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脳梗塞は予防できる|病気を防ぐために今日からできる習慣とは?

こんにちは。千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックです。

社会の高齢化が進むにつれて、発症する人が増えている脳梗塞。

治療方法の発達に伴い、発症しても元のとおりに回復するケースが増えてきましたが、現在においても脳梗塞は、三大疾病の一つである脳卒中のうちの主な疾患とされています。

今回は脳梗塞について、リスク因子や、発症を防ぐ食事、運動のポイント、前兆としてあらわれる症状などを説明していきます。

是非ご一読ください。

脳梗塞は予防できる病気

脳梗塞とは

脳梗塞は、脳卒中(脳血管疾患)のひとつです。

脳の血管が詰まることで、詰まった部分から先へ酸素や栄養が届かなくなり、細胞が死んでしまうことにより脳の機能が低下する病気です。

脳梗塞は主に3種類のタイプに分かれます。

  • ラクナ梗塞
    高血圧や加齢により、脳の細い血管につまる
    予後は比較的良好
  • アテローム血栓性脳梗塞
    太い血管が動脈硬化で細くなりつまる
    脳梗塞の中で頻度が最も高い
  • 心原性脳塞栓症
    心臓にできた血栓が脳に流れてつまる
    重篤な症状になることが多い

脳梗塞の原因

脳梗塞を引き起こす原因は、以下の3つに分類できます。

健康状態(持病)高血圧・糖尿病・脂質異常症・不整脈
生活習慣食生活の乱れストレス運動不足
生活環境寒暖差の激しい場所

そのため、以下に該当する人は脳梗塞になりやすいので注意が必要です。

脳梗塞になりやすい人

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • コレステロール値が高い
  • 不整脈
  • BMI30以上(肥満・太り気味)
  • 喫煙習慣がある
  • 親や兄弟に脳梗塞になった人がいる
  • 食事の栄養バランスが悪い
  • アルコールをたくさん飲む
  • ストレスをためやすい

冬に起こりやすい?

「冬は脳梗塞(脳卒中)に注意」といわれるのは、冬は寒さで血管が収縮したり、体を温めようと血圧が一気に上昇したりすることで、血管が詰まりやすくなり脳梗塞の発症につながります。

