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脱水症状に気を付けよう!原因や見分け方について解説!
これから夏で、海水浴に夏祭り、人によってはライブやコミックマーケット(コミケ)等、
様々なイベントが盛りだくさんですね。
しかし、暑さと長時間の外出が重なると、脱水症状になるリスクが高まります。
特にイベント参加時の行列に並ぶ場面では、水分補給が難しく、注意が必要です。
そこで今回は、脱水症状の原因や対策について詳しく解説します。
Contents
脱水症状とは?
脱水症状は、体内の水分と電解質(塩分など)のバランスが崩れた状態を指します。
体内の水分が不足すると、以下のような症状が現れます。
- 喉の渇き:最も初期のサインです。
- 頭痛:水分不足により血液が濃縮され、脳への酸素供給が不足します。
- 倦怠感:エネルギーが低下し、疲れやすくなります。
- めまい:血圧が低下し、立ちくらみが起こります。
- 尿の色が濃い:水分不足により尿が濃縮されます。
- 足の痙攣(足がつる):筋肉に必要な水分と電解質が不足し、痙攣が起こることがあります。
関連記事:脱水症状の治し方を解説|速攻で効く方法やなりやすい人の特徴を紹介
脱水症状の原因
脱水症状の主な原因は、以下の通りです。
- 汗をかく:暑さや運動で大量の汗をかくことで水分が失われます。
- 飲み物の摂取不足:必要な水分を補給しないことで体内の水分が不足します。
- 下痢や嘔吐:病気などで体外へ水分が失われることがあります。
- 高温環境:高温多湿の環境では、体内の水分が蒸発しやすくなります。
脱水症のサイン
脱水症状のサインを早期に発見する方法をご紹介します。
簡単にできるチェック方法なので、ぜひ覚えておいてください。
手を握る
手を握り、相手の手が冷たく湿っているか確認します。
冷たく湿っていれば、血液循環が正常である可能性が高いです。
皮膚をつまむ
手の甲の皮膚をつまんでみて、戻る速度を確認します。
ツルゴール(皮膚の張り)テストという方法です。
すぐに戻らない場合、皮膚の弾力が低下している、即ち水分が不足している可能性があります。
親指の爪先を押す
親指の爪先を押して、色が戻る速度を確認します。
CRT(毛細血管再充満時間)という方法です。
やり方は、親指の爪先を5秒間圧迫し、圧迫をやめて経過を見るという方法です。
3秒以上経過しても押した指先に赤みが戻らなければ、脱水傾向と判断します。
舌を見る
舌を見て、乾燥しているかどうか確認します。
舌が乾燥している場合、体内の水分が不足している可能性があります。
脇の下を確認
脇の下を触って、汗が出ているか確認します。
暑いのに汗をかいていない場合、体温調節がうまくいっていない可能性があります。
関連記事:熱中症の治し方や予防対策|熱射病や日射病との違いは?
脱水症を予防するには?
脱水症を予防するための具体的な方法をご紹介します。
こまめな水分補給
水分補給は、脱水症状を防ぐための基本です。
特に暑い日や運動をする際には、定期的に水分を摂取するよう心掛けましょう。
アルコールやカフェイン摂取に気を付ける
アルコールやカフェインは利尿作用があり、体内の水分を失わせます。
暑い日や長時間の外出時には、これらの摂取を控えめにすることが重要です。
以下の表を参考に、夏場によく飲む飲料のカフェイン量を確認してください。
飲料 | カフェイン量(㎎/100ml) |
---|---|
水 | 0 |
炭酸飲料 | 10 |
経口補水液 | 0 |
麦茶 | 0 |
緑茶 | 20 |
紅茶 | 30 |
スポーツドリンク | 0 |
エナジードリンク | 32 |
アイスコーヒー | 40 |
電解質の補給
電解質の補給も大切です。
単に水を飲むだけでなく、塩分やカリウムなどの電解質を含む飲み物を摂ることで、体内の水分バランスを保つことができます。
電解質の含まれている飲料でおすすめなのは「OS1」や「ポカリスエット」などです。
電解質は体の中で非常に大切な役割を果たしています。
以下に電解質の役割とその重要性について詳しく説明します。
電解質とは?
