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ヒルドイド(ヘパリン類似物質)の正しい使い方|種類別の適量と顔に塗る際の注意点

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皮膚科でよく処方される「ヒルドイド(一般名:ヘパリン類似物質)」は、乾燥肌やアトピー性皮膚炎などの治療に使われる保湿外用薬です。しかし、「正しい塗り方がわからない」「顔に使っても大丈夫なのか」「種類ごとの違いがよくわからない」というお声をよく聞きます。

本記事では、ヒルドイドの正しい使い方について、塗るタイミング・各剤形の適量・顔への使用方法・よくある疑問まで、わかりやすく解説します。処方された薬の効果を最大限に引き出すために、ぜひご参考にしてください。

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)の使い方【塗るタイミング】

ヒルドイドは、一般的に1日2回(朝と夜)塗ることが推奨されています。特に皮脂欠乏症(乾燥肌・乾皮症)の治療でお風呂上りに使用する場合は、皮膚が完全に乾いてしまう前、できれば入浴後5分以内に塗ることで保湿効果を最大限に引き出すことができます。

【タイミングのポイント】

  • 入浴・洗顔後はすぐに塗る:肌がまだ湿っている状態で塗ると、水分の蒸発を防いで保湿効率がアップします。
  • 朝の保湿:洗顔後、スキンケアの最後のステップとして使用します。
  • 日中の乾燥時:手洗いの後など、乾燥が気になったタイミングでの使用も効果的です。
  • 就寝前:しっとり感が長続きするソフト軟膏は、夜寝る前の保湿に特に向いています。

研究によると、1日2回塗布した場合、1回塗布と比べて角層の水分量が高まる傾向があることも確認されています。まずは朝と就寝前の2回塗布を習慣にしてみましょう。

関連記事:肌悩みの改善は一般皮膚科でできる?美容皮膚科との違いやセルフケアのポイント

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)の使い方【正しい塗り方】

【共通の塗り方の基本】

  • 清潔な手で塗る:薬を塗る前に必ず手を洗い、清潔な状態で行いましょう。
  • こすらずやさしく広げる:肌への摩擦は炎症を悪化させる原因になります。なでるように、肌のしわに沿ってやさしく塗り広げてください。
  • 適量を守る:塗った部位がテカっと光り、ティッシュペーパーがわずかに付着する程度が適量の目安です。
  • 重ね塗りより面で均一に:何度も同じ箇所に重ね塗りするより、広い面に均一に伸ばす方が効果的です。

塗る量の目安として「FTU(Finger Tip Unit)」が使われます。1FTUとは約0.5gで、チューブタイプでは人差し指の先端から第一関節まで出した量(瓶タイプではその半分の長さですくった量)に相当し、大人の手のひら約2枚分の面積に塗ることができる量です。

ローション(水性/ヒルドイドローション)

化粧水のような透明の液体状の製剤です。水中油型(水がベース)で、さらっとした使用感が特徴です。伸びが非常によく広範囲に塗りやすいため、体の広い範囲や顔・頭皮にも使用できます。

  • 適量:手のひらに1円玉大(約0.5g=1FTU)を出し、顔全体または広範囲に伸ばして使用します。
  • 季節のおすすめ:夏場や汗をかきやすい時期、ベタつきが気になる方に最適です。
  • 注意点:まれに塗った部位に刺激感を覚えることがあります。ひどい乾燥や敏感肌の方はまず少量で様子をみてください。

ローション(乳剤性)

水性ローションよりもとろみがあり、乳液に近いテクスチャーです。ジェネリック医薬品では「ビーソフテンローション」として処方されることが多いです。水性ローションと同様に顔・体の広範囲に使えますが、水性タイプより保湿力がやや高めです。

  • 適量:顔全体で2〜2.5FTU程度(約1〜1.25g)が目安です。
  • 季節のおすすめ:春・秋の乾燥が中程度の季節に使いやすいタイプです。

クリーム(ヒルドイドクリーム)

水中油型クリームで、ローションよりこっくりとした使用感です。伸びよく使いやすく、顔やや手指など細かい部位にも塗りやすいタイプです。ソフト軟膏より皮膚浸透性が高いといわれています。

