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ニキビの治療はどう選ぶ? 保険診療・美容診療の違いと治療のポイント
「ニキビくらい、そのうち治るだろう」と市販薬やセルフケアで対処している方も多いのではないでしょうか。
しかし、一時的に良くなっても、またすぐに繰り返してしまう。
そんな経験をお持ちの方は少なくありません。
ニキビは医学的には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と呼ばれる皮膚の疾患です。
毛穴に皮脂がつまり、アクネ菌が増殖することで炎症が起こります。放置すると赤みや色素沈着、クレーター状の瘢痕(ニキビ跡)など、長期的に肌に影響を及ぼす場合もあります。
この記事では、ニキビ治療を検討している方に向けて、保険診療と美容診療それぞれの治療法や選び方のポイント、治療を続けるうえで気をつけたいことなどを医師の立場からわかりやすく解説します。
正しい知識を持ったうえで、ご自身に合った治療法を見つけていただければ幸いです。
ニキビを改善するための治療法
ニキビの治療法は大きく「保険診療」と「美容診療(自由診療)」の2つに分けられます。
それぞれの特徴を理解したうえで、ご自身のニキビの状態や目的に合った治療を選ぶことが大切です。
保険診療と美容診療の比較
| 保険診療 | 美容診療(自由診療) | |
| 費用 | 1回 1,000〜2,000円程度(3割負担) | 施術により異なる(数千円〜数万円) |
| 目的 | 今あるニキビの炎症を抑え、新たなニキビを予防 | ・ニキビ跡の改善 ・肌質改善 ・美容的な仕上がり |
| 主な治療 | ・外用薬 ・内服薬 ・面皰圧出 | ・美容施術 ・美容内服 ・肌診断 など |
| 適応 | ・白ニキビ ・黒ニキビ ・赤ニキビ ・黄ニキビ | ・ニキビ跡(赤み・色素沈着・クレーター) ・毛穴の開き ・肌質改善 |
| メリット | ・費用が安い ・エビデンスが豊富 | ・治療の選択肢が広い ・美容的な仕上がりを追求できる |
保険診療
保険診療は、健康保険が適用されるため、患者さんの費用負担が少ないのが特徴です。
皮膚科の医師がニキビの状態を診察し、症状に応じた治療薬を処方します。
近年は保険適用の治療薬も充実しており、軽症から中等症のニキビであれば、保険診療で十分な改善が期待できるケースが多くなっています。
外用薬(塗り薬)
- アダパレン(ディフェリンゲル):毛穴のつまりを改善し、コメド(面皰)の形成を抑える薬剤です。ニキビ治療のガイドラインで第一選択薬の一つとして推奨されています。
- 過酸化ベンゾイル(BPO)製剤:アクネ菌に対する殺菌作用と角質剥離作用を持ちます。耐性菌が生じにくいという利点があり、長期的な使用にも適しています。
- アダパレン・BPO配合剤:上記2つの成分を配合した薬剤で、それぞれの効果を同時に得られるため、より効率的な治療が可能です。
- 抗菌外用薬(クリンダマイシン、ナジフロキサシンなど):炎症を起こしている赤ニキビに対して使用します。アクネ菌の増殖を抑え、炎症を鎮めます。
内服薬(飲み薬)
- 抗菌薬(ミノサイクリン、ドキシサイクリンなど):炎症が強い場合や広範囲にニキビがある場合に処方されます。通常2〜3か月を目安に使用し、耐性菌のリスクを避けるため、漫然と長期使用しないことが重要です。
- 漢方薬(十味敗毒湯、荊芥連翹湯など):体質改善を目的として処方される場合があります。ホルモンバランスの乱れやストレスが関与するニキビに用いられることがあります。
- ビタミン剤(ビタミンB群、ビタミンCなど):皮脂分泌のコントロールや肌のターンオーバーを助ける補助的な役割として処方されることがあります。
処置
- 面皰圧出(めんぽうあっしゅつ):専用の器具を使い、毛穴に詰まった皮脂や角栓を取り除く処置です。自分で潰すとニキビ跡の原因になるため、必ず医療機関で行うことが推奨されます。
美容診療(自由診療)
保険診療だけでは改善が難しい場合や、ニキビ跡の治療、肌質そのものを改善したい場合は、美容診療(自由診療)が選択肢になります。
自由診療は保険が適用されないため費用は高くなりますが、より多くの治療法から選ぶことができ、美容的な仕上がりにもこだわった治療が可能です。
美容施術
ケミカルピーリング
酸性の薬剤(グリコール酸、サリチル酸マクロゴールなど)を肌に塗布し、古い角質や毛穴の詰まりを取り除く治療です。
ニキビの原因となるコメドの除去に効果があり、肌のターンオーバーを促進します。
2〜3週間に1回のペースで、5〜8回程度の継続が目安です。
ポテンツァ(POTENZA)
マイクロニードルとRF(高周波)エネルギーを組み合わせた最新の治療機器です。
微細な針で肌に穴を開けると同時に高周波を照射し、皮膚深部からコラーゲン生成を促進。
