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とびひはうつる?原因・症状・おすすめの市販薬を紹介

とびひ

高温多湿な6月から真夏にかけて流行する感染症です。

痒みのある水疱が出来て、それが破れて他の部位や人に広がっていく様子を「飛び火」と例えてそう呼ばれるようになりました。

正式名称を「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」といいます。

今回はとびひの原因や症状、おすすめの市販薬をご紹介いたします!

とびひとは?

とびひ

とびひは、皮膚に細菌が感染して起こる皮膚の病気です。

皮膚の健康を損なうだけでなく、他の部位への感染拡大も引き起こすリスクがあるため、早めの治療と清潔な管理が重要です。

症状が見られた場合は、速やかに医師に相談しましょう。

関連記事:虫刺されは実は危険?症状や対処法について解説

とびひの原因

とびひ

とびひには、水ぶくれができるタイプ厚いかさぶたができるタイプの2つに分類されます。

水泡性膿痂疹: 水ぶくれができるタイプ

水疱性膿痂疹の原因は、黄色ブドウ球菌が産生する表皮剥脱毒素という毒素です。

この毒素が皮膚を侵し、水疱性膿痂疹を引き起こします。

主に乳幼児や小児に見られ、特に初夏から真夏にかけ多くの発症が報告されています。

特徴

  • 【好発期】
    水疱性膿痂疹は、主に初夏から真夏にかけて多く見られます。
    この時期になると、気温や湿度が高くなり、細菌の繁殖が促進されるため、感染症の発生が増える傾向があります。
  • 【感染経路】
    虫刺されやあせも、擦り傷などが皮膚にできた際に、黄色ブドウ球菌が侵入して感染が起こります。
    特に乳幼児や小児は、皮膚の抵抗力がまだ弱いため、感染しやすくなっています。
  • 【表皮剥脱毒素(ET)】
    この毒素は、皮膚の表皮細胞間の結合を破壊し、水疱を形成します。
    皮膚の中で細胞同士をつなぐデスモグレイン1というタンパク質が侵害され、水疱が形成されます。

水疱性膿痂疹は、乳幼児や小児に多く見られる疾患であり、注意が必要です。

感染経路や特徴を理解し、早めの適切な対処が大切です。

とびひ

痂皮性膿痂疹: 厚いかさぶたができるタイプ

痂皮性膿痂疹の原因菌は、溶連菌の一種であるA群β溶血性連鎖球菌です。

この細菌が皮膚に感染することで病気が引き起こされます。

特徴

  • 【発症の急速性】
    痂皮性膿痂疹は急速に発症することが特徴です。
    皮膚の状態が急激に悪化し、症状が現れます。
  • 【合併症との関連】
    このタイプのとびひは、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患と関連することが多いです。
    そのため、既存の皮膚トラブルがある場合には注意が必要です。
  • 【季節に関係なく発生】
    季節に左右されず、年齢に関係なく発生することがあります。
    ただし、特に小児期から成人期にかけて見られることが多いです。

痂皮性膿痂疹は、その急速な発症や合併症との関連性から、早めの診断と適切な治療が重要です。

皮膚の異常を感じた場合には、速やかに医療機関を受診しましょう。

とびひの症状

とびひ

赤みと発疹

  • 水疱性膿痂疹
    最初に赤みやかゆみの伴う水ぶくれができます。
  • 痂皮性膿痂疹
    皮膚の赤みが出て、その後小さな膿疱(膿の貯まった水ぶくれ)が出来ます。

かゆみ

  • 水疱性膿痂疹
    皮膚に水ぶくれができるため、かゆみを感じることがあります。
    かゆみが強いため、掻いた手で他の部位を触ると、症状が広がります。
  • 痂皮性膿痂疹
    厚いかさぶたができるため、かさぶたを取ろうとするとかゆみが増します。

発熱や喉の痛み

  • 痂皮性膿痂疹
    発熱や喉の痛み
    を伴うことがあります。
    炎症が強い場合には、リンパ節が腫れる
    こともあります。
  • 共通の注意点
    水疱性膿痂疹や痂皮性膿痂疹ができる前の皮膚が乾燥していると、かゆみが増すことがあります。
    早めの適切なケアが必要です。

関連記事:MRSAとは?感染経路や症状を解説|高齢者がなりやすい理由も

ストレスでとびひを発症することがある?

とびひ

夏になると、とびひが増えてきます。

子供だけの疾患だと思われがちですが、大人でも疲れやストレスによって感染することがあります。

ストレスが重なると免疫力が低下し、細菌に対する抵抗力が弱まることがあります。

その結果、ストレスが原因でとびひが発症することがあります。

とびひはうつる?