  • 適量:チューブタイプなら人差し指の先端から第一関節まで出した量(1FTU≒0.5g)が手のひら2枚分の目安です。顔全体には約2.5FTUが必要です。
  • 季節のおすすめ:年間を通じて使いやすく、特に春・秋の保湿ケアに向いています。乾燥が気になりはじめた秋口から取り入れるのがおすすめです。

ソフト軟膏(ヒルドイドソフト軟膏)

油中水型クリームで、ヒルドイドシリーズの中で最も保湿力・密着力が高い製剤です。しっとり感が長続きし、かかとやひじなど角質が厚い部位にも適しています。製品の中で最も刺激が少なく、肌が敏感な方にも使いやすいとされています。

  • 適量:チューブタイプなら1FTUで手のひら2枚分。瓶タイプは人差し指の第一関節の半分程度の長さですくった量(約0.5g)が同じ面積の目安です。
  • 季節のおすすめ:冬の乾燥が厳しい時期、かかと・ひじ・ひざなど角質が厚くなりやすい部位の集中ケアに最適です。就寝前にたっぷり塗ってラップやガーゼで保護すると効果的です。
  • 注意点:油分が多くやや重たい使用感のため、顔に使うと毛穴が詰まりやすい場合があります。顔への使用にはローションやクリームの方が向いています。

フォーム(ヒルドイドフォーム)

2018年に薬事承認された最も新しい剤形で、細かい泡状で出てきて徐々に液状化します。油分が含まれていないためべたつかず、さっぱりとした使用感です。ヒルドイド特有の匂いが少なく、乳幼児にも使いやすい製剤です。

  • 適量:背中や体幹など広範囲には、適量を手に取って広げるか、直接塗布したい部位に噴射してから広げます。
  • 季節のおすすめ:夏場や汗をかきやすい季節、背中など広い範囲の保湿、子どもの全身保湿に特に適しています。
  • 注意点:高圧ガスを使用した可燃性製品のため、火のそばや高温(40℃以上)になる場所での使用・保管は避けてください。

季節・目的別 剤形の選び方まとめ

  • 夏・汗をかきやすい季節 → ローション・フォーム(さらっとした使い心地)
  • 春・秋の乾燥が気になる季節 → クリーム・ローション(乳剤性)
  • 冬・乾燥が厳しい季節 → ソフト軟膏・クリーム(保湿力重視)
  • 顔・頭皮への使用 → ローション・クリーム(毛穴詰まりが起こりにくい)
  • かかと・ひじなど角質が厚い部位 → ソフト軟膏(密着力が高い)
  • お子様の全身保湿 → フォーム(伸びがよく塗りやすい)

関連記事:抗アレルギー薬とは?強さのランキングを一覧で掲載

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)は顔に塗っても大丈夫?

結論からいうと、ヒルドイドは顔に使用しても問題ありません。顔の乾燥や肌荒れに処方されることも多く、顔全体に使用することができます。ただし、目や口に入らないよう十分に注意してください。

顔に塗る際のポイント

  • 剤形はローション・クリームがおすすめ:ソフト軟膏は油分が多く毛穴が詰まりやすいため、顔への使用はさっぱりしたローションやクリームが適しています。
  • 少量からはじめる:顔への初めての使用時は少量から試して、肌の反応を確認しましょう。
  • 目の周囲・粘膜は避ける:目や口に入らないよう注意してください。もし目に入った場合はきれいな水で洗い流し、異常があれば医師に相談してください。
  • 傷口・ただれた箇所は避ける:皮膚がただれているところや傷口への使用は避けてください。

「顔に使うと後悔する」という声について

インターネット上で「ヒルドイドを顔に使って後悔した」という声を見かけることがありますが、これは主に「軟膏タイプによる毛穴詰まり」や「過剰な期待からの失望」によるものが多いです。

ヒルドイドはあくまでも医療用医薬品であり、医師の指示のもとで正しく使えば安全性は高い薬です。副作用として皮膚炎・かゆみ・発赤・発疹が報告されていますが、いずれも0.1〜5%未満と低頻度です。何か異変を感じた場合は使用を中止し、処方医に相談してください。

関連記事:ヒルドイド(ヘパリン類似物質)で乾燥が悪化する原因は?正しい塗り方で肌を守る方法

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)の使い方に関するよくある質問

Q1:ヒルドイドと化粧水はどっちが先?