ニキビ跡の凹凸(クレーター)、毛穴の開き、肌質改善に高い効果が期待できます。
薬剤の導入(ドラッグデリバリー)も可能で、症状に合わせたカスタマイズ治療ができるのが特徴です。
関連記事:ポテンツァのダウンタイムをどう過ごす?経過別のケア方法と注意点
IPL光治療(フォトフェイシャル・ステラM22)
IPL(Intense Pulsed Light)という広帯域の光を肌に照射する治療です。
複数の波長フィルターを使い分けることで、赤みの原因となるヘモグロビンや色素沈着の原因となるメラニンにIPLの光が吸収されやすい特性があります。
これにより、ニキビによる赤みや色素沈着の改善が期待できます。
ダウンタイムが少なく、多くの場合は施術直後からメイクが可能です。
関連記事:【千葉・稲毛駅周辺】フォトフェイシャルを安く受けられるクリニック3選
エレクトロポレーション(メソナJ)
電気パルスを用いて皮膚に一時的に微小な孔を開け、有効成分(ビタミンC、トラネキサム酸、成長因子など)を肌の深部まで浸透させる施術です。
イオン導入の約20倍の浸透力があるとされ、ニキビ跡の赤みや色素沈着のケア、ニキビ予防のための肌質改善に活用されます。
痛みやダウンタイムがほぼないため、初めての美容治療としても取り入れやすい施術です。
関連記事:エレクトロポレーションの美容効果は?導入できる美容成分と注意点
ジュベルック
ポリ乳酸(PDLLA)を主成分とした注入剤で、皮膚内でコラーゲンの生成を促進。
ニキビ跡の凹みや毛穴の開き、肌のハリ改善に用いられます。
効果が数か月にわたって持続するのが特徴で、肌の土台から改善を目指す治療です。
関連記事:【千葉・稲毛駅周辺】ジュベルックを安く受けられるクリニック4選
ダーマペン
超極細の針で肌に微細な穴を多数開け、肌の自然治癒力を利用してコラーゲンの再生を促す治療です。
ニキビ跡のクレーターや毛穴の開きの改善に効果があり、薬剤の塗布と組み合わせることで効果を高めます。
レーザー治療
フラクショナルレーザーなどを使用し、肌に微細な熱損傷を与えることでコラーゲンの再構築を促す治療です。
深いニキビ跡の改善に用いられることが多く、症状や肌質に応じて機器やパラメータを選択します。
美肌内服
イソトレチノイン
重症のニキビに対して使用されるビタミンA誘導体の内服薬です。
皮脂分泌を強力に抑え、毛穴の角化を正常化する作用があります。海外では広く使われています。
しかし、催奇形性などの副作用があるため、自己判断での使用は避け、医師の管理のもとで使用する必要があります。
関連記事:イソトレチノインの代表的な副作用|好転反応との見分け方・注意点とは?
シナール・トラネキサム酸
ビタミンCやトラネキサム酸の内服は、ニキビ跡の色素沈着改善や肌の抗酸化に役立ちます。
美容内服としてオンライン診療で処方を受けることも可能です。
関連記事:シナールの効果と特徴|どのくらいで効果が出始める?
関連記事:トラネキサム酸の代表的な副作用は?飲み続けても大丈夫?
肌診断器VISIA®(ビジア)
高精度カメラで肌の状態を可視化する診断機器です。
表面のシミやニキビだけでなく、肌の奥に潜む隠れジミや毛穴の状態、ポルフィリン(アクネ菌の代謝物)の量なども解析できます。
客観的なデータに基づいて治療計画を立てることができ、治療前後の比較も可能です。
関連記事:VISIA肌診断で何がわかる?美容看護師が診断結果の見方を解説
ニキビ治療の選び方
ニキビ治療を選ぶ際は、現在のニキビの状態と治療の目的を整理することが重要です。
以下のポイントを参考に、ご自身に合った治療法を検討してみてください。
今あるニキビを治したい場合
白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビなど、現在進行形のニキビがある場合は、まず保険診療での治療が基本です。
日本皮膚科学会のガイドラインでも、アダパレンやBPO製剤などの外用薬を中心とした標準治療が推奨されています。
保険診療は費用負担も少なく、多くの方が標準治療で改善を実感されています。
ニキビ跡を改善したい場合
赤みや色素沈着、クレーター状のニキビ跡は、保険診療の外用薬だけでは改善が難しいケースが多いです。
このような場合は、ポテンツァやIPL光治療、エレクトロポレーションなどの美容診療が効果的です。
ニキビ跡の種類(赤み・色素沈着・凹凸)によって最適な治療法が異なるため、医師に相談のうえで治療法を決定することが大切です。
ニキビが繰り返しできる場合
保険診療の標準治療を一定期間続けても繰り返しニキビができてしまう場合は、肌質改善を目的とした美容診療を併用することも選択肢です。
また、重症・難治性のニキビに対しては、イソトレチノインの内服なども検討されます。
いずれにしても、自己判断ではなく医師と相談しながら治療方針を決めることが重要です。
皮膚科と美容皮膚科、どちらに行くべき?
