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ステロイド内服薬の強さと力価一覧|ステロイド内服薬の強さと力価一覧

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ステロイド(副腎皮質ステロイド)は、炎症やアレルギー、免疫疾患など幅広い病気の治療に用いられる重要なお薬です。

「ステロイドを処方されたけれど、どのくらいの強さなのだろう?」
「副作用が心配…」「急にやめてもいいの?」

など、不安を感じる方も少なくありません。

この記事では、ステロイド内服薬の種類と力価(薬の強さ)をわかりやすく一覧で解説するとともに、安全に服用するための注意点・副作用・医師への相談タイミングについてご説明します。

ステロイド内服薬の強さと力価一覧

ステロイドの強さを決める力価とは

ステロイド内服薬の「強さ」は、抗炎症作用の強さを示す「力価(りきか)」という指標で比較されます。力価とは、その薬がどれくらい強く炎症を抑えるかを示す目安のことです。

基準になるのは、私たちの体の中で作られているステロイドホルモンの一種であるヒドロコルチゾンです。ヒドロコルチゾンの抗炎症作用を「1」として、内服ステロイド薬が何倍の強さをもつかで表します。

たとえば、最もよく使われるプレドニゾロンはヒドロコルチゾンの4倍、デキサメタゾンやベタメタゾンは約25〜30倍の抗炎症作用があるとされています。つまり、力価が高いほど少ない量でも強く作用するということです。

ただし、力価が高いほど副作用も起こりやすくなるため、治療目的や病気の種類・重症度に応じて最適な薬が選ばれます。外来診療では、作用時間が適度で用量の調節もしやすいプレドニゾロンが最も広く処方されており、他の薬の力価もプレドニゾロンを基準(「プレドニゾロン換算」)として換算されます。

内服薬の強さ比較一覧

代表的なステロイド内服薬の力価と特徴を以下にまとめます。

薬剤名(主な商品名) 力価 作用時間 特徴
デキサメタゾン(デカドロン) 25〜30倍 長時間型
(36〜72時間)
少量で強力な抗炎症作用。鉱質コルチコイド作用がほぼなく、電解質への影響が少ない。副腎抑制が強いため長期使用に注意。
ベタメタゾン(リンデロン) 25〜30倍 長時間型
(36〜72時間)
デキサメタゾンと同等の力価。作用時間が長く持続性が高い。セレスタミン(抗ヒスタミン薬との合剤)として処方されることも多い。
メチルプレドニゾロン(メドロール) 5倍 中間型
(12〜36時間)
プレドニゾロンに近い性質だが、水分貯留(むくみ)が起こりにくい。パルス療法にも用いられる。
トリアムシノロン(レダコート) 5倍 中間型
(12〜36時間)
組織への移行性が高い。内服だけでなく注射製剤(関節内注射など)としても使用される。
プレドニゾロン(プレドニン) 4倍 中間型
(12〜36時間)
外来診療で最も広く使われる標準的な薬。用量調節や漸減がしやすく、力価の基準(プレドニゾロン換算)となる。
ヒドロコルチゾン(コートリル) 1(基準) 短時間型
(8〜12時間)
体内で自然に分泌されるコルチゾールと同じ物質。副腎不全の補充療法などに用いられる穏やかな作用のステロイド。

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ステロイド内服薬を安全に使い続けるための注意点

ステロイドは正しく使えば非常に有効なお薬ですが、用法・用量を守ることが大切です。以下の点に注意して服用しましょう。

用法用量を守る

ステロイドは医師が処方した用法・用量を必ず守って服用してください。一般的に内服ステロイドは朝に服用することが多いです。これは、私たちの体が朝に最もステロイドを多く分泌するリズム(日内変動)に合わせることで、副腎への負担を少なくするためです。

プレドニゾロンの場合は1日1〜2回(病状によっては3回)服用するのが一般的ですが、投与回数や量は疾患の種類・重症度によって異なります。投与量や服用タイミングは医師の指示に従ってください。

