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ダニ刺されで悩んでいる方へ!あせもとの違いについて解説!症状や治療についても

ダニ刺されで悩んでいる方へ!あせもとの違いについて解説!症状や治療についても

赤いぷつぷつとした発疹がでてくると、ダニに刺されたのではないかと心配になりませんか?

これから暖かくなって自然が多い場所に行く機会が増えますし、屋内のダニも活発になってきます。

ダニにも人を刺すダニ刺さないダニがいますので、ダニ刺されと他の紛らわしい病気との見分け方も含めて解説していきます。

ダニの種類とダニ刺され症状の特徴は?

ダニ刺されで悩んでいる方へ!あせもとの違いについて解説!症状や治療についても

人を刺すダニはツメダニ、イエダニ、マダニの3種類です。

ツメダニイエダニ室内で刺します。

一方マダニは、野外で刺します。

ダニ刺され跡については2箇所傷跡ができ、時に歯が中に残ることもあります。

症状としましてはハウスダストアレルギーを引き起こしたり、人を刺すツメダニの餌になったりします。

布団、枕、ソファなどにいるヒョウダニが、家の中のダニで最も多いです。

しかし、ヒョウダニは人を刺しません。

ここからは人を刺すダニについて説明していきます。

関連記事:トコジラミに刺されたときの症状とは|ダニとの違いも解説

室内のダニについて

ツメダニ

ダニ刺されで悩んでいる方へ!あせもとの違いについて解説!症状や治療についても

参考:西宮市役所「ツメダニ」

ツメダニ梅雨頃から増殖し、8~9月に特に被害が増えます。

体長0.3~1.0mmほどの小さなダニです。布団やカーペットやタタミなどに生息しています。

血は吸いませんが、間違って人を刺すことがあります。

イエダニ

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イエダニ5月頃から発生し、6~9月に被害が増えます。

体長0.6~1.0mmほどのダニです。ネズミや鳥に寄生しています。

ツメダニと違い、人の血を吸うことがあります。

寝ている間に布団に潜り込んで血を吸うため、刺されている場面はほとんど見ることができません。

顔や手足はほとんど刺されず、わき腹や下腹部、ふとももの内側など皮膚がやわらかいところを刺すのが特徴です。

屋内のダニの駆除方法

屋内のダニを完全に駆除することはできません。

しかし、発生リスクを下げることにより繁殖するのを防ぎ、被害を減らすことは可能です。

部屋を換気して風通しをよくする、布団乾燥機を使用するなどダニが繁殖しにくい環境を維持しましょう。

ダニが繁殖しやすい5~10月は、駆除剤を使用することで、部屋にいるダニの数を一定に抑えることができます。

ツメダニは、部屋や寝具にこまめに掃除機をかけ、餌になるような昆虫やほかのダニなどを除去して減らすことができます。

一方イエダニがいる場合は、まず宿主であるネズミを駆除することで被害を減らすことができます。

野外のダニについて

マダニ

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マダニは5月~9月頃に活発になります。

ツメダニやイエダニと違い、山や草むらなどの野外に生息しています。

体長2~5mmで野生動物に寄生したり、ヒトの体に取りついて血を吸います。

植物で待ち構え触れた動物に素早く乗り移ります。肌を徘徊して血を吸う場所を探します。

血を吸い始めると、1週間程度でダニの体が風船のように膨らみ、自然と脱落します。

刺されても痛みがなく、吸血が進んで風船のように膨らんだ状態ですと、マダニと分からず、いぼやほくろができたと勘違いする方もいます。

吸血がおわると、脱皮を繰り返し、幼虫・若虫・成虫と生涯で3回吸血します。

マダニに刺されたと気づいたときに、慌てて無理に引き抜こうとしていまいがちですが、絶対にやってはいけません。

口器と言われるマダニの頭部が皮膚に残って異物反応による炎症をおこすことがあります。

ダニ刺されで悩んでいる方へ!あせもとの違いについて解説!症状や治療についても

また、マダニの種類によっては

  • 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
  • 日本紅斑熱(にほんこうはんねつ)
  • ライム病

などの感染症をおこすことがあり注意が必要です。

マダニに刺されると必ずなるわけではなく、稀なことなので過度にこわがる必要はないですが、地域性があるのでどこでマダニにさされたかも重要です。

ダニ媒介感染症についてまとめると以下の通りです。

一つずつ詳しく解説していきます。

 潜伏期間症状地域
重症熱性血小板減少症候群6日~2週間後発熱,胃腸症状,血球減少西日本,静岡,愛知,千葉
日本紅斑熱2~8日後発熱,赤い発疹,刺し口西日本
ライム病数日から14日後発熱,倦怠感,関節痛,遊走性紅斑北海道,本州中部山岳

