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帯状疱疹ワクチンの種類は?副反応や接種にかかる費用について解説

こんにちは。

千葉内科・在宅クリニック院長の辺士名です。

みなさん帯状疱疹という病気をご存じですか?

現在の日本では80歳までにおよそ3人に1人が帯状発疹を発症することが国立感染症研究所より報告されています。

帯状疱疹は水疱瘡(みずぼうそう)と同じウイルスで多くの人が発症してしまう皮膚の病気です。

ですが、帯状疱疹はワクチン接種を行うことにより予防をすることが可能です。

今回はこのように日本人の3人に1人がなってしまう帯状疱疹の予防としてワクチンの種類や副反応、費用などしっかりと予防ができるようにわかりやすく解説していきます。

帯状疱疹とは?

症状

帯状疱疹の最も特徴的な症状は体の片側に沿って帯状に現れる痛みと水ぶくれです。

痛みに関しては初期時にチクチクした痛み、かゆみが現れます。

多くの場合は胸やおなか、背中などの特定の神経に沿って現れます。

原因

帯状疱疹の原因として、体内に潜んでいる水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が生涯にわたり神経に潜伏感染しています。

そして加齢や疲労、免疫力の低下がきっかけとなり、このウイルスが再活性化することで神経に沿って皮膚に症状を引き起こします。

合併症

帯状疱疹の合併症として皮膚症状が治った後も痛みが続く、帯状疱疹後神経痛が最も一般的な合併症となります。

発疹が治った後でも長時間続く痛みが特徴的です。

そのほかにも視覚障害や顔面神経麻痺の症状が現れたと報告されています。

予防法

帯状疱疹を防ぐ手段として帯状疱疹ワクチンが有効です。

ほかにも規則正しい生活習慣や適度な運動を行うなど免疫力を高めることが必要となってきます。

そのため、特に50歳以上の方や免疫力が低下している方にとって予防接種は重要な選択肢となります。

関連記事:帯状疱疹後神経痛は何科に行く?症状や原因を解説

帯状疱疹のワクチンの種類

帯状疱疹を予防するために使用されるワクチンには主に、生ワクチンと不活性化ワクチンの2種類があります。

帯状疱疹の予防摂取を受けるときは接種対象者や接種する回数や費用などの基本情報をしっかりと確認したうえで状況に合うワクチンを医師とご相談しながら決めてください。

生ワクチン

生ワクチンは、細菌やウイルスの病原性を弱め、弱毒化されたものを使用したワクチンです。

代表的なものは「弱毒生水痘ワクチン」と言われ子供の水痘予防にも使用されているワクチンです。

弱毒生水痘ワクチンの帯状疱疹発症予防効果は50代の方で69.8%、60歳以上で51.3%と言われています。

ワクチン接種後に1年目では67.5%の予防効果になりますが、2年目には47.2%、その後徐々に低下し、8年目には発症予防効果は31.8%まで低下すると発表されています。

このことから、長期予防効果は乏しいと考えられるでしょう。

不活性化ワクチン

不活性化ワクチンは、細菌やウイルスの感染力をなくしたものから細菌やウイルスを構成する成分の一部から作られているワクチンです。

比較的高く安全性が高く、免疫不全、免疫抑制状態の方、妊娠中の方におすすめされます。

代表的なものは「シングリックス®」と言われ帯状疱疹の予防接種で最も効果が高いといわれています。

シングリックス®ワクチンの帯状疱疹予防効果は50代以上で97%、70代以上で91%です。

50代以上の成人の試験では接種後の10年間は80%を超える予防有効性が確認されています。

帯状疱疹ワクチンの副反応

先ほどお伝えした生ワクチン、不活性化ワクチン2種類についてもう少し詳しく解説していきましょう。

ここでは2種類のワクチンの副反応についてお話いたします。

生ワクチンの副反応

生ワクチンは、弱毒化された水痘帯状疱疹の細菌、ウイルスを体内に取り入れ、免疫系に反応を起こさせることで帯状疱疹の発症を防ぐものです。

一般的に大きな問題はありませんが、いくつかの副反応が報告されています。

一般的な副反応

  • 接種部位の反応
    ワクチン接種後、注射を受けた場所が赤くなったり、腫れたりすることがあります。
    基本的には軽度で数日以内に自然消失します。
  • 発熱
    ワクチン接種後に軽い発熱がみられることがありますが一時的なことが多いです。
  • 発疹
    稀でありますが、一部の人出は接種後に軽い水痘様の発疹が出ることがあります。
    この場合もほとんどは軽症で済みます。

重篤な副反応

  • アナフィラキシー
    稀にアレルギー反応としてアナフィラキシーショックがおこることがあります。
    症状として、呼吸困難、顔や喉の腫れ、めまいなどの症状が含まれますが頻度は極めて低いですが症状が出た場合はすぐに救急車を要請しましょう。
  • 免疫抑制状態における感染症
    生ワクチンは、生きたウイルスをしようしているため、免疫力が低下している方(免疫不全・妊婦など)には禁忌です。
    これらの方が接種すると、帯状疱疹や重篤な感染症を引き起こすリスクが高くなるため、注意が必要です。