また、暖房の効いた室内から寒い所に行くと、屋内、屋外いずれであってもその急激な温度変化で余計に脳梗塞を起こりやすくなります。いわゆる「ヒートショック」です。

外出時は着込んだり、家屋内であってもトイレ、脱衣所、お風呂を温めておくことで急な温度変化を防ぎましょう。

入浴は熱いお湯は避け、半身浴を基本とするのが良いでしょう。

長く肩までつかる入浴方法は呼吸効率の面からも、血圧の急激下降の観点からもお勧めできません。

また、冬は喉の渇きを感じにくく、さらに高齢者はトイレが近くなることを気にして水分を控えがちです。

しかし、水分不足は血液を濃く・ドロドロにし、血栓ができやすくなります。

これが脳の血管を詰まらせ、脳梗塞の直接的な原因になることがあります。

外出時の防寒、室内の温度差対策(脱衣所や浴室の暖房など)、そしてこまめな水分摂取が重要です。

加湿器で皮膚や呼吸からの水分蒸発を防ぐことも有効です。

関連記事:めまいはストレスが原因?何科に行けばいい?合併しやすい症状について解説

脳梗塞の予防法【病気管理編】

高血圧

高血圧は、脳の血管に負担をかけ、動脈硬化を進行させ、血管が詰まりやすくなります。

その結果、脳梗塞を引き起こすリスクが高まるため注意が必要です。

高血圧は自覚症状がないまま進行することが多いため、「サイレントキラー」とも呼ばれます。

血圧は一般的に140/90mmHg未満に保つことが推奨されており、血圧を安定させることで、血管への負担を減らし、脳梗塞の再発防止につながります。

日本脳卒中学会などの最新データでも、その基準が重視されています。

ただし過度に下げると血流不足を招く恐れがあるためコントロールが必要です。

※基準値は個別の状態や合併症によって微調整が必要なため医師の判断が必要です。

※家庭血圧をこまめに測定し、記録することで、血圧の変化を把握することが大切です。

糖尿病

血糖値が上がりすぎると、血液がドロドロになるため血管が詰まりやすくなり、脳梗塞のリスクが高まります。

また、高血糖により、脳の血管が傷つき、傷ついたところがプラークと呼ばれるかたまりになり、血流が悪くなることもあります。

糖尿病患者の脳梗塞発症率は、非糖尿病患者の2~4倍。

血糖コントロール目標は、個々の患者の状態や合併症の有無によって異なりますが、一般的にはHbA1cを7%未満に保つことが推奨されます。

食後の血糖値も重要で、特に食後の2時間血糖値が180mg/dlを超えないように注意が必要です。

※定期的に血糖値やHbA1cを測定し、医師の指示に従って適切な治療を受けましょう。

脂質異常症

血液中に脂質が増えたまま長い期間を過ごすと、増えた脂質が血管の内側に少しずつたまって、血管の中にかたまりを作っていきます。

そして血液の流れが滞ってしまい、動脈硬化を引き起こします。

動脈硬化になっても自覚症状はなく、心臓や脳の血管が詰まって心筋梗塞や脳梗塞の発作を起こすことで、ようやく脂質異常症の危険さに気づくことが多いです。

血液中のLDLコレステロール値が140mg/dL以上の場合を高LDLコレステロール血症と呼び、脳梗塞の発症リスクが増加するため注意が必要です。

LDLコレステロール管理目標値70mg/dL未満が推奨されます。

※脂質異常症は自覚症状がなく、目で見えるわけではないので採血をしないと診断ができませんので、定期的に血液検査をして確認していきましょう。

不整脈

不整脈とは心臓の電気信号が正常に伝達されなくなり、心臓の拍動が不規則の状態になることです。

代表的な不整脈の一つである「心房細動」は、心房がプルプルと震えてけいれん状態になるため、血液は心房の中でよどんでしまい、「血栓」という血のかたまりを作りやすくなります。

心臓でできた血栓が血液と共に動脈に流れ込み、脳の血管が詰まると脳梗塞が起こります。

症状としては、脈の乱れ、動機、めまいなどです。

※自覚症状や脈のセルフチェックをし、簡易的に観察しましょう。

「トン、トン、トン」と規則正しいリズムであれば問題ありません。

「トン、トン、トトン」など不規則なリズムだった場合は、医療機関を受診して心電図や心エコーの検査を受けましょう。

脳梗塞の予防法【生活習慣編】

食事

脳梗塞予防には、健康的な食生活が必要不可欠です。

食事によって摂取する栄養素のバランスを整えることで、生活習慣病のリスクを減らし、脳梗塞予防につながります。

  • 野菜や果物の摂取
    野菜や果物には、ビタミンCやカリウム、食物繊維が豊富に含まれています。
    高血圧や動脈硬化の予防に効果的です。
  • 塩分の摂取量を減らす
    高血圧は、脳梗塞のリスクを高める要因の一つです。
    食塩の過剰摂取は高血圧の原因となるため、塩分の摂りすぎには注意が必要です。
    日本人の平均的な塩分摂取量は1日あたり約10gと言われており、健康増進法では1日当たりの塩分摂取量を7g以下にすることが推奨されています。
  • 魚の摂取
    魚には、EPAやDHAなどの不飽和脂肪酸が含まれています。
    血液をサラサラにし、血管を健康に保つ効果があります。
    日本の厚生労働省では、週に2回以上の魚の摂取を推奨しています。
  • 食物繊維を含む食品を摂る
    食物繊維は腸内環境を整えるのに役立ち、便秘の予防や血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。
    特に大豆製品に含まれる水溶性食物繊維は、血中コレステロールを下げる効果もあるため、脳梗塞予防に役立つとされています。
  • 無理なダイエットは避ける
    急激な体重減少は、体内の脂肪を分解する際に発生する物質が、血管内膜に付着することで動脈硬化を引き起こす可能性があるため、脳梗塞のリスクを高める原因となります。
    健康的な範囲内で、無理のないダイエットを心がけましょう。

運動

脳梗塞予防には、適度な運動が必要です。

運動をすることで、血行が良くなり、血液中のコレステロール値を下げることができます。

  • 有酸素運動
    ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水中ウォーキングなど
  • 筋力トレーニング
    スクワット(下半身の大筋群を鍛える)、かかと上げ(ふくらはぎの血流改善)、腕立て伏せ(壁を使った軽めの方法も可)、チューブやダンベルを使った肩・腕の筋トレなど
  • 日常生活に運動を取り入れる
    エレベーターではなく階段、バス停を一つ前で降りるなど

睡眠

睡眠障害は、脳卒中を引き起こす要因になるので、自分の睡眠習慣で問題点があれば、修正することが健康管理の上で役立ちます。

  • 毎日6~8時間の質の良い睡眠の確保
  • 毎日同じ時間に寝起きし、睡眠のリズムを整える
  • 寝室の温度や湿度、騒音、光などを調整し、睡眠環境を整える
  • 寝る前のカフェインやアルコールは避ける
  • いびきや睡眠時の無呼吸が気になる場合は、医療機関を受診する

