭痛や嘔吐・高熱が続く場合は、髄膜炎、脳炎を合併しているケースがあるため、小児科を受診しましょう。
倦怠感
全身にだるさや疲れを感じます。
倦怠感から食事や水分を十分にとらず、脱水になることもあるので注意が必要です。
関節痛・筋肉痛
関節や筋肉が痛むことがあります。
大人に感染してしまった場合、より強く症状が出ることがあるようです。
下痢
お腹が痛くなったり、下痢をすることもあります。
特に注意したいのは、喉の痛みが強く、食事や水分が取れなくなり、脱水症状を引き起こすことです。
症状が強い場合は、病院受診後であっても再度医師へ相談しましょう。
ヘルパンギーナと手足口病の違い
ヘルパンギーナは手足口病と症状が似ています。
違いを以下の表にまとめました。
ヘルパンギーナ | 手足口病 | |
症状 | ・発熱 ・口腔内後方の水疱 | ・手足の水疱 ・口腔内前方の水疱 |
原因ウイルス | ・コクサッキーウイルスA群 (2~6型、8型、10型) | ・コクサッキーウイルスA群 (6型、10型、16型) ・エンテロウイルス71型 など |
発症しやすい年齢層 | 乳幼児(特に1歳) | 乳幼児 |
発熱 | 39℃以上の高熱 | 軽度の発熱(38℃以下)が約30%にみられる |
水疱 | 口腔内後方 | ・口腔内前方 ・手掌 ・足底 など |
口腔内に水疱ができるという点では、共通していますが、発熱の仕方や手足の水疱でヘルパンギーナと手足口病を判断することができます。
また、どちらも保育園や幼稚園など、人の集まる場所での感染くなります。
ヘルパンギーナを疑う初期症状は?

初期症状では散在性の白色あるいは灰白色の丘疹、後に浅い潰瘍が出現します。
発疹は1~2mm程度の小さなもので、10個前後とさほど多くはありませんが、かなり激しく痛みます。
ヘルパンギーナはどうやってうつる?

飛沫感染
感染者が咳やくしゃみをすると、ウイルスが含まれたしぶきが飛び散ります。
これらのしぶきが口や鼻、目などの粘膜に入ることで感染します。
経口・接触感染
水疱の内容物や排便されたウイルスが手などを介して口や目といった粘膜に入り込むことで感染します。
ヘルパンギーナの潜伏期間

潜伏期間
感染してから発症するまでの時間は3〜6日間です。
発症時の症状
39℃以上の高熱が1〜3日間続きます。
口内の変化
のどが赤く腫れ、小さな水疱がたくさんできます。
水疱の変化
水疱は2〜3日でつぶれて黄色い潰瘍になります。
食事・飲み物の摂取
のどの痛みが強く、食事や飲み物を受けつけなくなることがあります。
そのため、脱水症状を起こす可能性があるので注意しましょう。
大人がヘルパンギーナに感染するとどうなる?

大人がかかると子どもよりも症状が重くなりがちで、高熱や強いのどの痛みに加えて、筋肉痛や関節痛が強く出ることがあります。
症状が続く期間も長くなる傾向があります。
ヘルパンギーナに感染したら保育園は何日休む?

登園・登校の基準
ヘルパンギーナには明確な出席停止期間がありません。
登園・登校の可否は、本人の状態に応じて決められます。
ほとんどが軽症であるため、規制はありません。
保育所の対策ガイドライン
厚生労働省のガイドラインによれば、登園・登校の目安は「発熱や口腔の水疱・腫瘍の影響がなく、普段の食事がとれること」です。
学校保健安全法の指定
学校保健安全法では、ヘルパンギーナが「第三種学校伝染病」として指定されています。
急性期は出席停止とされ、治癒期は全身状態が改善すれば登校可能です。
症状の期間と経過
一般的に、ヘルパンギーナに感染しても熱は2〜3日程度で下がり、症状が改善して普段通りの食事ができるようになるまで、おおよそ数日から1週間かかります。
しかし、ウイルスは1ヵ月ほど便中に排泄されるため、おむつ替えの際には注意が必要です。
千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックでできる対応
千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックでは小児科の診療にも対応しており、ヘルパンギーナの診察も可能です。
ヘルパンギーナは主に症状を緩和させるための治療を中心に行います。
あまりにも熱が高く、水分も取れない状態であればしっかりと診察し、医師による判断で解熱剤をお出しすることも可能です。
症状に合わせた処方を行いますので、お気軽にご相談ください。
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ヘルパンギーナのまとめ
ヘルパンギーナはウイルス性の病気で、特に大人に感染した場合は子どもより症状が強く出てしまいます。
非常に高い病気なので、感染力がご本人が治った後も十分に注意してください。
千葉内科在宅・美容皮膚科クリニック 院長 辺土名 盛之(へんとな もりゆき)
経歴
- 三重大学医学部医学科 卒業
- 四日市羽津医療センター
- 西春内科・在宅クリニック
- 千葉内科在宅・美容皮膚科クリニック院長