不活性化ワクチン

不活性化ワクチンは、細菌やウイルスの感染力をなくしたものから細菌やウイルスを構成する成分の一部から作られているため、安全性がより高いと言われています。

免疫力が低下している人でも安心して接種できますが、接種後に副反応がみられることもあります。

一般的な副反応

  • 接種部位の反応
    接種後、腕の痛みや腫れ、熱感が現れることがあります。
    これが最も一般的な副反応です。
    接種後の50%以上の方が経験しますが基本的には数日以内で収まります。
  • 筋肉痛や疲労感
    接種後に全体的な筋肉痛や倦怠感を感じることがあります。
    これも数日以内に自然治癒される場合がほとんどです。
  • 発熱
    これは体がワクチンに対して免疫反応を起こしている正常な兆候です。
    こちらも一時的な場合がほとんどです。

重篤な副反応

  • アナフィラキシー
    不活性化ワクチンでも非常に稀にアナフィラキシーショックを起こす可能性があります。
    この事態に備え、接種後15分程度は医療機関で様子を見ることが推奨されています。
    ワクチン接種後に症状が出た場合はすぐに救急車を要請しましょう。
  • 頭痛やめまい
    極めて稀ではありますが、接種後に頭痛やめまいなどの神経学的症状が出る方もいます。
    ただし、これらの症状は重篤ではなく、一時的なことがほとんどなので気になった方は医療機関に相談して下さい。

関連記事:季節の変わり目に体調不良が起こる理由や症状、対策を解説

帯状疱疹ワクチンの費用

帯状疱疹ワクチンの費用についてはワクチンの種類や接種する医療機関によって異なります。

ここでは生ワクチンと不活性化ワクチンの平均的な費用をお伝えいたします。

生ワクチン

生ワクチンは費用面での負担が比較的少なく、1回5,000円~10,000円程度です。

生ワクチンは1回の接種で効果が期待できるため、費用と副反応を懸念される方におすすめです。

不活性化ワクチン

不活性化ワクチンはより有効性、安全性が高い分、費用も生ワクチンに比べて高額になります。

1回あたりの費用は20,000円~25,000円程度で2回の接種が必要となります。

そのため、あわせて40,000円~50,000円前後の費用がかかることが平均的です。

※接種間隔は2か月以上空けることが推奨されており、効果は長期間持続します。

自治体によっては帯状疱疹ワクチンの費用助成がある

先ほどお伝えした通り、帯状疱疹ワクチンは保険適用外になるため、全額自己負担となり、特に不活性化ワクチンは費用的に高額になります。

ただし、帯状疱疹ワクチンの重要性が広く認知されてきており、予防接種を促進するため、自治体によって接種費用の一部を助成する助成金制度が設けられています。

当院がある千葉県を例にご説明していきます。

※現在千葉市では助成金はありません。

千葉県での助成事例

①船橋市

助成対象50歳以上
助成内容生ワクチン
助成額は2,000円、1人につき1回の接種が助成されます。

不活化ワクチン
助成額は1回あたり5,000円で2回の接種が対象。
接種は2ヶ月間隔で行いますが、2回目は6ヶ月以内に接種する必要があります。
申請方法船橋市内の医療機関での接種時には、予診票などを持参すると助成が適用されます。
詳細は船橋市のホームページをご確認ください。
https://www.city.funabashi.lg.jp/kenkou/iryou/007/p124404.html

②習志野市

助成対象50歳以上
助成内容生ワクチン
助成額は2,000円、1回の接種が助成されます。

不活化ワクチン
助成額は1回あたり5,000円で2回までの接種が対象。
接種は2ヶ月間隔で行いますが、2回目接種後に申請が可能です。
申請方法接種後に書類を提出いたします。
償還払い方式のため、費用は一度全額自己負担し、後日助成金が振り込まれます。
詳細は習志野市のホームページをご確認ください。
https://www.city.narashino.lg.jp/kenkofukushi/yobosesshu/20280.html

③市川市

助成対象50歳以上
助成内容生ワクチン
助成額は3,000円、1回の接種につき助成されます。

不活性化ワクチン
助成額は1回あたり、7,000円が助成され、2回分まで助成が受けられます。
申請方法接種後に申請が必要です。
申請には領収書や接種済みの証明書を準備し、市川市保健センターへ提出します。
詳細は市川市のホームページをご確認ください。
https://www.city.ichikawa.lg.jp/pub10/0000430488.html

関連記事:帯状疱疹はうつる?症状やワクチンについて徹底解説

千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックでできること

千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックでは、帯状疱疹の生ワクチン・不活性化ワクチン共に接種が可能です。

料金は以下の通りです。

生ワクチン
『ビケン®』
1回 8,000円
不活性化ワクチン
『シングリックス®』
1回目 22,000円
2回目 22,000円

※ワクチン接種には予約が必要です。お気軽にお問い合わせください。

帯状疱疹は後遺症も含めると長い期間で辛い症状が続きます。

ワクチンの助成は50歳以上の方が対象ですが、50歳未満の方でも接種できる場合があります。

ワクチンを接種していただくことで予防が可能となりますので、お困りの方はぜひ一度ご相談ください。

来院時には、ワクチンによる副作用や、効果の違いなど分かりやすくご説明いたします。

まとめ

帯状疱疹は、発症すると大きな痛みや後遺症を残す可能性がありますが、事前に対策を行えば予防することも可能です。

生ワクチンと不活性化ワクチンの両方が利用でき、各自治体の助成制度をしっかりと活用することで費用の負担を軽減することもできます。

ご自身やご家族を帯状疱疹から守るため、早めのワクチン接種を検討してみてくださいね。

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