飲み忘れたときの対処法

飲み忘れに気づいた場合の対応は、服用量や疾患によって異なるため、基本的には主治医または薬剤師に確認することが最善です。一般的な考え方として、「気づいたときが次の服用時間に近い場合は1回分をスキップして次の時間に1回分だけ服用する」ことが多いですが、自己判断で2回分をまとめて飲むことは避けてください。過剰摂取になり副作用のリスクが高まります。

自己判断で中断しない

ステロイドを長期間服用していると、体内の副腎がステロイドを自力でつくる働きを弱めてしまいます。この状態で急に服用をやめると、体内のステロイドが急激に不足し「ステロイド離脱症候群(副腎クリーゼ)」と呼ばれる危険な状態になることがあります。具体的には、強い倦怠感・吐き気・血圧低下・発熱・低血糖などの症状が現れ、重症化すると生命に関わることもあります。

「症状が良くなったから」「副作用が心配だから」という理由で自己判断で服用をやめることは大変危険です。服用量の変更や中止は必ず医師と相談しながら、少しずつ段階的に減量(漸減)していく方法をとります。

その他の注意点

  • 他の医療機関や歯科を受診する際は、ステロイドを服用中であることを必ず伝えましょう。お薬手帳を常に携帯することをおすすめします。
  • 感染症予防のため、手洗い・うがい・マスク着用などの基本的な対策を心がけてください。
  • 食事は塩分・糖質を控えめにし、適度な運動を継続することで副作用リスクを軽減できます。
  • 胃への負担を軽減するため、食後に服用することが一般的です。

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ステロイド内服薬の主な副作用

ステロイドの副作用は、服用量・服用期間・個人差によって大きく異なります。すべての方に副作用が出るわけではありませんが、以下のような副作用が知られています。

免疫力の低下(易感染性)

ステロイドには免疫を抑制する作用があるため、細菌・ウイルス・真菌などの感染症にかかりやすくなります。風邪・肺炎・インフルエンザ・帯状疱疹などが起こりやすくなるほか、通常では発症しにくいニューモシスチス肺炎などの日和見感染症にも注意が必要です。

骨粗鬆症

長期服用により骨がもろくなりやすく、骨折のリスクが高まります。特に背骨の圧迫骨折や股関節周辺の骨折に注意が必要です。予防のため、ビタミンD・カルシウムの補充やビスホスホネート薬が処方されることがあります。

血糖値の上昇(ステロイド糖尿病)

ステロイドにはインスリンの働きを抑えて血糖値を上昇させる作用があります。もともと糖尿病のある方は特に注意が必要で、定期的な血糖チェックと食事管理が重要です。

消化性潰瘍

胃や十二指腸に潰瘍(かいよう)ができやすくなります。胃酸分泌を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬など)を一緒に処方されることが多いです。

クッシング症候群様症状

長期・大量服用により、顔が丸くなる「ムーンフェイス」、肩から首にかけて脂肪がつく「バッファローハンプ」、体幹に比べて手足が細くなる変化などが現れることがあります。これらはステロイドを減量すると徐々に改善します。

その他の副作用

  • 精神症状:不眠・気分の高揚・うつ状態などが起こることがあります。
  • 高血圧・むくみ:体内に水分と塩分をため込む作用(鉱質コルチコイド作用)によるものです。
  • 白内障・緑内障:長期服用で眼圧が上昇し、定期的な眼科受診が推奨されます。
  • 皮膚症状:ニキビ・皮膚の菲薄化・毛深くなる、にきびなどが現れることがあります。
  • 大腿骨頭壊死:股関節の骨の組織が壊れる副作用で、高用量使用後に起こることがあります。

