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ホスピスとは?入院の条件は?

こんにちは!千葉内科・在宅クリニック院長の辺土名(へんとな)です。

以前、公開したコラムで緩和ケアや緩和ケアとホスピスの違いなどについて解説しました。

今回はホスピスにだけ焦点を当てて、ホスピスの概要や、どんなケアが受けられるか、入院条件などについて詳しく解説していきます。

ホスピスとは?

ホスピスケアは、余命が限られている患者様とそのご家族様に対して、質の高い生活を提供することを目指しています。

このケアの中心には、痛みや不快な症状を最小限に抑え、患者様が最後の時を尊厳を持って過ごせるよう支援するという思いがあります。

ホスピスケアの基本原則

総合的なサポート
ホスピスケアは、身体的な痛みだけでなく、心理的、社会的、スピリチュアルな苦痛にも対応します。患者様一人ひとりのニーズに応じたケアを提供することが大切です。

家族への支援
患者様だけでなく、そのご家族様もケアの対象です。
家族が患者様を支える上で必要な情報提供や心のケアを行います。

在宅ケアの推進
可能であれば、患者様が自宅で過ごせるように支援します。
環境が患者様にとって快適であることが、生活の質(QOL=Quality of life)を高める重要な要素です。

積極的な症状管理
痛みや息苦しさなどの症状を効果的に管理し、患者様が苦痛を感じることなく過ごせるよう努めます

ホスピスケアの適用時期

ホスピスケアは、治療目的の医療から快適さを重視するケアへと移行する時期、すなわち、医師から余命が約6ヶ月以内と予測された患者様に推奨されます。

しかし、この適用時期は患者様やご家族様のニーズによって前後することがあります。

ホスピスケアの利点

痛みと苦痛の軽減
症状の管理により、患者様ができるだけ快適に過ごせるよう支援します。

心の平安
心理的な支援や霊的なケアにより、患者様とご家族様が心の平安を得られるよう努めます。

生活の質(QOL)の向上
患者様の希望に沿ったケアを提供することで、生活の質を向上させます。

ホスピスケアの提供形態

ホスピスケアは、在宅ホスピス、ホスピス専門施設、病院内ホスピスなど、患者様の状態や希望に応じて様々な形で提供されます。

関連記事:緩和ケアとホスピスの違いとは?

ホスピスはどんな人が入所する?

末期がん患者
治療可能性のない進行がんで、積極的な治療を望まない、または積極的な治療が可能な限界に達した患者様。

進行性の非がん性疾患患者
重度の心不全、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、進行性の神経変性疾患(例:エイミー・ルー・ゲーリック病(ALS))、末期の腎不全など、治療の選択肢が限られているか、治療による改善が見込めない疾患の患者様。

重度の認知症患者
高度に進行したアルツハイマー病や他の認知症で、日常生活の自立が困難で、介護の必要性が高い患者様。

ホスピスではどんなケアが受けられる?

症状の管理

ホスピスケアの最も重要な側面の一つは、痛みや息苦しさ、吐き気、便秘など、患者様が経験する可能性のある不快な症状を管理することです。

これらの症状は、患者様の生活の質を著しく低下させるため、適切な症状管理は非常に重要です。

心理社会的サポート

ホスピスチームには、社会福祉士やカウンセラーが含まれており、患者様やご家族様の心理的、社会的なニーズに対応します。

不安、うつ、孤独感など、終末期に直面する心理的な課題をサポートし、患者様とご家族様がこの困難な時期を乗り越えられるよう支援します。

スピリチュアルケア

多くの患者様にとって、病気と向き合う過程で霊的な問題や疑問が生じます。

ホスピスチームのスピリチュアルケアの担当者は、患者様がこれらの問題に取り組み、平和を見つけるためのサポートを提供します。

介護者支援

ホスピスケアは、患者様だけでなく、その家族や介護者もサポートの対象とします。

介護の負担、悲嘆のプロセス、そして患者様の看護に関する教育を提供し、介護者がこの過程をできるだけスムーズに進められるよう支援します。

生活の質の向上

ホスピスケアの目的は、患者様が残された時間を可能な限り快適に、そして意味のあるものとして過ごせるようにすることです。

これには、好きな活動への参加やご家族様との時間を大切にすることも含まれます。

関連記事:緩和ケアと言われたら平均余命はどれくらい?対象はどんな人?