電解質とは、体内で電気を帯びたイオンのことです。
主要な電解質にはナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどがあります。
これらは、水とともに体内の液体バランスを保ち、正常な細胞機能を維持するために必要です。
ナトリウム
- 体内の水分バランスを調整
- 神経の信号伝達を助け、筋肉の収縮をサポート
カリウム
- 細胞内の液体バランスを維持
- 心臓や筋肉の正常な機能をサポート
- 神経の信号伝達を助ける
カルシウム
- 骨や歯の構成成分
- 血液の凝固や筋肉の収縮に関与
- 神経の信号伝達を助ける
マグネシウム
- エネルギーの生成を助ける
- 神経や筋肉の正常な機能をサポート
- 骨の健康を維持
電解質の不足と影響
電解質が不足すると、体内のバランスが崩れ、以下のような症状が現れることがあります。
- めまいや立ちくらみ
- 筋肉のけいれんや足などを攣る
- 疲労感や無気力
- 心拍の異常や不整脈
脱水症状を防ぐための対策
適切な飲み物を選ぶ
水だけでなく、スポーツドリンクや経口補水液など、電解質を含む飲み物を摂取することが大切です。
食事からの摂取
バナナやほうれん草、ナッツ類など、電解質を豊富に含む食べ物をバランスよく摂取するよう心がけましょう。
定期的な水分補給
喉が渇く前に、こまめに水分補給を行いましょう。
特に、運動中や暑い日には注意が必要です。
以上の対策を実践することで、脱水症状を防ぎ、健康な生活を送ることができます。
体調が悪くなった場合や脱水症状が疑われる場合は、早めに医師に相談することをおすすめします。
脱水症状になってしまったら?
もし脱水症状になってしまった場合の応急処置を紹介します。
水分補給
少しずつ水や経口補水液を飲みます。
一度に大量に飲むと、体が吸収しきれない場合があります。
温度調節
涼しい場所に移動し、体温を下げます。
冷たいタオルや冷房を利用すると効果的です。
安静にする
体を休め、無理をしないようにしましょう。
特に重度の場合は、医療機関を受診することが大切です。
関連記事:下痢を出し切る方法はある?原因や種類、対処法について解説
医師による脱水症状の実体験
私が診療をしていた際に、よく遭遇した症状をご説明します。
ある日、ご年配の方が吐き気と倦怠感で来院しました。
特に外で作業などはしておらず、ここ2日間は自宅内で安静にしていたが、受診日当日の朝から急に症状が出てきたと言うのです。
身体診察を行うと、口の中の乾燥と皮膚の弾力性低下(ツルゴール低下)ですぐに脱水傾向と判断。
その後の問診・診察から自宅内での水分摂取不足と、空調を使用しない暑熱環境に長時間いたことによる熱中症と診断しました。
経口での水分摂取が難しかった為、クリニックで細胞外液の点滴を行い、安静にしていただくことで症状が落ち着きました。
このようにご高齢の方は体温調節がうまくできていない場合や、水分摂取不足により、日中自宅内で生活しているにも関わらず、熱中症になる場合があります。
夏場は特に適度な水分摂取と、適切な空調管理を心がけましょう。
千葉内科・在宅クリニックでできる対応
当クリニックでは症状に対して点滴の処置などを行うことが出来ます。
重症と診断した場合は入院可能な病院へ紹介状の作成をいたします。
また、オンライン診療も行っているので、風邪による発熱なのか、熱中症なのか迷われた時などにご活用ください。
緊急性の判断も行います!
オンライン診療について詳しくはこちらをご覧ください。▽
まとめ
脱水症状は、特に夏のイベント参加時に注意が必要です。
こまめな水分補給や電解質の補給を心掛け、アルコールやカフェインの摂取を控えめにすることで予防できます。
もし脱水症状になってしまった場合は、すぐに水分補給と体温調節を行い、必要に応じて医療機関を受診してください。
参考文献
千葉内科・在宅クリニック 院長 辺土名 盛之(へんとな もりゆき)
経歴
- 三重大学医学部医学科 卒業
- 四日市羽津医療センター
- 西春内科・在宅クリニック
- 千葉内科・在宅クリニック院長