ステロイド内服中に医師へ相談すべき体調の変化

ステロイドを服用中に以下のような体調の変化が現れた場合は、自己判断で服用をやめたり量を変えたりせず、速やかに主治医にご相談ください。

副作用が疑われる症状

次のような症状が出た場合は、ステロイドの副作用である可能性があります。医師に詳しく伝えましょう。

  • 体重が急激に増えた、顔がむくんで丸くなってきた(クッシング様症状)
  • 背中や腰に突然強い痛みが出た(骨粗鬆症による圧迫骨折の可能性)
  • 股関節・鼠径部の痛み、歩くのが辛くなってきた(大腿骨頭壊死の可能性)
  • 血糖値が高いと言われた、または多飲・多尿・倦怠感が続く(ステロイド糖尿病の可能性)
  • 血圧が高くなった、頭痛・めまい・顔のほてりがある(高血圧の可能性)
  • 目がかすむ・視力が落ちた、まぶしさを強く感じる(白内障・緑内障の可能性)
  • 気分が著しく高揚または落ち込む、眠れない日が続く(精神症状の可能性)
  • 胃痛・胸やけ・黒い便(タール便)が出た(消化性潰瘍の可能性)

感染症を疑う症状

ステロイドにより免疫力が低下しているため、感染症の症状が出た場合は早めの受診が重要です。

  • 発熱が続く、悪寒がある
  • 咳・痰がひどくなった、息苦しさがある(肺炎の可能性)
  • 皮膚に水ぶくれを伴う帯状の痛みや発疹が出た(帯状疱疹の可能性)
  • 口の中に白いカビのようなものが生えた(口腔カンジダ症の可能性)

症状が改善しない・悪化している場合

ステロイドを服用していても症状が改善しない場合や、治療前より悪化していると感じる場合は、薬の種類・量・服用方法の見直しが必要な可能性があります。「なんとなく効いていない気がする」という感覚も大切なサインです。遠慮せず医師にお伝えください。

服用が難しい状況になった場合

嘔吐・下痢・強い食欲不振などで薬を飲めない状態が続く場合は、必ず医療機関に連絡してください。ステロイドを急に中断するのは非常に危険なため、点滴などで補充が必要になることがあります。

千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックでの対応

「ステロイドを処方されたが副作用が不安」「長期服用しているが体調が気になる」など、ステロイドに関するお悩みやご不安がある方は、お気軽に千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックへご相談ください。

当院では一般内科を中心に、消化器・呼吸器・循環器・内分泌など幅広い内科診療を行っています。ステロイドの処方内容を確認、副作用のチェック(血液検査・血圧測定など)、減量・中止のご相談まで幅広く対応しています。また、在宅診療にも対応しており、通院が難しい方も安心して医療を受けていただける環境を整えています。

まとめ

ステロイド内服薬は、種類によって力価が大きく異なります。

ステロイドを安全に使うためにも自己判断での中断・減量は厳禁です。また、長期服用中は副作用に注意し、定期的に受診するようにしましょう。

その他不安なことや体調の変化などがあった場合、速やかに医師へ相談しましょう。

「ステロイドの副作用が心配」「処方された薬の強さが不安」という場合、千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックへご相談ください。患者様一人ひとりの状態に合わせた丁寧な説明と診療で、安心して治療を続けていただけるようにサポートいたします。

参考文献

ステロイドの力価換算(株式会社HOKUTO)

ステロイド治療(東京女子医科大学病院 腎臓内科)

副腎皮質ステロイド(一般社団法人 日本リウマチ学会)

ステロイドとは(東邦大学医療センター 大橋病院 膠原病リウマチ科)

ステロイド内服薬の選び方・使い方(アレルギー学講座)

この記事の監修医師


千葉内科在宅・美容皮膚科クリニック 院長 辺土名 盛之(へんとな もりゆき)

経歴

  • 三重大学医学部医学科 卒業
  • 四日市羽津医療センター
  • 西春内科・在宅クリニック
  • 千葉内科在宅・美容皮膚科クリニック院長

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