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

マダニに刺され6日~2週間後に発熱、胃腸症状(吐気、腹痛、下痢)、血球減少などが生じます。

原因はマダニが媒介するSFTSウイルスです。

頻度はまれですので、マダニに刺され2週間ほど症状がなければ大丈夫なことが多いです。

しかし、発症すると治療は対象療法しかなく、2~3割ほどの致死率です。

血液・体液によりヒトからヒトへ感染することがあるので、医療従事者などは特に注意が必要です。

平成25年に国内で初めて報告されました。年々増加傾向にあります。

発生地域について以前は西日本に限られていましたが、令和3年に静岡県において東日本で初めて確認され、愛知県や千葉県でも報告されています。

日本紅斑熱

マダニが媒介するリケッチア(Rickettsia japonica)と言われる細菌によっておこる感染症です。

マダニに刺されて2~8日で発熱し、淡い赤い発疹が手足のひら含めて全身にでてきます。

マダニが実際に刺さっているのは稀で、“刺し口”と言われるかさぶたを伴う傷があるのが特徴です。

治療はテトラサイクリン系と言われる抗菌薬の治療を行います。

1984年に徳島県で初めて報告され、増加傾向で、年間300例ほどが報告されています。

主に西日本で報告が多く、東海地方では三重県での報告が多いです。

ライム病

主に北海道、本州中部山岳に生息するシェルツェマダニが媒介するボレリアによる感染症

マダニに刺されて数日から14日後に発熱、倦怠感、関節痛などの症状が現れ、遊走性紅斑というマダニにかまれた部位を中心に周囲に拡大する赤い発疹が出現します。

ペニシリン系やテトラサイクリン系と種類の抗菌薬で治療します。

関連記事:虫刺されの腫れがひどい・大きいときの対処法|どんな虫に注意すべき?

ダニ刺されとあせもの違いは?

あせもと鑑別になるダニ刺されは、イエダニによるものが考えられます。

イエダニは、寝ている間に布団に潜り込んで血を吸うため、顔や手足はほとんど刺されず、わき腹や下腹部・ふとももの内側など衣服で隠れる部位を刺すのが特徴です。

また刺された跡は中心部が少し膨らんだぷつぷつっとした赤い発疹を起こします。

一方、あせもは、汗がたまりやすい首もと・ひじ裏・ひざ裏などにダニ刺されのようなぷつぷつとした見た目ではなく、面状に赤くなるのが特徴です。

 ダニあせも
原因イエダニは、寝ている間に布団に潜り込んで血を吸う汗腺に汗がたまって起こる炎症
患部の状態ダニに刺された場合の症状
わき腹や下腹部・ふとももの内側など衣服で隠れる皮膚のやわらかい部位に点在
あせもの症状
頭、首もと、ひじ裏、ひざ裏などの汗がたまりやすい部位に面状に赤くなる
対処法寝具の洗濯、布団乾燥機の利用、布団の清掃などこまめに汗を拭く、シャワー・入浴、下着を取り替える

参考:かゆみ・虫さされにウナコーワ「かゆいブツブツ!これってダニ?あせも?

ダニ刺され対策と予防法

ダニ刺されで悩んでいる方へ!あせもとの違いについて解説!症状や治療についても

イエダニの対策として、宿主であるネズミや鳥の巣があればそちらの除去を行います。

専門の駆除業者への依頼も検討しましょう。

ネズミや鳥を家から追い出したら、残っているイエダニを駆除用の殺虫スプレーやくん煙剤を使用して駆除しましょう。

ツメダニの予防には、部屋や寝具にこまめに掃除機をかけ、エサになるような他のダニを定期的に除去するようにしましょう。

また、ツメダニは熱に弱いため、コインランドリーの業務用乾燥機や家庭用乾燥機で50度以上の熱を加えると除去に効果的です。

畳はダニアースなどの畳に刺しこんで薬剤を注入できる殺虫スプレーを使うのも効果的です。

ツメダニに効果があるダニシートを使用するのも方法です。

マダニに刺されないようにするには、ハイキングなどの野外活動の時には長袖、長ズボンを着用し肌を露出させないようにしましょう。

有効成分に「ディート」などであるマダニに効果がある虫よけスプレーを使用しましょう。

野外から帰ったら、マダニに刺されていないか全身を確認するようにしましょう。

関連記事:蕁麻疹(じんましん)によっておこる症状と対処法、原因について

ダニ刺されですぐに治療や病院へ行くべき場合

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イエダニやツメダニに刺された際の治療は、ステロイド外用薬による治療になります。

市販の薬でもステロイドは販売されていますが、ステロイドにも色々な種類があります。

  • strongest(最も強い)
  • very strong(とても強い)
  • strong(強い)
  • medium(普通)
  • weak(弱い)

とステロイドの効果の強さや副作用が全然違います。

ダニ刺されは炎症が強いときもあるので、弱いものを漫然とぬっても効果がなく長引く場合もあります。

診断も難しいので、範囲が広範囲であったりかゆみが強い場合は、医師の診察を受けることをお勧めします。

マダニについては、ご自身で対応することは難しいので、原則病院へいくことを勧めます。

マダニが目にみえて刺さっているので、慌ててしまいますが無理に引き抜こうとは絶対にしてはいけません。

口器と言われるマダニの頭部が皮膚に残って炎症や肉毛腫を起こす場合があるからです。

刺されてから早期であればワセリンをいっぱいのせて30分ほど待つと除去できるようになったり、マダニ除去器具などで除去できる場合もあります。

実際には局所麻酔をしたあとに、皮膚ごと切除することが多く確実な方法です。

ダニに刺されたのみで刺された周りの発赤などない場合は、予防的な抗菌薬投与については医師ごとに意見がわかれますが、基本的には不要なことが多いです。

まとめ

ヒトを刺すダニ3種類です。

室内が2種類、屋外が1種類です。

屋外のマダニは刺されても自分ではずそうとしてはいけません。

必ず病院を受診しましょう。

参考文献

厚生労働省:最近のダニ媒介感染症の国内の発生状況について(2021年9月22日)

国立感染症研究所:日本紅斑熱 1999~2019年(2020年8月21日)

この記事の監修医師


千葉内科在宅・美容皮膚科クリニック 院長 辺土名 盛之(へんとな もりゆき)

経歴

  • 三重大学医学部医学科 卒業
  • 四日市羽津医療センター
  • 西春内科・在宅クリニック
  • 千葉内科在宅・美容皮膚科クリニック院長

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