禁煙・節酒

禁煙によって血管の収縮が改善され、動脈硬化を進行させることが防げます。

まずは禁煙する理由を明確にしましょう。

理由を明確にすることが、禁煙成功の重要なポイントです。

また、家族や友人など周囲の人に禁煙のことを話しておくと、サポートしてもらえる場合もあります。

禁煙の方法には、ニコチンパッチやニコチンガム、禁煙薬、カウンセリングなど、さまざまな選択肢があります。

禁煙と同じく、アルコールの摂取量にも注意しましょう。

純アルコール20gの飲酒はHDLコレステロールを増やし、動脈硬化のリスクを軽減すると言われています。

しかし多量の飲酒は肥満、脂質異常症、高血圧、糖尿病を発症させるので、週1~2回の休肝日を設け、飲酒量は控えましょう。

ストレス管理

ストレス管理は、血圧のコントロールや自律神経の安定、ホルモンバランスの維持にも役立ち、結果的に動脈硬化の進行を防ぎます。

また、過度なストレスは不眠や過食、喫煙・飲酒量の増加を招き、脳梗塞のリスクをさらに高めるため、以下などのストレス管理を行いましょう。

  • ヨガ、瞑想、深呼吸、アロマテラピーなど
  • 周りの専門家の心理的サポートやカウンセリングを受ける

関連記事:動脈硬化で起きる症状とは|改善方法や治すことはできる?

脳梗塞の予防は検査も重要

健康診断

血圧測定、血液検査(血糖・コレステロール)、心電図などを行い、高血圧・糖尿病・脂質異常症といった生活習慣病を早期に発見・治療できます。

生活習慣病の早期発見・治療を行うことで脳梗塞の予防につながるため、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。

脳ドック

MRIやMRA、頸動脈エコーなど脳や血管を直接画像でチェックする検査で、健康診断では分からない「隠れ脳梗塞」や「脳動脈瘤」「頸動脈の動脈硬化の進行度」なども把握できます。

簡単に言うと、健康診断は全身の生活習慣病リスクを広く調べるもので、脳ドックは脳とその血管を専門的に詳しく調べる検査です。

脳卒中の家族歴がある方や高リスクの方は、健康診断に加えて脳ドックも検討すると安心です。

脳梗塞は早期発見が大切

脳梗塞の初期症状

「FAST」で確認する脳梗塞の初期兆候

小さな前兆から、脳梗塞をチェックします。

  • Face(顔のゆがみ): 口角が片側だけ下がるなど変化があれば危険です。
  • Arm(腕の脱力): 両腕を水平に上げられないときは要注意です。
  • Speech(言葉のもつれ): ろれつが回らない場合は早急な受診が望ましいです。
  • Time(時間の猶予): 発症から時間が経つと治療効果が下がります。

1つでも異常を感じたら、迷わず医療機関へ相談してください。

おかしいと感じた場合

すぐに救急受診を検討すべきケース

  • 顔の歪みや言葉のもつれが急に生じたとき
  • 片腕や片足だけ異常に力が入らないと感じるとき
  • 意識がもうろうとして受け答えが困難なとき

脳梗塞は発症直後の4.5時間が勝負です。

時間を浪費すると、有効な治療の機会を逃す可能性が高まります。

自己判断を避け、すぐに救急車を手配しましょう。

関連記事:脳梗塞の前兆チェック|予防するための3つのポイントを解説

千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックでできること

当院では脳梗塞の危険因子となる高血圧症・2型糖尿病・脂質異常症、即日で検査結果をお伝えできる最新の血液検査機器のドライケムを導入しています。

他にも、超音波機器・心電図機器等を導入しており、検査を受けたその日に検査結果をお伝えさせていただけます。(一部の特殊検査を除く)

検査結果で異常を認めた際には、追加で精密検査や診察を受けていただく為に、専門機関や医療機関へ情報提供を行い、紹介受診をしていただくことが可能です。

お困りの際は、是非お気軽にお問い合わせください。

まとめ

脳梗塞は、ときには命にかかわってくる怖い病気ですが、生活習慣を見直し、コントロールすることで、予防することもできます。

そのためにも、適切な食事と運動を心がけ、定期的な健康診断で自身の状態をチェックすることで、脳梗塞のリスクを下げることができます。

あなたと大切な人の命を守るため、この知識を家族で共有し、いざというときに適切な行動がとれるよう備えておきましょう。

この記事の監修医師


千葉内科在宅・美容皮膚科クリニック 院長 辺土名 盛之(へんとな もりゆき)

経歴

  • 三重大学医学部医学科 卒業
  • 四日市羽津医療センター
  • 西春内科・在宅クリニック
  • 千葉内科在宅・美容皮膚科クリニック院長

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