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廃用症候群を予防するためには|死亡率や認知症との関係性も

廃用症候群

こんにちは!

千葉内科・在宅クリニックの辺土名です!

今日は廃用症候群についてです!

時折耳にする言葉ですが、どんな原因があって、どうしたら予防できるのか詳しく解説していきます。

廃用症候群とは

廃用症候群

廃用症候群は、安静や寝たきりの状態が長時間続くなど、身体を動かさない時間が長くなることで起こる障害の総称です。

運動量が極端に低下することで心身ともに不調をもたらします。

特に高齢者は加齢により身体機能が低下しているため、活動量も低下してしまいます。

その結果、廃用症候群になりやすいと言われています。

関連記事:せん妄になると死期が近い?原因や認知症・妄想との違いについて解説

廃用症候群の具体的な症状

廃用症候群

運動器系の症状

人間の筋力は1週間の絶対安静で10-15%、1か月で50%まで低下します。

また、筋委縮も同時に起こり、2か月以内に筋肉量は半分に!

動かないことは関節にも影響し、関節が動かしにくくなったり、可動域が狭くなります。

循環器系の症状

ベッドに横になっていることで心臓から全身に血液が送りにくくなり、1回に送られる血液量は6-13%減少します。

それにより全身に酸素も運ばれにくくなり持久力が下がります。

また起き上がろうとしたときに血圧が低下する、起立性低血圧も起こしやすいです。

ほかにも、血液が滞ることで足に血の塊ができる深部静脈血栓症などの症状も引き起こす可能性があります。

呼吸器系の症状

横になっていることで呼吸するための筋肉が動かしにくくなり、呼吸は浅くなります。

また、咳もしにくくなり、気道内に唾液などの分泌物がたまりやすく誤嚥の危険性が高くです。

廃用症候群

消化器系の症状

活動量の低下から、食欲の低下や便秘などの症状を引き起こします。

泌尿器系の症状

寝ていることで、膀胱や尿道に尿がたまりやすく、尿路結石や尿路感染症の原因になります。

精神・神経系の症状

環境の変化や不安などの要因で抑うつ状態になる事があります。

また、外的な刺激もなくなり認知機能低下もみられます。

皮膚疾患

長い時間同じ姿勢でベットに横になっていると、体の一部が圧迫され血流が滞り、血行障害が起こります。

これにより圧迫された部分の皮膚が壊死する状態を褥瘡(じょくそう:床ずれ)と言います。

2時間以上同じ部分に圧迫がかかると褥瘡を起こしやすいので注意が必要です。

廃用症候群の原因について

廃用症候群

主な原因は、病気やケガをきっかけとした安静です。

入院などをきっかけに過度な安静を自宅でも行ってしまい、筋肉を動かさない状況が長く続いてしまうと次第に自力で動かせなくなってしまいます。

特に高齢者は身体機能が低下しやすいです。

そのため買い物や散歩など、1日の活動量の低下でも廃用症候群を引き起こす原因になってしまいます。

関連記事:高齢者に多い骨折の部位を解説|治癒期間や手術ができない場合について

廃用症候群と死亡率の関係性

廃用症候群

明確な研究はされておらず、正しい数値を出すことはできません。

しかし心疾患や呼吸器疾患、血管病変など様々な全身への影響も起こりやすいことから死亡率は高くなると考えます。

認知症が廃用症候群に与える影響

廃用症候群

脳は普段、外界からの刺激が適切な負荷となって、それに反応する正常な生理的反応が維持され、機能が保たれています。

しかし寝たきりになってしまうと、外界からの刺激(光・匂い・音など)の量が極端に低下します。

また、運動の機会も減るため、関節や筋肉からの体性感覚(触覚など)を得られる機会が減少します。

こういった刺激が低下することで、認知機能の低下や認知症の悪化などに影響が出ます。

関連記事:アルツハイマーになりやすい人の特徴は?認知症との違いや原因、初期症状について

廃用症候群を予防するには

廃用症候群

運動の機会を積極的に作る

廃用症候群の予防はシンプルです。

体を動かしましょう!!

ベッドで寝ているときでも、「足首を回す」「手足をばたばた動かす」「体の向きを変える」などでもいい運動になります。

ほかにも固まってしまった筋肉を、マッサージなどでもみほぐすだけでも十分効果は得られます。

自分でできることは自分で行う

過介護が廃用症候群の原因にもなるので、「自分でできることは自分でやる!」これだけでも変わってきます。

手助けは最小限にし、どうしても必要な時だけ手を差し伸べましょう。

食事

食事による予防法も効果的です。

動くエネルギーがないと人間は動けません。

体を動かす意欲を湧かせるためにもタンパク質の多く含まれた食事をよく噛んで食べることをお勧めします。

千葉内科・在宅クリニックでできる対応

まず、クリニックに来れるのであればぜひ来てください!

これだけでも十分な刺激になります!!

もし難しいようであれば、ご自宅にお伺いし在宅診療を行い、訪問リハビリなどの指示書を記入することが可能です。

定期的なプロのリハビリを行い、廃用症候群にならないように、当院で全身の管理を行っていきます!

【まとめ】廃用症候群は日頃からの予防が重要

廃用症候群は、寝たきりの状態で起きてしまう症状の総称です。

全身のいろんな臓器に影響を起こすので、予防や対策が必要になります。

廃用症候群の予防には、簡単な運動でも効果的です。

悩まずに気軽にご相談ください。

参考文献

廃用症候群とは|症状や予防方、リハビリまで網羅的に解説します

【医師監修】寝たきりを防ぐ「廃用症候群」って何?症状やケア方法を解説!

この記事の監修医師


千葉内科・在宅クリニック 院長 辺土名 盛之(へんとな もりゆき)

経歴

  • 三重大学医学部医学科 卒業
  • 四日市羽津医療センター
  • 西春内科・在宅クリニック
  • 千葉内科・在宅クリニック院長

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