ヒルドイドは医薬品ですので、スキンケアのステップに組み込む場合は「最後」に塗るのが基本です。

「洗顔 → 化粧水 → 美容液 → 乳液・クリーム → ヒルドイド」の順番が推奨されます。スキンケアの仕上げとして重ね、薬の成分をしっかり皮膚に届けましょう。

ただし、皮膚科でステロイド外用薬と併用する場合は「ヒルドイド → ステロイド」の順番で塗るよう指示されることが多いです。順番に迷った場合は処方医に確認してください。

Q2:ヒルドイドを塗ってはいけない場所は?

以下の部位・状態には塗ってはいけません。

  • 皮膚がただれている部位:ただれた皮膚に塗ると刺激になる場合があります。
  • 出血している傷口:ヘパリン類似物質には血液を固まりにくくする作用があるため、出血が止まりにくくなる可能性があります。
  • 眼:目には塗らないでください。誤って入った場合はきれいな水で洗い流してください。
  • 口・鼻などの粘膜:粘膜部位への使用は避けてください。

Q3:ヒルドイドを使ってはいけない人はいる?

以下に該当する方は使用できない、または使用前に必ず医師に相談が必要です。

  • 血友病・血小板減少症・紫斑病などの出血性疾患のある方:血液凝固異常があると、ヘパリン類似物質の抗凝固作用により症状が悪化する可能性があります。
  • 頭蓋内出血後など、わずかな出血でも重大な結果が生じる恐れのある方。
  • 抗凝固薬(ワルファリンなど)を服用中の方:念のため医師に相談してください。

なお、妊娠中・授乳中の方や赤ちゃんへの使用については、比較的安全とされており、医師の指示のもとで広く処方されています。ただし自己判断での使用は避け、必ず医師に相談してください。

Q4:ヒルドイドはいつまで使い続けてよい?

長期使用に関する制限はなく、症状によっては長期間使用されることもあります。乾燥が改善されてもすぐにやめると再び乾燥が悪化しやすいため、良くなった後も2〜3週間は継続して保湿を続けることが推奨されます。使用中に異常を感じた場合は、医師または薬剤師に相談してください。

Q5:市販のヘパリン類似物質製品とヒルドイドは何が違う?

医療用医薬品のヒルドイドと市販薬の主な違いは「有効成分の濃度」です。処方薬のヒルドイドはヘパリン類似物質を0.3%含有していますが、市販薬は0.3%未満の製品が多いです。また、ドラッグストアで販売されているヘパリン類似物質含有製剤は「ヒルドイド」ではありません。症状が強い場合や継続的なケアが必要な場合は、医療機関で処方されたものをご使用ください。

千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックでの対応

千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックでは、一般皮膚科・美容皮膚科診療をおこなっています。乾燥肌やアトピー性皮膚炎などの皮膚トラブルに関する診察治療はもちろん。美容皮膚科による肌ケア、オンライン診療による内服薬・外用薬の処方が可能です。

また、皮膚科治療以外にも内科外来(一般内科・小児科・アレルギー科・花粉症外来など)や在宅診療も行っています。

「ヒルドイドを処方されているが使い方がわからない」「乾燥肌を根本から改善したい」などのお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。患者様お一人おひとりに寄り添ったカウンセリングで、あなたの肌に合った保湿ケアをご提案いたします。

関連記事:顔だけに起きるアレルギー反応の原因は?赤みやかゆみの対処法

まとめ

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)は正しく使うことで、乾燥肌やアトピー性皮膚炎のケアに大きな効果を発揮します。使い方に迷ったときや皮膚トラブルが続く場合、かかりつけ医や薬剤師にご相談ください。

ヒルドイドの正しい使い方とは(日比谷ヒフ科クリニック)

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この記事の監修医師


千葉内科在宅・美容皮膚科クリニック 院長 辺土名 盛之(へんとな もりゆき)

経歴

  • 三重大学医学部医学科 卒業
  • 四日市羽津医療センター
  • 西春内科・在宅クリニック
  • 千葉内科在宅・美容皮膚科クリニック院長

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