ホスピスの入院条件は?

ホスピスの入院条件や入院できない条件についての理解は、患者様やそのご家族様が適切なケア選択を行う上で重要です。

ホスピスケアは、余命が限られた患者様とそのご家族様に対して、質の高い終末期ケアを提供することを目的としています。

ここでは、ホスピスの入院条件と入院できない条件について説明します。

ホスピスの入院条件

余命の予測
医師による診断で、患者様の余命が6ヶ月以内であると予測される場合。
これは、標準的な医療条件の下での予測です。

積極的な治療の終了
患者様が治癒を目的とした積極的な治療を終了し、症状の緩和と生活の質の向上に焦点を当てるケアを受け入れる意向がある場合。

包括的なケア計画への同意
患者様とご家族様が、症状管理、心理社会的支援、霊的ケアを含む包括的なホスピスケア計画に同意する場合。

ホスピスに入るタイミングは?

特に決まったタイミングはありませんが、大まかな目安がありますので以下で説明します。

ホスピスに入る時期を決定することは、患者様とそのご家族様にとって非常に重要な決断です。

一般的に、ホスピスケアは治療目的の医療から快適さを重視するケアへの移行を意味し、患者様の余命が医師によって6ヶ月以内と予測された場合に選択されます

以下は、ホスピスケアへの移行に関するガイドラインと考慮すべきポイントです。

ホスピスに入る時期の決定要因

病状の進行
治療可能性のない疾患であり、病状が進行し続けている場合。

治療の効果
積極的な治療が効果を示さず、症状の管理と生活の質の向上に焦点を当てることが優先される場合。

患者様とご家族様の希望
患者様とご家族様が生活の質を最優先し、積極的な治療よりも症状の緩和と快適な生活を選択する場合。

医師の評価
医師が患者の余命を6ヶ月以内と予測し、ホスピスケアの適格性があると判断した場合。

ホスピスケアの利点

症状の緩和
痛みや他の不快な症状を効果的に管理します。

心理社会的サポート
患者様とご家族様が精神的、社会的、霊的な支援を受けられます。

家族のサポート
ケア提供者としての家族の負担を軽減し、喪失後の支援を提供します。

関連記事:末期がんによく見られる症状とは?急に悪化するのは死の兆候?

ホスピスの入院費用は?

ホスピスの入院料金については厚生労働省により、1日47,910円(一部加算を除く)定額と定められています。

入院料は、健康保険が適用され、所得額や入院期間によって変動があります。
69歳以下の方は3割負担、70歳以上の方は1~3割負担です。

入院料の他、食事代や、差額ベッド代、おむつなどの衛生用品代や、寝具リース代などが必要に応じて請求されます。

在宅での緩和ケアなら千葉内科・在宅クリニックに相談を

・末期がんなどの重い病気と診断された場合
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など様々なご相談を千葉内科・在宅クリニックではいつでも受けつけております。

「緩和ケアやホスピスについてもっと詳しく聞きたい」、「在宅診療・訪問診療についてもっと詳しく聞きたい」など、ご不安なこと・ご不明点があれば、お気軽にご相談ください。

千葉内科・在宅クリニックでは、24時間365日、医療面でのサポートを行っていきます。

また、ケアマネージャーさん・訪問看護師さん・訪問薬剤師さんと連携を行い、安心してご自宅でお過ごしいただけるサポートを行うことができます。

「今、入院しているが自宅で過ごしたい」や、自宅で一人、「病院にも通えない」など

お悩みのことがあればいつでもお気軽にご相談ください!

まとめ

今回はホスピスにだけ焦点を当てて、ホスピスの概要や、どんなケアが受けられるか、入院条件などについて解説しました。

いかがでしたでしょうか?

余命に限りがある患者様にとって、なるべく苦痛の少ない状態で最期の時を過ごしたいと思われた場合にホスピスは患者様、ご家族様をサポートする役割を持ちます。

ホスピスは余命6ヶ月以内と予測された場合に利用が可能です。

もっと詳しくホスピスや緩和ケアについて知りたい!といった場合には是非当院へご相談ください。

この記事の監修医師


千葉内科・在宅クリニック 院長 辺土名 盛之(へんとな もりゆき)

経歴

  • 三重大学医学部医学科 卒業
  • 四日市羽津医療センター
  • 西春内科・在宅クリニック
  • 千葉内科・在宅クリニック院長

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