結論としては、まず保険診療を受けることをおすすめします。
保険診療で標準治療を行い、それでも改善が不十分な場合や、ニキビ跡の治療を希望する場合に美容診療を検討するという流れが一般的です。
当院のように保険診療と美容診療の両方に対応しているクリニックであれば、患者さんの状態に応じてシームレスに治療を切り替えることができます。
ニキビ治療で気をつけたいポイント
ニキビ治療の効果を最大限に得るために、以下のポイントに注意してください。
治療を自己判断でやめない
ニキビ治療で最もよくある失敗が、症状が良くなった時点で自己判断で治療を中断してしまうことです。
特に抗菌薬は、途中で使用をやめると耐性菌(薬が効かない菌)が発生するリスクがあります。
医師が「終了して良い」と判断するまで、処方された薬は指示通りに使い続けることが大切です。
一時的な改善で通院を終えない
ニキビは慢性的な疾患であり、目に見える炎症が治まっても、肌の内部にはまだコメド(微小面皰)が残っている場合があります。
コメドを放置すると再びニキビが発生するため、炎症が落ち着いた後も「維持療法」として外用薬の使用を続けることが推奨されています。
通院のペースは症状に応じて医師と相談してください。
治療効果を短期間で判断しない
ニキビ治療の効果は、すぐに実感できるとは限りません。
外用薬であれば最低でも2〜3か月、美容診療であれば複数回の施術を重ねてから効果が見えてくるケースも多くあります。
特にアダパレンは使い始めに刺激感や乾燥、一時的な悪化(レチノイド反応)が起こることがありますが、これは正常な反応です。
焦らず、医師と相談しながら治療を継続しましょう。
正しいスキンケアと生活習慣の見直し
治療と並行して、日常のスキンケアや生活習慣の改善も重要です。
- 洗顔は1日2回、刺激の少ない洗顔料で優しく行う
- 保湿を十分に行う(乾燥は毛穴のつまりを悪化させます)
- 日焼け止めを使用して紫外線対策をする
- 油脂性のクリームやオイルクレンジングは避ける
- ノンコメドジェニック処方の化粧品を選ぶ
- 十分な睡眠、バランスの良い食事、ストレス管理を心がける
- ニキビを自分で潰さない(ニキビ跡の原因になります)
治療中に気になることがあれば早めに相談する
治療薬の副反応(赤み、乾燥、ひりつきなど)や症状の変化が気になる場合は、次の診察予定日を待たずに早めに医療機関にご相談ください。
また、副反応を理由に自己判断で薬をやめてしまうと、治療効果が得られないだけでなく、再発のリスクも高まります。
ニキビ治療にかける院長の想い
千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックでできること
千葉内科在宅・美容皮膚科クリニック(千葉市稲毛区)では、ニキビに関する幅広い診療を提供しています。
当院の特徴
- 高品質な美容医療を低価格で提供する美容皮膚科
- 患者様一人ひとりに寄り添うカウンセリングで、最適な治療プランを提案
- 駐車場完備で、日焼けを気にせず通院可能
- オンライン診療にも対応
対応可能な施術例
- 肌診断器VISIA®:現在の肌状態を客観的に数値化し、最適な治療計画の立案に活用
- ポテンツァ:マイクロニードル+高周波で、ニキビ・ニキビ跡・毛穴の改善にアプローチ
- IPL光治療:ニキビ後の赤みや色素沈着にアプローチ
- エレクトロポレーション:有効成分を肌深部に導入し、肌質改善をサポート
まとめ
ニキビの保険診療と美容診療の違いについて解説しました。
ニキビに悩んではいるけれど、ニキビ治療というと保険診療は効果がないし、美容施術は高価で手が出しにくい。となかなか病院で治療を開始できない方も少なくありません。
しかし、保険診療であっても十分効果を感じている方も多くいます。
もちろん、美容施術を取り入れた方が良い場合もありますが、まずは保険診療での皮膚科治療でニキビを改善させましょう。
ニキビについてお悩みの方は、千葉内科在宅・美容皮膚科クリニック、またはお近くの皮膚科でご相談ください。
参考文献・エビデンス
- 日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023」
- Zaenglein AL, et al. Guidelines of care for the management of acne vulgaris. J Am Acad Dermatol. 2016;74(5):945-973.
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- Thiboutot D, et al. New insights into the management of acne: an update from the Global Alliance to Improve Outcomes in Acne group. J Am Acad Dermatol. 2009;60(5 Suppl):S1-S50.
- 林伸和ほか「本邦における痤瘡患者の実態―多施設共同横断研究―」日本皮膚科学会雑誌, 2018.
- Gollnick H, et al. Management of acne: a report from a Global Alliance to Improve Outcomes in Acne. J Am Acad Dermatol. 2003;49(1 Suppl):S1-37.

千葉内科在宅・美容皮膚科クリニック 院長 辺土名 盛之(へんとな もりゆき)
経歴
- 三重大学医学部医学科 卒業
- 四日市羽津医療センター
- 西春内科・在宅クリニック
- 千葉内科在宅・美容皮膚科クリニック院長