とびひ

「とびひ」は、人から人へ感染する可能性が十分にあります。

原因となる黄色ブドウ球菌やレンサ球菌は、健康な方でも保菌している「常在菌」です。

とびひの方ではこれらの菌が多く増殖している状態です。

<感染経路>

直接接触

とびひの患者さんの皮膚に直接触れることで感染します。

特に、とびひの水ぶくれやかさぶたが割れて出た液体には大量の菌が含まれており、これに触れると感染のリスクが高まります。

間接接触

とびひの患者さんの滲出液が飛び散ったものに触れるととびひになる可能性があります。

例えば、滲出液を含んだタオルやおもちゃなどが該当します。

ただし、プールの水での感染はありません。

感染防止策

他の方に感染させないように患部を十分に覆う必要があります。

学校では、「学校感染症、第三種(その他の感染症)」として扱われ、登校・登園の条件が定められています。

医師に診察・治療を行い、患部をガーゼや包帯できちんと覆って露出していなければ、登校・登園可能です。

病変が多発していたり、広範囲の場合は休ませるほうがよいでしょう。

家庭でも兄弟が一緒にいる場合は、一緒にお風呂に入らないことも重要です。

とびひの方が周囲にいる場合は、手洗いなどの基本的な衛生管理を徹底するようにしましょう。

以上の対策を実施することで、とびひの感染リスクを軽減し、周囲への感染拡大を防ぐことができます。

関連記事:家族内での感染を防ぐために|ウイルスや病原菌から家族を守る

大人がとびひになると治らない?

とびひ

とびひと呼ばれる病気は、黄色ブドウ球菌やレンサ球菌といった細菌が皮膚に侵入し、水疱やかさぶたを形成する感染症です。

しかし、とびひと診断され、治療してもなかなか良くならない場合があります。

実際、そんな相談が医療機関でよく寄せられます。

なぜ治らないと感じるのか?

とびひの正体が、単なるかき壊した湿疹であることが多いのです。

湿疹がかき壊され、びちゃびちゃになった部分をとびひと誤診されることがあります。

とびひでは、やわらかい水疱やかさぶたが発生しますが、実際にはほぼ平坦であることが多いです。

治療法の注意点

一部のとびひは、薬剤耐性を持った細菌感染によるものであり、治りにくい傾向があります。

特に、ゲンタマイシン軟膏など一部の薬剤の効果が低下している場合があります。

外用剤の使用

とびひは体表面の病気であるため、内服薬ではなく外用剤を使用することが効果的です。

内服薬を使う医師もいますが、適切な外用剤を使用するだけで、症状が改善することがほとんどです。

<治療のポイント>

とびひが1週間以上続く場合は、医療機関で相談することをおすすめします。

適切な治療を受けることで、症状の改善が期待できます。

とびひは症状が早期に改善されることが多いですが、治らない場合は適切な診断と治療が必要です。

医師の指示に従い、適切な治療を受けましょう。

とびひにおすすめの市販薬

とびひ

とびひは細菌感染が原因ですので細菌を抑える「抗菌薬」が含まれているものを選びましょう。

炎症やかゆみが気になる方はステロイド成分も含まれている薬がおすすめです。

しかしステロイド成分のみの薬はかえって悪化する恐れがあるので、自己判断で使用するのは控えてください。

ステロイドは5段階の強さがあり、お子様の顔や首に使う場合は下から2番目まで、もしくはステロイド無配合のものを選ぶように気をつけましょう。

とびひ

ドルマイシン軟膏

ステロイド無配合で2種類の抗菌成分のみで作られたシンプルなお薬です。

大人から子供まで幅広く使用でき、化膿の予防や既に化膿している部分に有効です。

テラ・コートリル軟膏a

ステロイド成分+抗菌成分のお薬です。

ステロイドの強さは一番弱いものなのでお子様の顔にもお使いいただけます。

ベトネベートN軟膏AS

ステロイド成分+抗菌成分のお薬です。

ステロイドの強さは市販薬の中では一番強いため、かゆみや炎症が強く出ているときに有効です。

これらの市販薬を使用する上での注意事項は主に2つです。

  1. 用法・用量を守る
  2. 5日間使用しても改善されない場合は医療機関へ受診する

関連記事:抗アレルギー薬とは?強さのランキングを一覧で掲載

千葉内科・在宅クリニックでできる対応

当院では検査に加えて、症状に対して適切な薬の処方、使われている市販薬が適切かどうかのアドバイスなども行えます。

お困りの際はお気軽にご相談ください。

また、千葉内科・在宅クリニックでは、病院の診察時間外の夜間休日に患者様のご自宅にお伺いし、診察~検査~処方も行っています。

まとめ

とびひはとにもかくにも清潔が一番の対策になります。

虫刺されや湿疹は触らない、爪を短く整えるなどを気をつけましょう!

また、鼻の穴には多くの細菌が潜んでいます。

子供は無意識に触ってしまいますから、こまめに手洗いうがいを行いましょう。

参考文献

とびひ(伝染性膿痂疹)|ひふ研|第一三共ヘルスケア

とびひ(伝染性膿痂疹)に要注意|江戸川区北小岩の皮膚科 京成小岩皮膚科クリニック

【写真画像あり】とびひはうつる?とびひの原因と治療について解説 | ひまわり医院(内科・皮膚科)

この記事の監修医師


千葉内科・在宅クリニック 院長 辺土名 盛之(へんとな もりゆき)

経歴

  • 三重大学医学部医学科 卒業
  • 四日市羽津医療センター
  • 西春内科・在宅クリニック
  • 千葉内科・在宅クリニック院長

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